L→R 悠介(Gu)、晁直(Dr)、葉月(Vo)、玲央(Gu)、明徳(Ba)

L→R 悠介(Gu)、晁直(Dr)、葉月(Vo)、玲央(Gu)、明徳(Ba)

【lynch. インタビュー】
完全復活を遂げて鳴らす
唯一無二の音楽

バンドの未来を真剣に見つめ、2021年12月31日のライヴ以降、約1年に及ぶ一時活動休止の道を選んだlynch.。各自がソロプロジェクトやサポートなどそれぞれに活動を進める一方で、メインソングライターの葉月(Vo)以外のメンバーも作曲を手がけるという新たな試みにも挑んでいた彼らに、ついに完成した渾身のニューアルバム『REBORN』について語ってもらった。

もっと武骨で荒々しくても
いいんじゃないかという気持ちになった

昨年の一時活動休止期間中はみなさんそれぞれにソロプロジェクトや別のバンドでの活動を進めていらっしゃいましたが、再始動に至るまでのlynch.としての動きはどんな感じだったのでしょうか?

玲央
もちろん業務連絡的なやりとりとか、オンラインで今後の打ち合わせをしたりはありましたけど、密に連絡を取り合うとか、そういう感じではなかったですね。5人が久々に揃ったと言えば、それこそ新録音した「ADORE」のMV撮影で会った時ぐらいで。家族もそうですけど、長いことバンドをやっていると、近いからこそ見えないことって絶対に出てくると思うんですよ。なので一度、別のところにそれぞれが自分の居場所を作って、そこからlynch.を客観的に見た上で、また集まったほうがいいっていう、そんな判断での一時活動休止だったんです。

一時的にせよ、lynch.から離れてみていかがでした?

玲央
“やっぱりlynch.っていいよな”と気づかされることや改めて思うことが、僕はすごく多かったですね。だから、すごく有意義な時間だったと思っています。
悠介
僕自身はそもそも止まること自体、あんまり良しとは思っていないところがあったので、lynch.で動けないのであれば他で音楽をアウトプットできる場所を作らなきゃと思って、健康というユニットで活動してはいたんですけど、やっぱりホームシックみたいな感覚はありました。なんとか自分の中でうまくバランスをとろうとはしていましたけど。
明徳
変な話、メンバーであり、ファンであり、みたいな立ち位置になっていたかもしれないですね、僕は。音楽をシャッフルで流してる時とか、今まではlynch.の曲がかかると飛ばしてたんですよ、もう散々聴いてるもんだから(笑)。でも、この期間は“おお、lynch.だ!”って、むしろ進んで聴いちゃったりして。lynch.のカッコ良いところとか、みんなが求めてる感じはすごく分かるようになった気がします。
晁直
逆に僕はこの期間、何もするつもりはなくて。別にやりたいこともなかったし、無理に何かを始めるのも違うと思ったので、ただただ贅沢な暇な時間が増えたっていう(笑)。一方で、メンバー各自が作曲にチャレンジするっていう休止期間中の課題があったので、そのプレッシャーと戦いつつ、環境を整えていましたね。全然うまくいかなくて大変でした…。

葉月さんはどうだったんでしょう? ソロと並行しながらlynch.をどのように考えていらしたんですか?

葉月
活動休止当初はソロに没頭していたこともあって、特にlynch.に対してどうこうというのはなかったんですよ。ただ、この期間中にソロでシングル2枚とアルバム1枚を出したんですけど、“あぁ、lynch.ってこういうところがいいところなのか”って音楽の面で思う瞬間もあって。なので、夏ぐらいから徐々に戻る時には、“こういう曲を持っていこうかな?”とか思うようになっていた感じですね。

それって具体的には?

葉月
ここ最近の僕が頑張って作ろうとしていたlynch.像というのは、結成当初からすると、ちょっときれいすぎたのかもしれなくて。もっと武骨で荒々しくてもいいんじゃないかという気持ちになったんですよ。音源にしても、結成当初はもう少しそういう感じが強かったので、そこが魅力かもしれないと改めて感じて。なので、今回のアルバムでもそういう曲を作って持っていったり。「CALLING ME」はまさにそういうイメージですね。

そんな一時活動休止期間を経て、昨年11月23日には初の日本武道館公演を大成功に収められました。本来なら2021年2月に開催予定だったのがコロナ禍で中止になり、このタイミングでの開催となったわけですが、念願のステージに何を思われましたか。

葉月
遡ると2016年の頃に、“そろそろlynch.で武道館がやれそうだから押さえよう!”っていう話になったことがあるんですよ。僕としてはそこですでに“よし! ついに辿り着いたぞ!”という気持ちになっていたわけですけど、そこから6〜7年経ったこともあって最初はいまいち実感がなくて。リハーサルに入っても、実際に武道館のステージを見ても、“ああ、こんな感じか”ってぐらいだったんです。でも、当日、SEが鳴った瞬間に一気にスイッチが入って、“うわっ、これから始まるんだ! ヤバい!”みたいな(笑)。だから、すごく不思議な感覚でしたね。最初は“もっと喜びたいのにな”みたいな寂しさがあったんですけど、そこからはもう楽しいだけでした。
晁直
僕も最初あんまり実感がなくて、“始まったら何かしら感じることがあるのかな?”と思ったんですけど、結果いつもどおりだったんですよ。でも、それって自分の中ではいいことだととらえているんですよ。武道館でもいつもどおりにやれたって。ただ、客席のほぼ全面がお客さんで埋まっていたのを観た時はやっぱり感動しました。
明徳
思っていた以上に見えるんですよ、客席の後ろのほうまで。表情まで分かりそうなくらい全体がよく見渡せたし、ライヴ自体も楽しくて。ライヴ直後、観に来てくれたデビュー当時のデイレクターの方から“いつもどおりのlynch.だったね”と言ってもらえたのが嬉しかったですね。武道館で、しかも復活のタイミングで、いつもどおりのlynch.をみんなに見せることができて良かったなって。
玲央
ライヴのMCでもいろいろ話したんですが、武道館に立てるってすごいことだなと今でも思っています。武道館を目指していたけど志半ばで辞めざるを得ない状況になった仲間も大勢いますし、僕は勝手に託されたと思ってステージに上がったんですけど…。不思議なのが、リハーサルよりも本番のほうが広く感じたんですよ。“武道館、すごいな”って改めて感動しましたね。ちょっと神々しいものがありました、日比谷野外大音楽堂の時もそうだったんですけど、やっぱり“ロックの殿堂”と言われている場所って、先人たちやそこに集まった人たちの想いが凝縮されているんだと思いますね。それをフロアーじゃなく、ステージに立って初めて感じられたというのは大きかったです。
悠介
僕はめちゃくちゃドライなので、武道館だからどうとかそういう感動はなくて。“lynch.の悠介”としてステージに立ったのが久々だったというのもあると思うんですけど、僕にとっては武道館でやるということ以上にそっちのほうが特別に感じられたんですよ。あと、明徳も言っていましたけど、お客さんの顔が全部見えるのも嬉しかったです。武道館は確かに特別な場所ですけど、それよりも久々にファンに会えたのがもっと特別なことでしたね。
L→R 悠介(Gu)、晁直(Dr)、葉月(Vo)、玲央(Gu)、明徳(Ba)
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OKMusic編集部

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