【THE MADNA インタビュー】
昔も今も変わらずに
特別なものって素敵だと思う
ずば抜けたポップネスとミクスチャーの融合で唯一無二の音楽性を誇るシーンの新鋭、THE MADNA(読み:マドンナ)から2ndシングル「CREAM SODA」が届いた。OKMusic初登場となる今回、気になる新曲はもちろん、結成の経緯などもたっぷりと語ってもらった。
THE MADNAは
最後のつもりで組んだバンド
結成が2021年の終わり頃ということで、まだ1年経っていらっしゃらないんですよね。
朋
はい。もともと自分と太嘉志は同じバンドをやっていて、涼太が前にやっていたバンドと対バンをしていたんですよ。で、同じくらいのタイミングで僕らのバンドが活動休止、涼太のバンドは解散しまして。ちょうど知人の誕生日で食事をしていた時にたまたま涼太と一緒になって、そこで涼太から“一緒にバンドをやってみない?”と声をかけてもらったのが始まりですね。
涼太
前のバンドで対バンしてた頃からライヴを観ていて、次にバンドをやるならこのふたりしかないと思っていました。すごく感覚的なものなんですけど、一緒にステージに立ったら楽しそうだし、きっとカッコ良いことができるなって。前のバンドの解散が決まってもバンドをやるという意志は俺の中にありましたし、その場合の選択肢が朋と太嘉志しかなかったんです。
朋
涼太とは結構昔から知り合いなんですけど、僕もずっとヴォーカリストとして好きだったんですよ。すごく華があってステージを観ていて楽しかったですし、もちろん友達としても好きでしたし。ただ、僕としては友達っていう意識が強くて一緒にやるとは思っていなかったので、声をかけてもらった時は一瞬、びっくりしました(笑)。でも、すんなり“いいね!”って思えたので。
太嘉志さんはいかがでしたか?
太嘉志
僕も涼太しかないと思っていました。それこそ対バンとかで観ていて、涼太の歌う曲をいつか作ってみたいっていう気持ちが頭のどこかにあったんですよね。
では、理緒さんとの出会いは?
朋
知人の紹介で理緒のライヴを観に行って、“いいね!”ってことで声をかけたんです。
理緒
その時はサポートで活動していて、そのライヴを観に来てもらったんですけど。
涼太
ライヴを観て、すぐにいいなと思いました。顔もカッコ良いし、ちょっと話した感じもすごく丁寧だったし、人としてもいいなって。それまでマジでドラムが見つからなかったんですよ。でも、始動の日程は決まっていたので(笑)。
朋
ドラマーがいないのにドラムのレコーディング日とかまで決まっていましたからね。
涼太
“これはヤバいぞ!”って。もしも理緒くんが決まらなかったら、3人で始動するしかなかったよね。最悪の事態も考えて“DJ、入れる?”とか話していましたから。ドラムレスでDJを入れたらそれはそれで斬新じゃないかって…そんな未来もあったかもしれない(笑)。
ある意味、奇跡の出会いだったんですね。声をかけられた時、理緒さんはどんなお気持ちで?
理緒
自分もバンドをやりたいけどなかなかメンバーが見つからないって状況だったので、まず第一にすごく嬉しかったです。ただ、僕はわりとポップ寄りなドラムだったから“大丈夫かな?”とは思ったんですけど。すでに作ってあったデモとか聴かせてもらったら歌モノ系もすごく多いし、いいなと思って。後日スタジオに入って一緒に演奏してみて“あっ、やろ!”と思って、その日のうちに返事をしました。
涼太
理緒くんが入ってくれてマジで良かったです。そこからはもう怒涛でしたね。
バンドの方向性や目指すバンド像はどういったものを思い描いていらしたんでしょう?
涼太
ざっくりですけど、ミクスチャーをやりたかったんです。昔から好きなんですよ。“ミクスチャーを俺らが今やっているビジュアル系のシーンに落とし込めないかな?”っていう構想はずっと頭の中にあったんです。これまでのバンドではできなかったことだったし、THE MADNAはこれが最後のつもりで組んだバンドなので、だったらそれを実現させたいと。太嘉志も朋も、やりたいって言ってくれましたし。
朋
もともと自分もミクスチャーは好きで。もっと言うと、バンドよりヒップホップが好きで、そこからミクスチャーを通ってバンドに入っていった感じなんですよね。なので、いつかはそういう音楽をやりたいっていうのはずっとあったんです。
太嘉志
僕も大好きなんです、ミクスチャー。人生の中で一回はミクスチャーバンドを組みたいと思っていたので、今、最高で。好きなジャンルだから曲もすぐ書けちゃうんですよ。
ポップ寄りとおっしゃっていた理緒さんは?
理緒
確かにそれまで触れてこなかったジャンルだったんですけど、声をかけてもらった時に聴かせてもらったTHE MADNAのデモがカッコ良かったので、ミクスチャーうんぬんとか関係なく、やりたいと思いましたね。
バンド名を“THE MADNA”とされたのにはどんな理由が?
涼太
俺の中では“マドンナ”っていう響きがすごくしっくりきていたんですよ。よく言うじゃないですか、クラスのマドンナとか。女の子に対して使われる言葉だとは思うんですけど、男でもそういう存在でありたいなって。で、アルファベットの綴りを調べた時に“MADONNA”の、“MAD””DNA”が目に飛び込んできて、““ON”を取ったら“MAD”“DNA”になるのか!? カッケーな!”って。あと、バンド人生で一回は“THE”をつけたかったので(笑)。
でも、“THE”は発音しないじゃないですか? このバンド名では。
涼太
それがいいんです。“THE”をつけておいて、あえて読まない世界観がカッコ良いなと。
朋
正直言って、最初は“マドンナってもういるじゃん”と思ったんですよ(笑)。でも、今、涼太がした話を聞かせてもらって、自分たちのバンドのコンセプトに寄り添ったバンド名だと思ったんですよね。
バンドのコンセプトと言うと?
朋
ミクスチャーの定義自体、広いと思うんですけど、要は何でもありだと思うんですよ。何かと何かが合わされば“ミクスチャー”と呼んでいいんじゃないかと思っていて。それってジャンルとして相当狂ってるじゃないですか(笑)。そういう意味でもいいバンド名だな、しっくりくるなって。
太嘉志
俺はTHE BLUE HEARTSや↑THE HIGH-LOWS↓で育っているので、“THE”は大好きなんです。なので、名前そのものより、“THE”をつけるかつけないかのほうを重視しちゃって(笑)。ついて良かったです。すごくいい名前だと思ったし、即決でしたね。
理緒
僕が入る段階でバンド名はもう決まっていたんですけど、スッと入ってきました。
それにしてもハイペースですよね。昨年12月のデビューEP『Beautiful Inferno』以降、現在までにEP2枚、シングル1枚をリリースされて、今回は2ndシングルじゃないですか。すごい勢いだなと。
涼太
おそらく事務所がそういう戦略なんでしょうね(笑)。でも、意外とやれちゃうなって。歌詞はギリギリまで書いていますけど。レコーディングの1時間前とか(笑)。