2度目の優勝を目指したRIZE。次シー
ズンの期待も高まるKIDS。マイナビD
ANCEALIVE 2023 FINAL RIZE&KIDS ハ
イライトレビュー!

2005年に「DANCE@LIVE(ダンスアライブ)」として日本で誕生し、18年の歴史を持つ世界最大規模のストリートダンスバトル「マイナビDANCEALIVE 2023 FINAL」。今年もバトルを中心に豪華なブースやショーケースが用意されダンスフェスとして盛大な盛り上がりを見せた。メインコンテンツとなるダンスバトルでは、6つのカテゴリーで熱いドラマや名勝負が繰り広げられた。今回はマイナビDANCEALIVE 2023 FINALを振り返り、KIDS&RIZE SIDEのハイライトを紹介していく。
様々なメディアで活躍するDリーガーやアーティスト、ブレイキンの日本代表候補など、現在活躍している多くの実力派ダンサー達が世に出るきっかけとなってきたのが15歳以下を対象としたKIDS SIDEと大学生による3on3バトルのRIZE SIDEだ。
成長段階だからこそできる柔軟な動きを活かし、音楽やバトルへの純粋な気持ちをダンスを通じてぶつけあうKIDS SIDE。大人顔負けの強豪ひしめく龍門を見事登り詰めたのは、音を掴むような完成されたLOCK、WAACKを披露したYou-ki (Naked Mojo / Calmlava)となった。KIDS SIDEで女性ダンサーが優勝するのは、2017シーズンでのMia以来の快挙となる。
大学生や専門学生だからこそ生まれる爆発的なエネルギーを活かし、切磋琢磨しながら自分たちのエンターテインメントをぶつけ合うRIZE SIDE。強烈な個性、絆が際立つチームが並ぶ中、栄冠を掴んだのは、ジャンルを超えた完成度の高いルーティーンと独創的なアイデアで、会場に驚きを与え続けたSt.Paul’s Spirit (立教大学)となった。骨折したメンバーもいた中、不利な状況を豊かなアイデアで覆した文句なしの優勝だ。
衣装に仕込んだ演出に会場が爆沸き!?
RIZE SIDEは2023シーズンからルールが変わり、最大5名から3名1チームでの参加となった。BEST8およびBEST16のトーナメントはアンダーグラウンドステージで行われ、そちらでも目を見張るような独創的なルーティーンや個性のあるダンサーたちを見ることができた。
準決勝からのMYNAVI STAGEでのバトルは観客の規模が一気に増すことで学生ダンサーたちの勢いも加速していく。そんな客席の応援を巻き込みながら名勝負を繰り広げたのが準決勝でのAfter Beat Club(埼玉大学)とSt.Paul’s Spirit(立教大学)との対戦だ。
After Beat Club(埼玉大学)は2009シーズン優勝と輝かしい実績を残している。メンバーを変えながら大学の名前と伝統を背負い挑戦し続け、マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2022 FINALでは準優勝と惜敗を喫している。今年はKIDS時代からバトルで大人顔負けの活躍をしてきたKAEDE、ストリートだけでなくA-POPシーンでも勢いのある活躍を見せるJUNKI、昨シーズンFINALに最年少メンバーとして参加し、今年こそ悲願の優勝を狙うKami(ELICK)の3名での挑戦だ。
対するSt.Paul’s Spirit(立教大学)は過去シーズンに「学びの精神」として出場し優勝を果たしたATO(CyberAgent Legit)が中心となり、世界的な活躍を見せるエンジェライズ・Funky BeeのRingo Winbee、ARIYAのRikuを従えたタレント揃いのチーム。目に見える実績やスキルでは頭ひとつ抜きん出ているチームだが、RIZE SIDEは3ムーブ制で行われるため、ルーティーンやムーブの完成度次第で結果がいくらでもひっくり返ってしまうのがRIZE SIDEの醍醐味だ。また、Rikuは出場1週間前に右腕を骨折してしまったため、そのハンディキャップをどう克服し勝負に挑むのかも見どころだ。
バトルが始まると両チームともルーティーンからのソロでといった構成でお互いの持ち味を生かしたバトルを展開。高い技術力を見せるSt.Paul’s Spirit(立教大学)と型やセオリーをわざと外したり脱力することで予測不能なルーティーンを展開するAfter Beat Club(埼玉大学)。基本に忠実ながらもセオリーをうまくずらしたムーブやシルエットは玄人ダンサーに評価されやすいが、ジャッジの目にはどう映るのか。
そんな先入観を壊してくれたのがSt.Paul’s Spirit(立教大学)の2ndムーブだ。Ringo Winbeeのベルトから紐を取り出し、振り回すというトリッキーなルーティーンからRikuのソロが始まる。タオルや衣装の一部を小道具として使われることは多いが、紐で体重を支えながら振り回すという演出は記憶にある限りは見たことがない。
さらに、腕を骨折しているRikuは、動きに制限があることを逆手にとり、腕の勢いを使わず足と全身の筋肉だけを使ったノーモーションと呼ばれる入りでの難易度の高いスピンを見せつけ会場を沸かせた。
3rdムーブではATOとRikuによるB-BOYINGルーティーン。そしてRingo Winbeeの元へ駆け寄り、勢いよく衣服を引き破り衣装チェンジさせる演出に誰もが度肝を抜かれた。そのままRingo Winbeeはステージを大きく使った勢いのあるソロで確かな実力を見せつける。After Beat Club(埼玉大学)はPOPとLOCKを融合させたKAEDEのソロから定石を崩した癖のあるルーティーンを最後まで貫き通したが、確かなスキルとアイデアで会場を沸かせたSt.Paul’s Spirit(立教大学)に軍配が上がることとなった。
決勝戦はJDSF強化選手率いるダークホースチームとの対決
RIZE SIDEは全国で予選が行われ、予選結果に応じたポイントが付与される。累積ポイントランキングが上位のチームからFINALへの出場が決まっていくシステムだ。ポイントランキング関東予選1位通過のB-STYLE(群馬大学)はその勢いを緩めることなく見事に決勝に上がってきた。
伸びやかなスタイルでBREAKINGからフリースタイルまで様々なフィールドで結果を残す兄B-BOY SHIONと、2022年JDSF強化選手にも選ばれた爆発力が武器の弟Lil’BOMB、そしてキッズ時代からバトルやコンテストで活躍してきた女性ダンサーARISAの3名によるチームだ。RIZEは初出場にて決勝まで辿り着いたダークホース。対するは「もう出せるアイデアは出し尽くしたのでは?」と思わせるほど準決勝で会場を沸かせたSt.Paul’s Spirit(立教大学)。スキル対スキルの真っ向勝負が期待できる。
1stムーブはフレンチエレクトロの音楽に乗せてPOPPERが登場するかと思いきやATOが先攻。後攻のB-STYLE(群馬大学)はB-BOY二人のシンクロ率の高いルーティーンからのSHIONのソロ。一番得意であろうセット(一連の流れ)をムーブに盛り込み、高いスキルでクリアな音どりを見せてくれる。
2ndムーブでは、B-BOYルーティーンからRikuが登場。1990半回転からのボムを片手で決め、リズムを途切れさせることなくフットワーク、エントリー、フロアと続けていく。対してB-STYLE(群馬大学)はARISAが登場。大きな会場、速いBPM(テンポ)の曲ではHIPHOPダンサーは軽い音どりになってしまうことも多いが、ARISAはベーシックスキルが高く、大きくカッコいいシルエットで踊る上、雰囲気のコントロールも巧い。ダイナミックさを見せたRikuと対照的に繊細さをしっかりとアピールしていた。
バトルではどのタイミングでルーティーンに入るかが重要で、場の雰囲気を一気に塗り替えたり、用意してきた振り付けに音ハメを発生させることもできる。ラストムーブは間髪入れずルーティーンに入ったことで、シャウトしながらRingo Winbeeが登場した。ハードヒットでの音どりをキープし、音ハメも、相手への煽りもしっかりと入れ込んでいく。それを見てテンションの上がったRikuのノーハンドヘッドスピンも決まり、ターンチェンジ。
対するB-STYLE(群馬大学)はLil’BOMBがさらに勢いのあるパワームーブで音楽を加速させていく。ヘッドスピンでは、スローから足の変形、ドリル、フリーズまでまさに7変化を披露し、どちらが勝ってもおかしくない見応えのある試合となった。

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