山田健登&高橋怜也「僕ら、新たな伝
説を作ることを誓います!」~ミュー
ジカル『テニスの王子様』4thシーズ
ン 青学(せいがく)vs氷帝インタビ
ュー

23年1月より開幕のミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン第3作は「青学(せいがく)vs氷帝」、関東大会へと出場を果たした2校による熱い戦いだ。その本番に向け、青春学園中等部テニス部部長・手塚国光役の山田健登と、氷帝学園中等部の200名を越える部員を束ねるカリスマ部長・跡部景吾役の高橋怜也にインタビューを敢行。待ちに待った“一騎討ち”に挑んでいく高まる胸の内を語り合ってもらった。

ーー手塚と跡部が直接試合でぶつかる「青学(せいがく)vs氷帝」、動き出しましたね。
山田:いよいよだな、と。手塚は今までみんなを見守る立場でいることが多かったので、やっときたな、やっと試合ができるな、という気持ちですね。
高橋:僕はミュージカル『新テニスの王子様』からテニミュ4thシーズンへ出演、というのがまず嬉しいですし光栄なことで……跡部と手塚の試合は昔から原作を読んできた自分自身が特に好きな試合。最高の試合をしたいなと思います。
ーーお二人はミュージカル『新テニスの王子様』でも同役で出演中ですが、氷帝メンバーが勢揃いするのは今作が初です。
高橋:氷帝全員にやっと会えると思うとワクワクしますし、栗ちゃん……樺地役の栗原 樹君は新テニミュにテニミュボーイズで出ていたんですけど、今回こうして樺地役として会えるのも嬉しいです。でもやっぱり自分が部長として氷帝を引っ張っていけるかはまだちょっと不安というか……新テニミュでは結構、健登が中学生みんなを引っ張ってくれているんですよ。テニミュ3rdシーズンからやっている切原赤也役のりゅうくん(前田隆太朗)が「手塚だし、健登がリーダーをやったほうがいいんじゃない?」と言ってくれて、普段はこんなにニコニコふにゃふにゃしてる健登が(笑)、その日からもう稽古に入ると本当にまとめてくれる男になってくれて。そういう姿を見ると「わ、かっこいいな」って思うんですけど、僕はどちらかというとそういうのは苦手というか……。
山田:絶対できます。大丈夫。
高橋:いやいやいや。
山田:怜也くんの発する言葉って、みんなが耳を傾けるんですよ。声も通るし、ここぞというときにぽんっと一言言って決めてくれるから、僕はもう何にも心配していない。今から氷帝のリーダーとしての未来が見えてます。
高橋:本当? じゃあ健登を見習っていけたらいいかな。でも手塚と跡部の対比でもあるんですけど、手塚は部員一人ひとりに言葉をかけていくのに対して、跡部ってどちらかというと自分から働きかけるよりは「ついてこい」みたいな感じなので、そこはちょっとキャラに助けられているというか、自分もそういう気持ちでやっていけたらいいのかな、と。新テニミュを経験している身として……4thシーズンは初めてですけど、テニミュを経験しているところは率先して行動で見せていけたらと思いますし、その姿を見てついてきてくれるみんなに支えられつつ、カリスマとしてのリーダーシップも伝えられたらと思います。
(左から)山田健登、高橋怜也
山田:氷帝の全キャストが解禁されたとき、自分は素直な感想として「わ、強そう」と思いました。でもそれって自分としても手塚としても正解の感情だなぁと思うし、今までも全力でやってきてはいるんですけど、もう一回しっかりエンジン掛け直していかないとね、このままじゃ青学(せいがく)が負けちゃうぞ、という緊張感も抱いています。実際、青学(せいがく)メンバー内では前回のルドルフ・山吹公演の折り返し地点くらいから氷帝の話がちょこちょこ出だして……。
高橋:へえぇ〜。
山田:本公演の最後のほうにも氷帝を匂わす演出があったりしたので、そこからもうみんなの意識がちょっとずつ積み重なっていて、こう……この先へ、氷帝戦へとリアルに向かっていってたのかなっていうのは感じてましたし、今、みんなまさにそういう気持ちになっていっていると思います。
高橋:僕、ルドルフ・山吹公演を劇場に観に行ったんですけど、健登もそれを知っていて、休憩中に「今、どこにいる?」ってメッセージが来て、「この辺だよ」って席を教えて。そうしたらその氷帝を匂わすシーンで、健登がステージから真っ直ぐ自分のほうを見て歌ってきたんですよ!
山田:うん。見てた(笑)。
高橋:舞台上も客席も、多分誰も気付いてないと思う。でももう絶対こっちを見てるし、「次は氷帝、跡部だ」みたいな気迫が真っ直ぐ心に届いてきて「うわっ」てすごいドキドキして……。そのとき左手でちょっと頬杖つく感じでリラックスして観てたんですけど、自然とね、気付いたらその手が(インサイトのポーズ)こうなりまして。
山田:ええっ!?(爆笑)。
高橋:(笑)。もう、そうするしかないでしょ! 背筋もピッと伸びて「待ってろよ」みたいな気持ちで視線を返しました。あれは二人だけの宣戦布告だったよね。
山田:ね。そのために事前に席も確認して(笑)。手塚vs跡部、実はもうあの時から始まってたってことです。
ーードラマティックですね! 普段のお二人はどんな関係性なんですか?
山田:あの……怜也くんは先輩なんですけど、自分は先輩というよりはお兄ちゃんって思ってますね。頼ってるというか、甘えさせてもらってるというか(笑)。
高橋:僕はもう健登大好きマンなんで。可愛い、ですよね。へへっ(笑)。
山田:出会って2年、仲良い分、刺激も受けて来ました。跡部をやっている時の怜也くんを見ていると「すごいな」「かっこいいな」と思う自分がいて、でもなんか「負けたくないな」という気持ちも側で見て感じていたので、今回は面と向かって戦うから……多分もっとバチバチにその感情が出てきて、熱い試合になるのかな、と想像しています。
(左から)高橋怜也、山田健登
高橋:自分も健登は新テニミュで一番刺激を受けて来た存在と言っても過言ではないので……それこそ「The First Stage(ミュージカル『新テニスの王子様』The First Stage)」の時とか、稽古動画で手塚と大和部長の歌を聴いたり、移動中にそのシーンを泣きながら観たりとかしてました(笑)。本当に素晴らしいものを持っている人だと思うし、尊敬する部分がたくさんあります。特に僕は今まで歌しかやってこなかったんですけど、やっぱり歌が好きですし、健登もずっと音楽をやってきてるっていう共通点もあるので、だからこそより燃えるというか、なんか……「そこ」でも戦うという感覚が——テニスでも戦うし、歌でも戦うぞっていうのは、すごいこう……熱いんです。湧き上がる気持ちが。なので今回は二つの意味での戦いですね。本当に。
山田:うんうんっ。僕ら二人はマイクを持ってきた人間なんで(笑)。
高橋:そうだね(笑)。
山田:で、それって結構特殊かなぁとも思っていて。跡部と手塚を演じる役者がこの氷帝戦で初めて出会うんじゃなく、その前から本人同士が仲良くなっているところからの直接対決。テニミュの中でもそういうのは初じゃない? だからこそよりバチバチにやれるなってところも含めて。
高橋:確かに! でも本当にね、普段こんなほんわかしてるのに、稽古の時とか舞台に立った時には「あれ? あの笑うときに月のようになる可愛い目はどこにいったの??」っていうくらい(笑)、キリッとしている山田健登がいますから。
山田:気ぃ抜くとすぐこう(にっこり目)なっちゃうけどね(笑)。
高橋:その目が出ないときの健登はまさに役が「憑依してる」。スイッチ入るとすごいんです。二重人格か!? ってくらいに。
山田:ハハハッ(笑)。怜也くんは……新テニミュの「The First Stage」の跡部と入江戦、結構長い試合なんですけど、稽古のときに怜也くんがもうヘトヘトになってたんです。「これ、本番大丈夫かなぁ」って心配になるくらいすごく動くし、すごく歌うし……でも本番が始まったらそんな心配が嘘だったかのように。なんなら「今までは何だったんだろ?」って、ちょっと余裕すら見えた。
高橋:(爆笑)。
山田:さっきスイッチって言ってましたけど、多分怜也くんも本番に入ってギアがもう一個上げられる人なんだなっていうのを、あのときすごく思いました。今回もそこはすごい楽しみだし、でも自分に向かうって思うと……ちょっと怖くもあります(笑)。
高橋:お互いにね(笑)。
(左から)高橋怜也、山田健登
ーー新テニミュとテニミュ4thシーズン、同じキャラクターながら時間軸の違う世界でのキャラクター表現についてはどう捉えていますか?
高橋:ほかの中学生たち同様、跡部もすごく……いや、多分誰よりも努力家だと思うんですけど、テニミュ4thシーズンの跡部はそれがあまり表に見えていないんです。新テニミュで入江にボコボコにされて、中学生選抜メンバーの前で負けそうになる“折れかけた心”を初めて晒していたけれど、こちらではまだそういう描写はない。いきなりみんなの前に出てきて「なんだこのキザなナルシストは!?」っていうインパクトがある存在なので、どんな時でも弱さは見せない凛としたカリスマ性みたいなものは今よりももっともっと磨いていかないといけないですし……内に秘める泥臭い部分はあっても表に出す泥臭さはない。そこはテニミュ4thシーズンの役作りとして意識したいですね。
山田:手塚としては信念がブレないところは常に変わらないんですど、新テニミュと違うのは……こういう表現が合っているかどうかわからないんですけど、ギラギラしたところ、熱さ。冷静だけど心に秘めているものは誰よりも熱くて、「勝ちに行くぞ」っていう気持ちが……もちろん新テニミュでもあるんですけど、テニミュ4thシーズンはより青々しくて、もっと強烈に勝ち進む思いを放出しているような気がしています。そこの差を見せられたら……と。氷帝戦は手塚としても青学(せいがく)全員としても、そして氷帝のみんなも「ここで負けたら終わる」という強い思いを抱いていると思うので、それを持った上でどうそれぞれが戦っていくのかというところを見てほしいです。
高橋:4thシーズンは今までのテニミュと違う新しい風を巻き起こしているのをかなり感じていて、演出も曲も制作陣が一新している中で今までの氷帝戦と表現がどう変わっていくのは僕もすごく楽しみですし、その演出に合った氷帝をどれだけ強く表現できるか、どれだけ青学(せいがく)に危機を感じさせられるかっていうのもすごく大事だと思っているので……幕が開いて氷帝が出てくる瞬間、まだ稽古が始まっていないのでどうなるのか全然わからないですけど、そういうところはやっぱり見どころのひとつとしてワクワクさせたいという思いはあります。
ーーそうしたみんなの思いがまさにグッと引き寄せられていくのが、手塚と跡部の“一騎討ち”である。
高橋:“一騎討ち”と言えば、僕たちテニソニで。ね?
山田:うん。
ーー一緒に出演された夏の『テニプリ☆ソニック2022-おてふぇす in 日本武道館-』。原作者の許斐 剛先生発案による音楽ライブですね。
高橋:はい。そこで生の加藤和樹さんと城田 優さんの『一騎討ち』を聴いているので。
ーーテニミュ1stシーズンで跡部を演じた加藤さんと手塚を演じた城田さんが、劇中ナンバー『一騎討ち』をパフォーマンスされた。
山田:今思えば……いや、あの時もですけど、僕らはすでに「この先自分たちが戦うんだ」という思いがあって、そこに向けてという意味でもああいう貴重な場所に立ち会う機会をいただけたんだなぁって噛み締めていて。
高橋:そうなんですよね。
山田:ホント……すごかった。
高橋:うん、すごかった。裏でも二人でずっと「やべえ……」って感動してましたし、だからこそ僕たちもああならなくちゃって。もう一度伝説を作る、じゃないですけど……それぐらいの思いが湧いて……。
山田:超えたいって思いました。
高橋:超えたいよね。
(左から)高橋怜也、山田健登
ーーライブステージと言えば、10月のミュージカル『新テニスの王子様』Revolution Live 2022もテニミュの歴史が詰め込まれた熱い時間になりました。
山田:ああいうライブ形式のテニミュは初めてだったので個人的にもすごく楽しかったし、そんな中で新テニミュじゃない曲……テニミュの過去の楽曲も歌わせていただいて、感情がもういろんなところにいったりきたりしていたんですけど、なんだかそれこそテニミュ4thシーズンをやってるからわかるなっていう感情もありましたし。だから……ライブ、またやりたいです!
高橋:やりたいね。楽しかったですねぇ。すごく。幸せな景色を見せてもらいましたし、本当にあの場でテニミュの過去曲を歌えるなんて思っていなかったので、そこは演出の上島(雪夫)さんの意気を感じるライブでもあったなぁと。個人的には『SAMURAI』でリョーマと対峙して、あの一瞬でも全国氷帝を思わせるくらいの曲中のラリーを……ちょっとの振りですけど、あれもすごく心に刻まれました。氷帝戦に向けてたくさんのものをもらいました。
ーー手塚の『お前は青学(せいがく)の柱になれ』もイントロが鳴った瞬間客席がどよめいて……。
山田:僕もレボライで、テニミュ4thシーズンに向けて、手塚としてもかなりのものを吸収できたと思います。
ーー新テニミュとテニミュ、両方の世界線を同時に生きているお二人ならではの体験がこの先も積み重なっていく。その全ての生みの親でもある許斐 剛先生とキャストのみなさんとの交流も活発です。先生の印象は?
山田:歩くパワースポット! 先生自身すごいパワーとオーラがある人で、優しくて、神様みたい。
高橋:本当に! 体格も大きいし一見怖そうに見えるんですけどめちゃくちゃ優しくて。新テニミュも2作とも観に来てくださっていて、本当に誰に対しても褒めてくれるし、しかもそれも嘘偽りない言葉で言ってくれているのが伝わってくるので……演じている身としてこの上ない幸せです。
山田:いつもそれぞれの役を……僕だったら「手塚を演じてくれてありがとう」とか、言葉をかけてくださるんです。そのたびに「やってよかった」とすっごく思います。テニミュも新テニミュもとてもハードな舞台ですけど、そのキツさも全部忘れるくらい、先生の言葉からいつもパワーをもらっています。
ーーでは改めてテニミュシリーズの最新作に向け、それぞれの意気込みをお願いいたします。
山田:今回はいよいよ4thシーズンの青学(せいがく)vs氷帝ということで、テニミュにまた新たな歴史が刻まれるわけですが、この氷帝との試合、手塚と跡部の一騎討ちが1stシーズンでの城田さんと加藤さんのようにずっと語り継がれるよう……いや、そこの部分だけじゃなく、この公演全てが「伝説だったね」って思っていただけるよう、僕ら全力でぶつかっていきます。ぜひ本番を楽しみにしていてください。そして、伝説実現のためにはやはりみなさんの力が必要なので……応援、よろしくお願いいたします!
高橋:跡部としてようやく氷帝を率いて公演ができる、テニミュ4thシーズンに出られるのが本当に楽しみですし、やるからには最高の氷帝を作り上げるつもりで稽古から臨んでいきます。また……やっぱり僕らは城田さんと加藤さんの一騎討ちを実際に肌で感じているからこそ「僕たちもここから新たに伝説を作りたい」という気持ちがとても強く芽生えていますし、その一心で、跡部対手塚も、青学(せいがく)対氷帝も、そしてこの公演自体も最高の作品にすることを誓いたいですね。この公演、覚悟持ってやっていきます。どうぞ楽しみにしていてください。
(左から)山田健登、高橋怜也
取材・文=横澤由香   撮影=中田智章

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