BUMP OF CHICKEN、共に歌い笑いあっ
たツアー緒戦「最高の幸せな夜でした

BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 be there 2023.2.11. 有明アリーナ
BUMP OF CHICKENのツアー『BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 be there』が、2023年2月11日・12日の東京・有明アリーナ2デイズからスタートした。2022年10月から12月にかけて全国6ヵ所・12公演を回ったライブハウスツアー『BUMP OF CHICKEN TOUR 2022 Silver Jubilee』に続く、11ヵ所・20公演のアリーナツアーである。
BUMP OF CHICKEN 撮影=太田好治
なお、初日の11日(土)は、BUMP OF CHICKENとして初めてライブを行ってから、ぴったり27年後の記念日である。昨年のこの記念日は、ツアーではなく単発で、幕張メッセ2デイズで行うはずだったが、新型コロナウィルスの感染拡大を鑑みて延期、7月2日・3日に振替になった。世の中がコロナ禍になって以降、バンプが有観客で行う初のライブだったこの時は、マスク必須・規制退場あり・声出しNG等の、感染拡大予防のためのコンサートのルールに沿って開催されたが、今回のツアーの直前に「声出しNG」が、解除された。よって、バンプにとっては、2019年の、最新アルバム『aurora arc』のリリースツアーのファイナル=11月3日・4日の東京ドーム以来、約3年3ヵ月ぶりの、オーディエンスが声を放ってもいいライブ、ということになった。
BUMP OF CHICKEN 撮影=太田好治
ということを意識して曲を並べたのか、それとも、そもそもバンプにはそういう楽曲が多いからなのか、セットリストのあちこちで、フロアとスタンドからシンガロングが湧き上がるような、セットリストが組まれている。いや、1曲目を終えたところでの、藤原基央の第一声は、「こんばんは、BUMP OF CHICKENです。声出してもよくなったんだよ。だから聴きに来たんだ」だったので、やはり、意識したのかもしれない。
……あ、でも、セットリストを決めたのは、声出し解禁になりそうだ、とわかる前だった可能性が高いか。アリーナツアーなので、照明等の演出の都合を考えると、ギリギリに決めるのは無理なので。「ツアーの途中でそうなりますように」という願いを込めながら、曲を選び、順番を考えたのかもしれない。
BUMP OF CHICKEN 撮影=太田好治
ともあれ、ファンじゃなくても知っている代表曲、『aurora arc』より後にリリースされた最新曲、「え、これやる!?」とうれしくなるレア曲などが、絶妙な順番でプレイされていく。中には、藤原曰く「声出してよくなったって言うからさ、こういう曲もやれるようになったんだよね」という曲や、「ライブで初めてやる曲」もある。
2022年の記念日ライブで、「お決まりのようにきみ(オーディエンス)が歌ってくれるパート、今は歌えないのはわかっている、でもそのパートは空白のままにしておく」と、藤原があえて歌わない部分を作ったあの曲も、曲の半分くらいのボーカルを、声を出せないオーディエンスに任せたあの曲も、この日はバンプとオーディエンス、みんなで力強く歌われた。頭3曲終わったところで、藤原、「こんなの、あたりまえのことだったのに、すげえうれしいわ。どうする? マックスの感動になっちゃって、ツアーファイナルみたい」と、自分の状態に戸惑う。
BUMP OF CHICKEN 撮影=太田好治
東京オリンピック2020のために作られ、2021年の開催後にコンサート会場としての営業が始まった有明アリーナは、BUMP OF CHICKENにとって、初めてステージに立つ場所である。中盤のMCで、藤原とチャマ(直井由文)と増川弘明、「控室がロッカールームになっている」「試合後に座ってうなだれているあれよ!」「数々のサッカーマンガとかに出てきた。タオルを頭からかぶって」と、口々に説明。しまいにはチャマが「ちょっと送るわ」と、ロッカールームの写真をその場で自身のツイッターにアップする。オーディンス、大笑い。藤原は「今見てくれてもいいし、『私は後だな』って人は後でもいいし」とフォロー。
BUMP OF CHICKEN 撮影=ヤオタケシ
また、2022年の記念日ライブは、昔のバンプに戻ったような、極力シンプルにしたステージセットだったが、今回はアリーナツアーの一部だということもあってか、ステージ中央から花道が伸び、その先にセンターステージが設けられた、アリーナ仕様になっている。そして、ライブの要所要所で、その花道とセンターステージが、効果的に使われていき、オーディエンスを狂喜させる。
言わば「きみと一緒に歌えること」の喜びからか、この日の藤原は、ギターを提げたままマイクをつかみ、ステージをあちこち移動しながら歌うことが、これまでのライブよりも多かったような気がした。ちょっとでもオーディエンスの近くに行きたい、という気持ちが、無意識に行動に表れたのではないか。間奏に入るところで、気がついたらマイクスタンドから遠くまで来てしまっていて、ポケットにマイクを押し込んでギターを弾く羽目になった──と、演奏後に明かした曲もあったほどだった。
BUMP OF CHICKEN 撮影=太田好治
アンコールを終え、藤原は「27年間、きみたちには本当にたくさん支えてもらいました。助けてもらいました。いっぱい勇気をもらいました」と、オーディエンスに感謝を伝え、「最高の幸せな夜でした、本当にどうもありがとう」とお礼を言い、「ベッタベタだけど、すごい言いたいことがひとつあります。行ってきます!」と、挨拶をした。
『BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 be there』は、この有明アリーナ2デイズを皮切りに、福岡・大阪・徳島・愛知・長野・宮城・北海道・広島・和歌山を回り、5月27日・28日のさいたまスーパーアリーナ2デイズで、ファイナルを迎える。

取材・文=兵庫慎司 撮影=太田好治、ヤオタケシ、立脇卓
BUMP OF CHICKEN 撮影=立脇卓

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