元櫻坂46キャプテンの菅井友香、主演
舞台『新・幕末純情伝』に没頭、神戸
公演を前に「土方歳三や岩倉具視が夢
に出てきた」

俳優の菅井友香が主演をつとめる、舞台つかこうへい復活祭 2023『新・幕末純情伝』が2月17日(金)より神戸のAiiA 2.5 Theater Kobeにて上演される。2010年に逝去した劇作家、つかこうへいの代表作として知られる『幕末純情伝』は、幕末の京都を舞台に「新撰組の沖田総司が実は女性だった」というユニークな着想のもと、剣士たちの運命を描いていく物語だ。今回、そんな沖田総司役に抜てきされたのが菅井。2022年11月で卒業したアイドルグループ、櫻坂46(2020年に欅坂46から改名)の初代キャプテンであり、つか作品は『飛龍伝2020』(2020年)につづいて2度目の出演。そんな菅井に同作はもちろんのこと、今後の活動についても話を訊いた。
つかこうへい復活祭 2023『新・幕末純情伝』
「昨晩、岩倉具視が夢に出てきました」
――2月12日(日)に東京公演を終えられて、17日(金)から神戸公演が始まります。その間、一息をいれることはできていますか。
それが昨晩も寝ているとき、武田義晴さんが演じられている岩倉具視の夢を見まして(笑)。その前は土方歳三(高橋龍輝)が出てきましたし。東京公演と神戸公演の合間ですが、作品や役はまったく抜けていないです。東京公演の期間中は夢を見ない日がないくらいでした。ちょうど先ほど東京公演千秋楽の映像データが届いたので、この後、反省点の洗い出しをするのですが観るのが怖いですね。それでも必ず新たな発見があるので、しっかり向き合うようにしています。
――舞台、映画での『幕末純情伝』の歴代の沖田総司役は、牧瀬里穂さん、広末涼子さん、石原さとみさん、鈴木杏さん、桐谷美玲さん、松井玲奈さんら錚々たる方たちがつとめていらっしゃいます。そこに名を連ねることは、プレッシャーも大きかったのではないかと思います。
実は『飛龍伝2020』に出演したときは、「これが最初で最後」というつもりだったのです。初めて経験することもたくさんあり、心身ともにギリギリの日々で。やりきれたこと自体が奇跡みたいなものでした。ただ、またこうやってつかさんの作品に出演させていただけることになり、しかもグループを卒業して「自分はこれからどういうふうに生きていきていこうか」と人生の転機も重なっていたタイミングだったので、「まだまだ未熟だけど、役者としてがんばってみよう」と思えるようになりました。
菅井友香
「知らないことを勉強するのは自分が生きる上ですごく為になる」
――雑誌『歴史街道』(PHP研究所)の連載のなかで、学校の授業では歴史が苦手だったと書いていらっしゃいました。そんな菅井さんの転機にやってきたのが歴史作品というのも、おもしろい巡り合わせですね。
そうなのです。だから「あらためて幕末について勉強しよう」と、分かりやすい歴史の本を買って読みました。いろんな人物のエピソードを読んで「なるほど!」となって、『新・幕末純情伝』の台本と照らし合わせてみると「全然違う」と(笑)。
――『新・幕末純情伝』で描かれている歴史はアレンジされていますものね(笑)。
「あ、史実と違うんだ」と(笑)。ただ歴史への興味も湧いて、そのあとドラマ、映画なども観ました。『飛龍伝2020』のときも安保闘争などが描かれていましたが、生まれる前に起きた出来事は、最初はなかなか自分のことのように捉えるのが難しい。だからこそできる範囲で資料や映像を調べて、勉強するようにしています。それは作品に取り組む上で大切なことですが、自分が生きる上でもすごく為になりますね。
「川島さんと共演して「これがMC力か」と感じました」
――自分の知らないことに挑戦する、という意味では競馬中継番組『競馬BEAT』(カンテレ)のMC就任もまさにそうではないですか。
すごくびっくりしたお話でした。というのも、12月に六本木ヒルズとJRAさんによる「けやき坂イルミネーション」を観に行った後あたりに​、『競馬BEAT』のMCのお話をいただき、「こんな偶然があるんだ」と驚きと嬉しさがあって。私は馬術部だったし馬も大好きなのですが、競馬はやったことがありませんでした。しかも『競馬BEAT』はたくさんのファンの方がご覧になる番組。未知の挑戦だけど、MCとして責任を持って勉強していきたいです。楽しみではありますが、身が引き締まる気持ちです。
――しかも川島明(麒麟)さんの後任のMCですから。川島さんとは『ラヴィット!』(TBS系)などでもご共演されていますよね。川島さんのMC力を間近で見て、いかがでしたか。
川島さんはすごくナチュラルに番組を進行されるので、こちらも緊張しないのです。今年のお正月番組『Z世代声優が選ぶ!昭和アニメのスゴい声優50人はこれだ!人気アニメの超お宝映像とともに大発表SP​』(テレビ朝日系)でご一緒したときも、すごい声優さんがたくさんいらっしゃったので緊張していたのですが、川島さんが和らげてくださって。「これがMC力か」と感じました。
――さすがですね!
ただ川島さんは、ラジオ(TOKYO FM『SUBARU Wonderful Journey土曜日のエウレカ』)に出演させていただいたとき、「自分も「これはできないかもしれない」と思うことはある」とおっしゃっていて。そういうときは良い意味で開き直るのだそうです。そんなお話を聞いて「川島さんもそんなふうに思うときがあるんだ」と勉強になりましたし、「自分のこれからに役立てよう」と思いました。
つかこうへい復活祭 2023『新・幕末純情伝』
「追い込まれた方が力は発揮できる」
――今回の『新・幕末純情伝』は、「つかこうへい復活祭2023」と銘打たれています。もしつかさんが実際に復活されたら、尋ねてみたいことなどありますか。
つかさんがどのように稽古場で演出をされていらっしゃるのか、見てみたいです。稽古場が毎日オーディションみたいにすごく厳しかったと聞きますし。でも、そういうシビアな環境のなかだとすごく鍛えられるのではないかなと。
――菅井さんは厳しい環境の方が成長できるのですか。
追い込まれた方が力を発揮できるとよく言われています。小さい頃にバレエを習っていたのですが、その先生がとても厳しい方で、そこでメンタルが強くなりました。アイドル時代も、振付師のTAKAHIRO先生は私の性格をわかっていらっしゃったので、直前まで厳しくレッスンをして力を引き出してくださいました。
――そういった経験が今後、役者として、そしてMCとして活かされそうですね。
櫻坂46、欅坂46ではキャプテンという立場をつとめ、その責任の重さに押しつぶされそうになることもありました。でも、楽しいだけではなくそういう苦しさもあったからこそ、今の自分が存在すると考えています。「あのとき乗り越えられたのだから、きっとやれる」という自信につながっているところもあります。これまでの経験を支えに、これからもいろんなことにチャレンジしていきたいです。
取材・文=田辺ユウキ

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