L→R 有元キイチ(Gu)、Pecori(Rap)、榎元 駿(Ba)

L→R 有元キイチ(Gu)、Pecori(Rap)、榎元 駿(Ba)

【ODD Foot Works インタビュー】
今の、これからの自分たちそのもの

一度停滞してしまった活動から、
上に登るつもりだと宣言したい

M5「SEE U DAWN」はODD Foot Worksが抱えてきた葛藤、虚無感から始まり、楽曲の後半にいくにつれて “DAWN=夜明け”に向かっていく描写に思えて、“Master Work”と名づけられるだけのアルバムができるドキュメントに感じます。この曲を作ったことで、ひと皮剥けたような感覚はあったのでしょうか?

Pecori
前作のEP(2020年12月発表の『Qualification 4 Files』)を作ってからコロナ禍になり、「SEE U DAWN」はアルバム制作よりも前に作っていた曲なので混沌としていますね。ひと皮剥けたという意味では、ビートプロデュースをYohji Igarashiにお願いして、本メンバー以外からのビート提供にも意欲的になり、今回のアルバムでは共作も含め3、4曲はそういった作り方になってます。
有元
ラストの展開で夜明けを駆け抜けるイメージは大事にしましたね。
榎元
Yohji Igarashiプロデュースで、アルバム全体の中でも早いタイミングで、かつこういう曲を作ろうと決めてから恐ろしい速さでデモが送られてきました。プロデュースと言っても場合によっては基盤のみで、そこからみんなで構築していくことも多いのですが、この曲は1発目のデモからほとんど完成された状態で。本当にただYohjiのおかげなのですが、こんなにカッコ良くて面白い曲をODD Foot Worksとして出せることに興奮するのと同時に、メンバーが曲に負けてしまったら意味がないという緊張感も覚えました。結果として当時の自分たちのありのままを曲に詰められたと思っています。ある種、試されたことでより強い意志を持つきっかけになっていたのかもしれません。

M5「SEE U DAWN」のあとに流れるからこそ、M6「I Love Ya Me!!!」の明るさは痛快で、この曲が持つエネルギッシュさに救われるような気持ちでした。《言葉が君を揺さぶるならいらない/賛美が沁みるうちに愛でしめつけてやる》というフレーズの心強さと、ODD Foot Worksの楽曲の中でも底抜けに明るいサウンドであることも聴いていて楽しいです。

Pecori
今回のアルバムが完成するまでの道のりで、この曲ができたところが確実にセーブポイントになっています。特に自分はこの曲からリリックに対しての考え方もだいぶ変わりました。“そうだよな、こんぐらい開けた言葉使っても全然良かったんだよな”みたいな。2023年が始まる新世界でありますように。
有元
底抜けに明るくて、楽しい曲になればいいなと思っておりました。トラック制作では細かいギミックも大切にしていたので、ミックス段階での注文も多かった印象があります。

M7「GOLD」の歌詞では上を向いている描写が多く、《Spotlightへ飛べさあplay ball》《冷静なままお空を見る/上がってく気球と未完成な屋根》《アガる上/あの入道雲》など、ODD Foot Worksが持つ向上心だったり、自分自身を鼓舞する楽曲に感じます。タイトルに“GOLD”と名づけているのは“すでに輝いているもの”という意味ではなく、“これから輝かせよう”という意気込みに思えて、かなりアツい想いを綴っていると感じたのですが、サウンドはスペイシーなイントロから始まり、ロウテンポで重厚感のある仕上がりなのがまた妙です。

Pecori
これは最初の熱海合宿で生まれたので、アルバムの中ではかなり初期の曲ですね。もちろんコロナもありますが、一度停滞してしまった活動から、改めて上に登るつもりだと曲で宣言したいと思って書きました。もともとタイトルは“BLONDE”だったんですが、アルバムが出来上がるにつれて、“やっぱ銅より磨いて金にさせたほうが良くね?”となり、“GOLD”になりました。
有元
昔からテンポの遅い曲が好きなので、自分の心拍数に忠実に作れたと思います。シンプルにギターリフがカッコ良いって言われたら嬉しいです。

M8「燃えろよ桜」はドラムンベース的な変則するビートで展開していく曲調が楽しく、最後はギターロックで締め括る感じも予想外すぎてすごく癖になります。歌詞はPecoriさんが手がけていますが、特に“今の想いを音楽として残したい”という気持ちが伝わるサビは『Master Work』の真髄を歌っているように感じました。

榎元
この曲はサビのみが最初にできていて、バース(詞)やギターソロはだいぶ遅れをとって完成しました。明るく、ストレートなロック少年の心を出し惜しむことなく出すことが目的で始めたのですが、同時に“好きなものを好き勝手詰め込んでもいいじゃない”というわがままを通したい曲でもありました。その中にちょっとした哀愁みたいなものがスパイスで入っていて、そういった気持ちがPecoriにも伝わっていたんじゃないかと思います。

《アントニオVSアリ/交わらない手首/並木橋チャリ》は噛み合わないものを綴っているように思ったのですが、それで言えばタイトルの“燃えろよ桜”も、“燃える”と“桜”で噛み合わないもののような気がしました。

Pecori
安易に桜を入れたわけではないですが、散ることが確定してる桜を手で掴んだりすることはあるかもですが、燃やしちゃうのってなかなかないし、卒業後の未来への闘志が見せれるかなと思って。

OKMusic編集部

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