L→R MORRIE(Vo)、YOU(Gu)、MINATO(Dr)、"CRAZY"COOL-JOE(Ba) Photo by Hidekazu Maiyama

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【DEAD END リコメンド】
輝き続けるDEAD ENDの軌跡が
示すものとは?

異例の結果を残した
インディーズ作品『DEAD LINE』

 1984年に結成されたDEAD END。彼らの最初のアルバムが、『DEAD LINE』だ。1986年6月に大阪のインディーズレーベル“Night Gallery”からリリースされたこの作品は、驚異的なセールスを記録。1万枚を突破したことを記念してピクチャー盤もリリースされた。インディーズ作品の売り上げ枚数が万単位となることは90年代辺りから珍しくなくなったが、このような結果は当時としてはかなり異例だった。この頃の音楽シーンに関してさらに付け加えるならば、海外のハードロック/ヘヴィメタルが日本でも大人気で、ジャパニーズヘヴィメタル、通称“ジャパメタ”と呼ばれるさまざまなバンドも活動を重ねていた。『DEAD LINE』はそういう状況の中でリリースされた作品だが、他とは異なる香りをどことなく漂わせていたことに、まずは触れておきたい。例えば1曲目「Spider in The Brain」の歌い出し、《慟き叫ぶ鬼の串刺し/何かに憑かれた餓鬼の群れ》は、この頃のDEAD ENDの作風を象徴するフレーズのひとつだろう。濃密に漂う禍々しいムードが『DEAD LINE』の曲たちの独特な味わいであった。

 収録されている8曲のうち、7曲はTAKAHIRO(Gu)が作曲。彼はこの作品の制作の途中で脱退し、TERRA ROSAのメンバーだったYOU(Gu)が後任として加入した。

「YOUちゃんが加入というか参加したのは、レコーディングが終わってツアーが控えていたので、そのままツアーに引っ張ってきたという成り行きです。“バンドに入ってくれ”と言われたこともないし、“入る”と言ったこともないと、本人はしばしば言っていました。弾いてもらうにあたって、“思いっきり好きに弾いてくれ”というようなことを僕が言ったらしく、そのことに心を動かされたようなことを後年言っていました」(MORRIE)
「急に東京でライヴをやることになって、無理矢理YOUちゃんを拉致して車に乗せて鹿鳴館かなんかに連れて行ったことは覚えています(笑)」("CRAZY"COOL-JOE)

 また、ドラムに関してはTANO(Dr)の在籍時、MINATO(Dr)の加入前。多くのリスナーが“DEAD ENDサウンド”として思い浮かべるはずのものとは趣きが異なっていると思うが、「Perfume of Violence」「Back in The Shadows」「Frenzy」など、秀逸な曲が並んでいる。しかし、半ばデモテープ制作に近い感覚で制作が進められた作品ということもあり、予想外の反響に対しては、当人たちの中で戸惑いもあったようだ。

「売れたこと自体は嬉しい反面、複雑な心境でした。というのは、自分の出来栄えの不甲斐なさに、“売れないでくれ”と願っていましたから」(MORRIE)
「あまり覚えてないけど。そんなに売れると思っていなかったし、そんなにウケると思っていなかったかな? 関西であの頃、派手で変なバンドが面白かったのかな?」("CRAZY"COOL-JOE)
L→R MORRIE(Vo)、YOU(Gu)、MINATO(Dr)、"CRAZY"COOL-JOE(Ba) Photo by Hidekazu Maiyama
LP『DEAD LINE』
LP『GHOST OF ROMANCE』
LP『shámbara』
LP『ZERO』

OKMusic編集部

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