Flying Lizards

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    Flying Lizardsフライング・リザーズ

    フライング・リザーズは、現代音楽を学んでいた北アイルランド出身のダダイスト、デヴィッド・カニンガムが76年にでっち上げた架空のニューウェイヴ・バンドだ。楽器をまったく弾けないと公言する彼は、高価な機材を一切使わず、ドラムの代わりに段ボールを叩き、ラジカセや風呂場エコーを用いて録音。こうして完成した1stアルバム『The Flying Lizards』(80年)は、米英のポップ・チャート上位を獲得し、かの有名な「たった20ドルでヒット作が出来る」という伝説を生んだ。
    81年には、大御所ロバート・フリップ、マイケル・ナイマンもゲスト参加した2ndアルバム『Fourth Wall』を発表。ちなみに、同アルバム収録の「Steam Away」は、90年代にデトロイトの黒人青年カール・クレイグがサンプリングしてファンキーなハウス・ミュージックとして蘇生している。3年の活動休止を経てリリースされた3rdアルバム『Top Ten』(84年)では、当時はまだ革新的だったサンプラーを導入してJBやジミへンを堂々カヴァー。——そして96年、エクスペリメンタル・ダブを展開した4thアルバム『The Secret Dub Life of Flying Lizards』を突如発表し、往年のニューウェイヴ少年少女を驚愕させた。
    また、カニンガムはプロデューサー/エンジニアとしても、ディス・ヒートやパレ・シャンブルグなどのアルバム作品を手掛けており、ソロ名義アルバム『Grey Scale』(77年)では、演奏時の誤差を活用した「エラー・システム」を提唱。カニンガムが打ち立てた「機材の可能性ではなく、機材の制約からいかに自由でいられるか」という精神は、現代テクノ・シーンへと受け継がれ、その影響はマシュー・ハーバートを始めとする先鋭的なアーティストの作品に顕著だ。

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