L→R Paul(Gu)、Skye McKenzie(Vo&Gu)、Sena(Dr)、Johnny Bowie(Ba)

L→R Paul(Gu)、Skye McKenzie(Vo&Gu)、Sena(Dr)、Johnny Bowie(Ba)

【WENDY インタビュー】
こういうタイプの曲とかビートって、
若い人たちには新鮮だと思う

18~19歳の4人組ロックバンド、WENDYが4thデジタルシングル「Pretty in pink」をリリースする。巧みに取り入れたロカビリー的アプローチが物語るのは、幅広いバックグラウンドだ。彼らの発言からは“Rock n Roll is Back”を掲げながらも、単なる懐古とは真逆とも言える今の時代を生きるミュージシャンならではのロック観がうかがえる。

俺たちと同じ若い世代に
ロックってどういうものなのか伝えたい

プロフィールには世田谷の青少年交流センターで出会った仲間で2020年10月に結成と記されていますが、実はSkyeさんとSenaさんのグループとJohnnyさんとPaulさんのグループが喧嘩になりかけた時、Johnnyさんが着ていたKISSのTシャツがきっかけで意気投合したそうですね。

Skye
そうなんです(笑)。これからやり合おうって相手にそんなことを訊くのもなってちょっと迷ったんですけど、Tシャツがカッコ良かったから“KISS、好きなの?”って訊いたら、“好きだし、この前の東京ドームも観に行った”って。それでいきなり仲良くなっちゃって(笑)。

で、バンドを結成することになったと。

Skye
バンド結成はそれからもうちょっとあとでしたけどね。最初はSenaと俺で、お遊びでやっていたんです。そしたらPaulがギターをやっていて、Johnnyもベースをかじっているっていうんで、“じゃあ、バンドやろうぜ!”となって、今に至ります。
Johnny
初めて会った時にベースを探しているって聞いたけど、当時は全然弾けなかったから“入りたい”とは言えなくて。
Skye
ずっとつるんでいて、ふたりが楽器をやっているの知っていたけど、みんな“やろうぜ”って言えなかったよね。
Paul
うん。言い出す自信がなかった。
Johnny
でも、音楽の話はずっとしてるみたいな。
Skye
団地の下に溜まって、The Rolling Stonesをかけてね。
Paul
それ、Skyeと初めて会った時だよね。その時、Skyeが作った曲を聴かせてもらったら、すごくいい曲で! それでハードル上がっちゃって、よけいに“バンド、やろうよ”って言い出せなくなった(笑)。
Johnny
俺もそうだった。

Paulさんはいつ頃からギターを弾いていたんですか?

Paul
小学5年生の時に親父に“ギター、やれよ”って言われて、ギターがうまい知り合いを師匠に迎えて、習い始めました。

もともとSkyeさんとSenaさんはダンスグループに入っていて、Johnnyさんはラップをやっていたそうですね。ということは、みなさんいろいろな音楽を聴いてきたと思うのですが、WENDYのバックボーンが80年代のハードロックやロックというところが興味深いです。

Skye
それぞれに好きなバンドは違うし、80年代だけに留まらず、70年代、60年代にまで遡って、なんなら…
Johnny
50年代までね。
Skye
さらにブルースの始まりまで遡っちゃう。でも、個人的に俺が好きなのはGUNS N' ROSESやMötley Crüeとかですね。
Paul
俺たち、別に80年代のロックをやろうって決めたわけではなくて、バンドを始めてみたら、それぞれの個性が混ざって80年代っぽくなっただけなんですよ。でも、そこが面白いと思っていて。だから、服装も80年代限定と決めているわけではなくて、それぞれに違うし、それこそライヴごとに違う。
Skye
Paulの好きなバンドは?
Paul
俺もガンズとかモトリーとかは大好きだけど、Led Zeppelinが一番、心の中にきています!

JohnnyさんとSenaさんは?

Johnny
80年代も聴きますけど、一番聴くのは60年代、70年代なんです。一番好きなのは、今だったらThe Velvet Undergroundなんですけど、最初にハマったのはSex Pistolsでした。
Sena
僕はみんなと会ってからバンドを聴き始めたんですけど、最近ハマってるのはRed Hot Chili Peppersですね。でも、最初に聴いてシビれたのはモトリーとかガンズとかでした。

80年代と言ったら、みなさんが生まれる20年前じゃないですか。ガンズもモトリーも言ったら、おじいちゃん、おばあちゃんが聴いている古臭い音楽という感覚はないですか?

Skye
もちろん今の音楽も聴きますよ。でも、70年代や80年代のロックを聴くと勉強にもなるし、やっぱりルーツって知っておかなきゃって思うんですよ。今、ロックを聴く若い子たちって、なかなかいないじゃないですか。俺らは今の若い世代にロックってどういうものなのかを俺たちなりに伝えたいんです。でも、だからって同じことをやりたいとは思っていなくて。ロックってどんどん進化していかないといけないものだから。とはいえ、昔のロックには参考にできるものもたくさんあるので、今の若い子たちでも新しい音楽として聴けるようなモダンなロックと80年代のロックの中間にWENDYは立っていると思っていて。もちろんWENDYを聴いて“シブすぎだろう”と思う人もいるかもしれないけど、それぞれにいろいろな音楽が好きだから…最初に配信リリースしたシングル「Rock n Roll is Back」(2022年5月配信)も頭のドラムのビートは結構ヒップホップ寄りで、歌もラップ寄りの感じなんです。2ndデジタルシングルの「Devil's Kiss」(2022年7月配信)はバリバリなロックで、3rdデジタルシングルの「When U Played Me」(2022年8月配信)はちょっとポップパンクっぽくて、今回リリースする「Pretty in pink」は、その3曲ともまた違うロックという。ロックでも種類はいっぱいあるんで、それを今の若い子たちに広めて、そこから“どういうバンドを聴いていたんだろ?”ってガンズとかツェッペリンとかレッチリとかいろいろ辿ってもらえたら、また新たなロックなシーンがこの時代にくるのかなって思っています。

“Rock n Roll is Back”という1stデジタルシングルのタイトルがそのままWENDYのスローガンになっていると思うのですが、今、自分たちの周りにロックが足りないとか、今のバンドシーンは物足りないとか、そんな気持ちもあるわけですか?

Paul
全体的に物足りないよね。
Skye
先日亡くなられた坂本龍一さんのテレビでの特集を観た時、坂本龍一さんから日本の若いアーティストへのメッセージがあって、“世界を見てほしいし、挑戦してほしい”というようなことを言われていて、俺もそうだと思いました。どうせやるなら、自分たちの音楽をできるだけ多くの人に聴いてほしい。このバンドをやり始めた当初、“英語と日本語を混ぜてやるのはどう?”とかいろいろ言われたんですよ。でも、世界を目指したいから英語で全部やっちゃおうと思ったし、メンバーもそれがいいって。
Paul
せっかく俺もSkyeもハーフなんだしね(笑)。音楽に国境はないと思っているので、やるからにはたくさんの人に聴いてほしいし、国と国が争うようなことが起きている中で、海外に向けてふたつの国の気持ちが分かる俺らが発信できることはいろいろあると思うし。それを考えると、共通言語は英語ってことになると思うんですよ。

なるほど。デジタルシングルをリリースしながら、ライヴ活動も精力的に続け、ワンマンライヴを成功させる一方では、イベントおよび『SUMMER SONIC』に出演というかたちで、LIQUIDROOM、Zepp Haneda、TOKYO DOMECITY HALLといった大きなステージにも立ってきました。その中で自信もついてきたと思うし、逆に自分たちに足りないものも分かってきたんじゃないかと思うのですが。

Skye
確かに大きなステージを経験できました、その直後に小さなライヴハウスに戻ると謙虚になりますよね。“俺らすげぇぞ”って調子に乗ることはないです。こう見えて、俺ら、結構謙虚なほうなんで(笑)。まだ足りないのは、ステージに出ていった瞬間のインパクトかな? もちろん歌にしても演奏にしても、世界で戦っていくにはまだまだ全然足りないので、そこはみんなでもっと頑張ろうっていう話はしていますね。

曲には自信があるわけですね?

Skye
あります! 確かに“こいつらこのあたりに影響受けているな? 好きなんだろうな”ってイメージされる部分もある思うんですけど、影響されていても違うことをやっていると思っていて。歌詞もそこに込めている想いにはいろいろあって。曲は誰にも負けていないと思ってます。
L→R Paul(Gu)、Skye McKenzie(Vo&Gu)、Sena(Dr)、Johnny Bowie(Ba)
配信シングル「Pretty in pink」

OKMusic編集部

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