ももいろクローバーZ 新曲「ヒカリ
ミチ」もサプライズ披露、原点でもあ
る代々木の地で開催した“声出し解禁
”15周年記念ライブの公式レポート到

ももいろクローバーZが2023年5月16日(火)・17日(水)の2日間、東京の国立代々木競技場 第一体育館にて、結成15周年記念ライブ『代々木無限大記念日 ももいろクローバーZ 15th Anniversary』を開催した。
代々木公園の路上ライブから、その活動をスタートさせたももクロとモノノフにとっては、ゆかりの地であり、聖地とも言える代々木競技場 第一体育館での初の単独公演。しかも、今回のライブから声出しが解禁に。15周年を祝うかのように晴れ渡った2日間。会場の中も外も、開演前から声出しを待ち望んでいたモノノフの熱気で溢れていた。本レポートでは、21,532人を動員した2日間の公演のうち「Rakuten TV」でも生配信された、ももクロ結成記念日である5月17日・DAY2のライブの模様を紹介する。
まずは、ももクロのライブでは恒例となっているオープニングVTR。今回は、控室で本番を待っている様子、そして、控室から廊下を歩いてステージに向かってくる様子が、まるで試合に臨むボクサーかのように描かれていた。4人がステージに近付いてくるにつれ、モノノフの緊張感も高まっていく。4人が舞台袖に到着し、ライブ直前の掛け声が交わされ、いよいよ準備は整った…というところで「overture ~ももいろクローバーZ参上!!~」が流れ出すと、会場を埋め尽くしたペンライトが大きく揺れ、割れんばかりのコールが巻き起こる。モノノフが、共にライブを作り上げる感覚を思い出し、その喜びを噛み締めた瞬間だった。
ももいろクローバーZ (c)上飯坂一・増田慶・小境勝巳
そして、最後の「ゼーット!」の声と共に4人が登場したのは、センターステージ。しかし、4人はじっとしたまま動かない。それぞれの名前を呼ぶ声や歓声が鳴り止まぬまま2分近く経ったところで、1曲目「行くぜっ!怪盗少女」でライブがスタート。まさに緊張と緩和。モノノフのテンションは一気に高まっていく。全員が注目する中、会場のど真ん中で、百田のエビ反りジャンプも決まり、続く2曲目は自己紹介ソング「ダンシングタンク♡」。この曲を歌いながらメンバーはトロッコでメインステージへと移動。さらに、「ピンキージョーンズ」、「サラバ、愛しき悲しみたちよ」と、モノノフのコールが加わってこそ映えるライブ曲が続く。そして、「Z伝説 ~ファンファーレは止まらない~」で最初のブロックが終了。セカンドシングル「ピンキージョーンズ」の歌詞「天下を取りに行くぜぃ」を聴き、このタイミングで早くもももクロと歩んだ15年を思い返していたモノノフも多かったのではないだろうか。そして、最初のこの5曲で、今回のセットリストへの期待値も一気に高まったに違いない。
ももいろクローバーZ (c)上飯坂一・増田慶・小境勝巳
最初のMCパートでは、一緒に活動するようになって今年で10年というダウンタウンももクロバンド(DMB)を紹介した後、恒例の自己紹介へ。久しぶりに会場を巻き込んでの自己紹介で、メンバーのテンションも高まっていく。そして、「準備はいいですかー?」と会場のモノノフを煽り、声出し解禁の喜びを改めて感じながら次のブロックへ。
続くブロックの1曲目は「吼えろ」。百田の歌い出しと共に、ステージの後ろからは大きなXVのセットが前へとせり出してくる。XV、つまりはローマ数字の15。引き続き、ももクロ15年間の代表曲が次々と歌われていくのだが、「stay gold」に続く「労働讃歌」のサビで、モノノフがコールと共にサイリウムを持つ手を高く挙げる姿がとても印象的だった。この時の会場の一体感は、前半のハイライトのひとつだったと言ってもいいだろう。続いて、サックスの竹上良成のソロから「Z女戦争」へ。初期の人気曲ということもあり、この曲でもひと際大きな歓声が上がる。百田がピースサインを掲げて曲が終わると、そのピースサインのまま「笑一笑 〜シャオイーシャオ!〜」へ。15周年に相応しく、前半戦から多幸感に満ち溢れたセットリストとなっていた。
ももいろクローバーZ (c)上飯坂一・増田慶・小境勝巳
ももいろクローバーZ (c)上飯坂一・増田慶・小境勝巳
ここで、幕間のVTRへ。過去の懐かしい映像が次々と映し出される中、モノノフと共に歩んだ15年間を振り返る4人のインタビューが流れる。高城は「アイドル戦国時代。(当時は)邪道と言われたけれど、今となっては、ももクロこそが王道なんじゃないかなと思う」と語り、佐々木は「れにちゃんが、結婚してもアイドルを続けるというかっこいい姿を見せてくれたので、不安なことや怖いことはもう何もない」と語り、玉井は「ももクロは、今までのアイドルがやってこなかったような道を通って来た。新しいアイドルグループ像として、これからもいい見本でありたい」と語り、百田は「アイドルは最高で最強。これからもアイドルでいます」と語った。そんな4人からのポジティブで力強いメッセージを受けて、モノノフもモノノフを続けてきたことに誇りを持てたのではないだろうか。
ももいろクローバーZ (c)上飯坂一・増田慶・小境勝巳
ももいろクローバーZ (c)上飯坂一・増田慶・小境勝巳
衣装チェンジを経て、後半戦は「Nightmare Before Catharsis」からスタート。この曲もコールがあってこそ完成するライブ曲だ。イントロでメンバーが1人ずつ、ステージ下からポップアップで登場すると、モノノフもコールでそれに応えた。さらに、「CONTRADICTION」から「ゴリラパンチ」へと続く。「ゴリラパンチ」も節目には欠かせない重要な1曲。いまだに東京ドームの10周年ライブでの佐々木の歌い出しからの大歓声が忘れられないモノノフも多いことだろう。この曲に乗って、再びトロッコでセンターステージへ移動した。
センターステージでのMCでは、大きなライブ会場でのお決まりの「アリーナ!」という呼びかけを誰が言うか?じゃんけんで決めるなど、ももクロらしいワチャワチャした場面も見られた。その後、「MYSTERION」、「BIONIC CHERRY」と続き、「はいはいはーい!」という佐々木によるコール&レスポンスから「コノウタ」へ。最新アルバムからファーストアルバムまで聴き比べられる、15年の歴史を感じられるようなブロックとなった。
ももいろクローバーZ (c)上飯坂一・増田慶・小境勝巳
続くMCでは、ももいろクローバーZ 15周年記念“NO RULE”プロジェクト一環として、新たに“NO RULE PARTNERSHIP”プロジェクトの発表が行われた。日本中の企業・団体・お店をももクロが応援する企画となっており、パートナーシップを結んだ企業とはノールールなコラボ基準で、商品開発やコラボソング、イベントなどへの参加など様々な取り組みを行っていく予定だ。応募受付は5月18日(木)から12月31日(日)まで。詳しくは応募サイトをチェックしよう。また、本公演のDAY1・2両日の模様が収録された「代々木無限大記念日 ももいろクローバーZ 15th Anniversary」LIVE Blu-ray & DVDが10月4日(水)に発売、さらにDAY2のライブ音源がDIGITAL ALBUMとして今夏に配信されることも決定した。ももクロ3大ライブのひとつである「ももクロ春の一大事2024 〜笑顔のチカラ つなげるオモイ〜」が2024年も開催されることも発表され、モノノフにとっても嬉しい発表が続け様に明らかとなった。
ももいろクローバーZ (c)上飯坂一・増田慶・小境勝巳
そして、いよいよここからラストスパートだと伝えると、会場からは「え~」という大きな声が。これもここ数年のライブでは見られなかったシーンである。メンバーも曲中のコールのみならず、こうしたリアクションやMC中に名前を呼んでくれる声を感慨深く受け止めていた。 最後のブロック。まず、タオル曲「ツヨクツヨク」で再び会場がひとつになると、結成10周年の記念ソング「クローバーとダイヤモンド」へと続く。ここまで攻めた曲ばかりだったので、この日最初のバラード曲となったのだが、曲後半でのモノノフの「ありがとう」は、この日の最大のコールとなった。モノノフからももクロへの愛と思いが込められた「ありがとう」のその声は、会場の外まで響き渡ったほどだ。そして、メインステージへと戻り、次の「スターダストセレナーデ」の掛け合いでは、モニターに歌詞が大きく映し出され、モノノフと一緒に歌うシーンも。そして、ダウンタウンももクロバンド(DMB)のメンバー紹介を経て、最後の1曲は「走れ!」。まさに、モノノフと共に作り上げる4曲を最後のブロックに集めた形だ。全力のコールを受け、トロッコで移動しながら歌い、最後のサビはモノノフとの大合唱で終了。メジャーデビューシングルの「行くぜっ!怪盗少女」で始まり、そのカップリング曲「走れ!」で終わるという全20曲で、本編が幕を閉じた。
ももいろクローバーZ (c)上飯坂一・増田慶・小境勝巳
ももいろクローバーZ (c)上飯坂一・増田慶・小境勝巳
すぐさま、会場からは大きなアンコールの声が。その間、モニターには会場のモノノフ達の姿が映し出される。子ども達が笑顔で声援を送る姿も印象的だった。そして、「ENCORE overture」からのアンコール1曲目は、ももクロ4人が作詞を手掛けた新曲のバラード「ヒカリミチ」。事前情報は一切なく、サプライズで披露された15周年記念ソングの第2弾。ももクロからモノノフへの感謝の気持ちが込められており、モニターにはメンバーの手書きの歌詞が映し出された。
歌い終わると、ライブ終了後の24時(5月18日(木)0時)に配信がスタートされることも発表された。本楽曲は、「一台のバン(車)で15年の道のりを走り続け、これからもヒカリのさすほうへ止まらずに進み続ける」というコンセプトのもと、メンバー4人が作詞・タイトルを手掛けた。作曲は「白い風」や「キミノアト」の作詞・作曲をした多田慎也がメンバーからの指名により担当。「15周年の節目にモノノフの皆さんへ自身の言葉で感謝を送りたい」という想いで、メンバー同士長い時間制作に向き合い出来上がった1曲となる。また、それぞれ自分が作詞したパートを歌唱する構成になっている。

ももいろクローバーZ (c)上飯坂一・増田慶・小境勝巳

続く、アンコール2曲目は、15周年記念ソング第1弾の「いちごいちえ」。アンコールの衣装はこの「いちごいちえ」のMUSIC VIDEOでも着ていた15周年記念アーティスト写真の衣装だ。そして、この曲にもモノノフとの新たなお約束が待っていた。最後の百田の落ちサビのあとのフレーズ「きやがるんだな」をモノノフが大声で歌うと、曲はいったんブレイク。そこで、さらに大きな歓声が上がり、そのままラストのサビへ。MUSIC VIDEO同様、モノノフとメンバーの絆を確認出来る粋な演出となった。これはまた新たなお約束コールとして、今年のツアーなどで歌われることだろう。そして、アンコール最後の曲は「あの空へ向かって」。この曲こそが、今回モノノフが最もコールしたかった曲かもしれない。「世界のももクロ No.1」。繰り返されるこのコールで、最後にもう一度会場がひとつになった。
ももいろクローバーZ (c)上飯坂一・増田慶・小境勝巳
そして、ダウンタウンももクロバンド(DMB)を送り出した後、最後の4人でのMC。初日は、玉井の挨拶中に涙を流した百田の姿が印象的だったが、2日目は、高城の涙が止まらない。それぞれがモノノフへの感謝の気持ちを伝える中、佐々木が「クローバーとダイヤモンド」のモノノフの「ありがとう」コールに触れ、アイドルになって一番良かったと思う瞬間は「ライブ」だと語り、涙を見せた姿も印象的だった。最後に、百田が涙をこらえながら、「いつまでもみんなにとってのアイドルでいられるようにがんばりたい」と語ると、再び「世界のももクロNo.1」の掛け声が鳴り響き、会場全員での「ゼッート!」コールで約3時間のライブは終了した。
ももいろクローバーZ (c)上飯坂一・増田慶・小境勝巳
改めて、15年がギュッと詰まったセットリスト、そして、パフォーマンスや演出に、ももクロの変わらぬ攻めの姿勢を感じられるライブだったのではないだろうか。15周年を経て、ももクロは今後どこへ向かうのか?幕間のVTRでは百田が「これからもアイドルでいます」と宣言し、MCでは来年の春の一大事の開催まで発表されるなど、モノノフにとっては、これからもももクロの根底にある魂は何も変わらないと再認識できた、そんな記念日になったのではないだろうか。15周年イヤーの今年、ももクロは歩みを止めず、さらに精力的な活動を続けていく。まだまだアイドルとしての可能性は無限大。これからのももクロにも注目し続けて欲しい。

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