Snow Manが初演出を手掛け、集大成に
ふさわしい極上のエンターテインメン
トを目指す『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』
制作会見レポート

2006年、滝沢秀明主演、作・構成・総合演出ジャニー喜多川で『滝沢演舞場』として誕生し、進化や新たな挑戦を繰り返しながら『滝沢歌舞伎』は歩み続けてきた。2019年には『滝沢歌舞伎ZERO』と名前を変えてSnow Manのメンバーが主演を務め、2020年には映画化も果たした。彼らの身体能力を活かしたダンスに加え、アクロバットや歌舞伎、腹筋太鼓、変面を取り入れたイリュージョン、舞台上での生化粧といった多彩なパフォーマンスを盛り込み、多くの観客を魅了してきた本作。
2023年公演ではSnow Manが主演に加えて初の演出を行い、集大成となる『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』を上演する。SpeciaLの林蓮音、松尾龍、和田優希、中村浩大、少年忍者よりヴァサイェガ渉、内村颯太、豊田陸人、長瀬結星も出演し、4月19日(水)から千秋楽となる30日(日)までの15公演は全国の映画館でのライブ中継も実施される。
公演に向け、Snow Manの岩本照、深澤辰哉、ラウール、渡辺翔太、向井康二、阿部亮平、目黒蓮、宮舘涼太、佐久間大介による制作発表会見が行われた。

まずは松竹株式会社の専務取締役・演劇本部長である山根成之氏が「本作は2006年に誕生し、毎年バージョンアップと成長を繰り返してきました。滝沢さんが事務所をお辞めになり、この公演をどうするか議論を重ねる中でSnow Manの皆さんの「やるべきだ、やろう」という熱い思いが大きな力となってファイナル公演が実現しました。2019年から出演している彼らに、今年は初の演出もお願いしているので実に楽しみです。歌とダイナミックなダンス、歌舞伎と色々な要素を盛り込み、ジャニー喜多川さんが理想のエンターテインメントとして作った本作の集大成としてお届けできたら。また、『滝沢歌舞伎』では初となるライブビューイングも決定しました。劇場に足を運べない方にも、この素晴らしい作品に触れていただけたら。すみません、大変長くなってしまい……」とSnow Manのメンバーを振り返ると、向井がすかさず「長すぎます! 全部喋られたもん!」とツッコミを入れる。山根氏は「もう少し早く突っ込んでほしかった」と言いつつ、「日本を代表する和のスーパーエンターテインメントです。この公演が大成功となるようお力添えをいただけたらと思います」と締め括った。
続いてSnow Manのメンバーがそれぞれ意気込みを語った。
岩本:僕個人の話になってしまいますが、この作品は僕がジャニーズ事務所に入所した年に始まりました。そして僕は今年で30歳という節目を迎えます。このタイミングで、『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』という形で卒業式を行えることが本当にありがたいなと思います。グループ名が付いたのも、このメンバーで初めて主演を務めさせていただいたのも、この滝沢歌舞伎。自分たちの手で終止符を打てるのが感慨深いです。
深澤:色々喋ろうと思っていたんですが、照がほとんど全部言ってくれたので……。
向井:いや、言ってたのは専務!
深澤:(笑)。僕らは精一杯舞台に立ちます。皆さんの力を借りてこの作品を盛り上げていけたらと思います。
ラウール:僕がSnow Manに加入したのも『滝沢歌舞伎ZERO』がきっかけでした。ファイナルに向けてより一層気持ちを引き締めたいんですが……なんて言ったらいいんだろう。
深澤:分かるよ。
佐久間:頑張れ!
ラウール:ファイナルというのもあるけど、9人で1ヶ月舞台に立つ機会は、もしかしたらこの先ないかもしれない。1公演1公演大切に演じたいですし、観に来てくださる方を純粋に楽しませようという気持ちを忘れずに頑張りたいと思います。
渡辺:Snow Manとしても成長していますし、『滝沢歌舞伎』を今回初めて観る方もいらっしゃると思います。ファイナルということに引っ張られすぎず、初めての方にも親切で、誰も置いていかない舞台作りをみんなでしていけたら。
向井:僕にとって、『滝沢歌舞伎』は上京やSnow Man加入のきっかけでもある大切な舞台ですし、出演するたびに初心を思い出させてくれる大好きな作品です。ファイナルを悲しく思う方もたくさんいると思いますが、明るい気持ちで僕らも頑張りますし、しょっぴー(渡辺)が言う通り初めて来てくれる方もいると思います。全ての人に素敵なエンターテインメントをお届けできるように頑張りたいです。
阿部:先ほど岩本も申し上げた通り、グループ名が初めて発表されたのがこの舞台でした。3人(向井康二、目黒蓮、ラウール)が加入するきっかけにもなり、Snow Manの歴史を語る上で欠かせない作品で、僕たちも大切に思っています。ファイナルと名がついたからには、しっかりと締めくくらせていただきます。ジャニーズが誇る最高の和のエンターテインメントを僕らが手掛けられることを本当に誇りに思います。
目黒:Snow Manにとって切っても切れない作品だと思いますし、僕らの青春が詰まった作品です。ファイナルですが、皆さんの心の中でずっと生き続けると思うので、多くの方の目に焼き付けていただけたら嬉しいです。
宮舘:桜って美しいですよね。「散るのではなく舞う」をモットーにやってきました。公演はファイナルですが、Snow Manとして枝をもっと増やし満開に咲く途中なのかなとも僕は思っています。ジャニーズの和のエンターテインメントの美しさを伝えたいですし、新橋演舞場を任せていただく責任感を持ってステージに立ち、お客様を笑顔に、そして幸せな気持ちにさせたいと思います。
佐久間:この作品から舞台に立つ心構えを学びました。なので今年上演できることが本当に嬉しいです。「やってくれるんだ!」と思ってくださるファンの方もいらっしゃると思います。今年もSnow Manが傾かせていただきます!
手話で「今の気持ちは嬉しいです」と伝える目黒
――初めて演出を手がけることについて、お気持ちを教えてください。
岩本:僕は以前から振り付けなど、作り手として携わっていた部分もありました。出演しているからこそ作れるものをお客様に届けていきたいです。また、僕らが主演を務める前から携わってくれているスタッフさんが力を貸してくれています。昔からの良さと新しいものを融合させ、初めて観る方も初演から観ている方も楽しめるような作品にしたいという思いを、メンバーもスタッフさんも持っています。意見を出し合ってブラッシュアップしていく作業になると思いますが、みんなワクワクしていると思いますね。
深澤:どういうスタイルでやるかも言った方がいいんじゃない?
岩本:今回は一幕制でお届けします。鼠小僧をやるかなどはまだ未定です。
深澤:ショースタイルで、自分たちの身体を使って皆さんに熱量を届けようと決めました。(深澤扮する)おまるさんが登場するかどうかはお楽しみということで。
――腹筋太鼓やメガ太鼓はあるんでしょうか?
佐久間:あります! あっ、ネタバレかな。
渡辺:専務が全部言っていいよって。
佐久間:お馴染みの演目もありますし、ライブビューイングの皆さんにも楽しんでほしいなという思いもあるので。
岩本:体力や精神力を削って、観ている人にエネルギーや感動、エールを届けるのが『滝沢歌舞伎』の本来の姿だと思うので、苦しい部分も隠さず届けたいです。それができるのは『滝沢歌舞伎ZERO』ならではだと思うし、追い込まれると強い9人なので楽しみですね。
――この作品で、滝沢さんから受け継いだものがあれば教えてください。
岩本:お客さんのことを第一に考え、スタッフさんのことを考える姿勢です 。利己より利他、鼠小僧みたいにたくさんのものを与えてくれる方だったので、滝沢くんがこんなことに時間を割いてくれていいんですか? と思うことがたくさんありました。劇場を飛び出すくらいのエネルギーを引き継ぎ、「とにかく観ている人を楽しませる、且つ自分たちも楽しむ」「今しかできないことや笑顔を共有する」という思いでやっています。
阿部:滝沢くんが一人でやられていた腹筋太鼓やメカ太鼓、変面、女形などを僕らが個々に受け継ぐことで『滝沢歌舞伎』という作品を続けていこうという思いでやってきました。
深澤:この作品を通して精神的にも鍛えられました。僕は滝沢さんにすごくお世話になっていまして。ハードな作品ですし泣くほど怒られたけど、この作品がなければ僕はこんなに喋らなかったかもしれないし、こんなにメンタルが強くなっていなかったかもしれない。
ラウール:耳真っ赤になってる(笑)!
深澤:滝沢さんに怒られた時のこと思い出しちゃった。それにこんなに大勢の方が集まっているとは思っていなかったので(笑)。今回はだてさん(宮舘)が歌舞伎の公演に出ていましたし、歌舞伎や殺陣のパートでさらなる成長を見せられるのかなとは思います。
宮舘:なんでも聞いてな! (『SANEMORI』で)色々教えていただきましたし、Snow Manに持ち帰りたいと思いながらステージに立っていました。歌舞伎って観る分には華やかで美しいけど、インナーマッスルを使ったり、結構大変。稽古を通してみんなで鍛えていけたらと思います。
リクエストに応えて見得を切る宮舘
――グループの歴史と切っても切れない本作ですが、特に印象深い思い出はありますか?
目黒:色々ありましたが、一番びっくりしたことを。僕と佐久間くんと康二が同じ楽屋で、ちょっと散らかしてたんですよ。見に来た滝沢くんに「片付けておけよ」と言われたけど僕らは「これが快適だからこのままにしよう」と約束して。でも数日後に滝沢くんがまた見に来たら、二人の机がきれいに片付いてました。
佐久間:ごめん! また(滝沢が)来るって聞いたから「やばい!」と思って急いで片付けた(笑)。
向井:でも自分の楽屋だから好きにしたいよな(笑)。
――やっていて大変なこと、できるようになって嬉しかったことはありますか?
渡辺:エンディングの「WITH LOVE」で歌詞に合わせて手話をするんですが、目黒が『Silent』で上手くなっているので、手話のグレードに差がでちゃいけないなと。負けないように頑張りたいです。
目黒:手話を学んだので、振り付けになってもきちんと歌詞のメッセージを皆さんに伝えられるようにしたいですね。
――前回の公演で阿部さんが天気予報を盛り込んでいたように、それぞれの得意なことを活かした演出は考えていますか?
佐久間:1月に歌舞伎をやっただて様が殺陣のシーンをやったりするんじゃないかなと。まだ深くは言えませんが。
深澤:それぞれに得意分野があるので、今回は個々の良さも伝えられたらいいなと思いますね。どう反映されるかは未定ですけど。
阿部:宮舘に改めて見得の切り方を習いたいです。本当に格好良かったんですよ、1月の歌舞伎公演。
宮舘:前回は衣装も担当しましたが、今回は全員でシーンに合わせたものを考えたいですね。和と洋のコラボでもあるので、和は華やかに、洋はSnow Manらしさが前面に出たらいいなと思っています。
ラウール:新橋演舞場にはきれいな花道があるので、ランウェイにしちゃいます(笑)!
向井:その予定はないけど面白いな(笑)。
宮舘:僕らもランウェイの歩き方は学んだほうがいいかも。
一同:(笑)。
ラウール:あと、新しくバックにジュニアのみんながつくから、翔太くんと佐久間くんが先輩としてビシッと引っ張ってくれるんじゃないかと。
渡辺:それも大事だけど、演出が本当に初で手探りだから。今はスタッフさんやメンバーが出した意見を笑顔で聞くってことをしてます(笑)。
深澤:9通りの意見があるのがすごくいいよね。自分だけじゃ思いつかない意見がそれぞれから出てくるのが強み。今回は集大成として、人気の演目から久々の演目まで入っていますから、そこは新たな挑戦になると思いますね。
本作は4月8日(土)より新橋演舞場にて開幕。チケットは3月21日(火・祝)より販売がスタートする。
取材・文・撮影=吉田沙奈

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