【ODD Foot Works インタビュー】
今の、これからの自分たちそのもの
傑作を作った気持ちは揺るがないし、
自信につながっている
1月にリリースされるCD版にはボーナストラック「HAPPY MAIL」「Angel」が収録されますが、この2曲をチョイスした理由はありますか？
Pecori
「HAPPY MAIL」は2020年に意図的にSoundCloudにのみアップしていた曲で、配信希望の声も多かったんです。「Angel」は配信してましたが、かなり他の曲とは切り離された個体としての存在だったので、CD発売のタイミングで“ここだ！”となりました。アルバム自体、かなり多様な四季性が入り混じっているので、この2曲もハマると思いました。
「HAPPY MAIL」は前半で《hey siri!!俺が良いアーティストなら／君はメールくれるかな？》と歌っているのに、後半では自分からメールを送ったのか返信を待っているというストーリー性と、最後のエンドロール的なアウトロもあってショートドラマっぽい楽曲だなと思いました。
Pecori
初期のコロナ直撃期に作っていたので、対面して会うこと自体が難しく、電波を使った意思疎通しかできない状況で、当時の俺らなりに“それでもきっと会えるよね”っていうリスナーへメールを送信したつもりでした。タイトルはハッピーメールっていう出会い系アプリをもじっているから、ふざけた感じの遊び心もリリックには入れ込んでいます。
有元
Mixまで手がけて、音をイメージで見せられるように調整しました。
「Angel」はクリスマスの夜のワクワクする静けさと大人なムードも合わさっていて、なんとなくアメリカの映画っぽいイメージも湧いたのですが、何か題材にしたものなどはあったのでしょうか？
Pecori
冒頭の歌唱パートは1971年の『夢のチョコレート工場』っていうミュージカル映画で、ジーン・ワイルダー扮するウィリー・ウォンカが歌っている「Pure Imagination」って曲をまんまサンプリングして歌ってるのと、あとはラップのフローとかジャケット写真とかで言うと『グリンチ』をイメージしてます。
有元
この曲もMixまで手がけています。子供っぽさと深さが同居できたらいいなと思っていました。当時はいつもライヴや音源で聴いてくれているみんなへのプレゼントを渡そうという気持ちが強かったです。
『Master Work』は配信時に“#超音楽宣言”というハッシュタグを使って意思表示をしていたのも印象的でしたが、2023年1月にはCDリリースされるということで、改めて今の心境も込めて今作についてのコメントをいただきたいです。
Pecori
配信リリースからまだ3カ月ですが、人から感想をもらうたびに傑作を作った気持ちは揺るがないし、自信につながってます。単曲スワイプが主流の中、10曲30分を通して聴く意味がこんなにあるアルバムも少ないと思います。曲は配信で聴いてもいいけど、CDとして持っておくことにめちゃくちゃ意味があるアルバムですよ。
有元
“超音楽宣言”をし続ける人生にしていきたいですね。
榎元
もちろん毎回本気で作っているのですが、『Master Work』はちょっと特別で、今までの自分たちも受け入れた上で明らかなステップとして具現化された、今の、これからの自分たちそのものと言っていいアルバムです。少しでもたくさんの人に届いてくれたらいいなと思っています。
取材：千々和香苗
