L→R  GOT’S(Ba)、KEIGO(Vo)、IWASAKI(Dr)、TAKE(Gu)、KOHSHI(Vo)

L→R  GOT’S(Ba)、KEIGO(Vo)、IWASAKI(Dr)、TAKE(Gu)、KOHSHI(Vo)

【FLOW インタビュー】
20年続けてきたからこそ、
いろんな想いが詰まった一枚になった

20年来の盟友であるORANGE RANGEとの奇跡のコラボが実現! TVアニメ『15周年 コードギアス反逆のルルーシュR2』第2クールOPテーマでもある、そんな「デイドリーム ビリーヴァー」についてKEIGO(Vo)とTAKE(Gu)に訊く。

それぞれの人気曲が合わさった
この感じは“30代ホイホイ”

今作はORANGE RANGEとの共作ということで、まずは彼らとの関係から訊きたいのですが、メジャーデビュー時期がほぼ一緒の同期になるんですよね?

TAKE
ORANGE RANGEが2003年6月にシングル「キリキリマイ」でデビューして、我々が同年7月にシングル「ブラスター」でデビューしたので、2003年デビュー組の完全な同期です。デビュー前からのつき合いで、初めて沖縄でライヴをやった時から学園祭のオープニングアクトとして出てもらったりしていて。当時、RYOはまだ高校生だったので、ライヴに学生服で来ていたのをめちゃくちゃ覚えていますね。
KEIGO
制作やMVの撮影なんかで直接会って話していても、人懐っこいし、本当に気のいい奴らで、いい意味で今も変わっていなくて。“楽しい沖縄の子たち”っていう印象はあの頃から何も変わらないですね。最初に会った時、HIROKIから“Tシャツにサインしてくれ”と言われてサインを書いたんですけど。この間、みんなで取材を受けた時にHIROKIがそれを持って来たりして(笑)。

YouTubeにレコーディングやMV撮影の風景をアップしていましたけど、和気あいあいとした楽しそうな雰囲気が伝わりました。

KEIGO
ORANGE RANGEとだから、あの雰囲気で撮影ができたんだと思う。“FLOWとのコラボはちょうどいい”ってHIROKIが言ったんですよ(笑)。“年上だけど緊張しすぎることもなく、馴れ合いになることもなく、ちょうどいい”って。でも、俺たちも本当にそんな感じでしたね。
TAKE
ORANGE RANGEはコラボで楽曲制作すること自体が初めてだったみたいで、FLOWがコラボヴァージンをいただきました(笑)。そもそもこのコラボに至るには『コードギアス 反逆のルルーシュ』の存在が大きくて。昨年『コードギアス』が15周年を迎えるタイミングで再放送が始まったんですけど、「COLORS」(2006年11月発表のシングル)で『コードギアス 反逆のルルーシュ』第1クールのOPテーマをやらせてもらったFLOWが、『15周年 コードギアス 反逆のルルーシュR2』第1クールのOPテーマとして「DICE」を描き下ろさせていただいて。さらに今回、第2クールのOPテーマのお話をもらった時、“だったら、「O2」(ORANGE RANGEの2008年5月発表のシングル)で『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』第1クールでOPテーマをやっていたORANGE RANGEとコラボしたら、15周年のお祭りを盛り上げられてより面白いんじゃない?”という発想が湧いたことがきっかけだったんです。

あれ? 同作の主人公、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア様から“一緒にやれ!”と命じられたんじゃないんですか?(笑)

TAKE
あははは。“選ぶなら、どちらもだ!”ってね。あのティザー映像も当時あった、ORANGE RANGEのメンバーがルルーシュが持つ力のギアスにかけられて、EDを作るっていうCMのインスパイアです(笑)。ああいう遊び心も面白いし、作品と音楽をより緻密にするものなのですごく重要なんですよね。

FLOWとORANGE RANGEと『コードギアス』ががっつり三つ巴でやっている印象があるから、アニメファンも全乗りできますよ。

KEIGO
僕も3組の三つ巴だと思っているんで。『コードギアス』が15周年、FLOWとORANGE RANGEが20周年というタイミングで、それが叶ったことがすごく嬉しい。どのバンドとコラボするよりも、同期のORANGE RANGEとコラボすることが刺激的ですよ。バンドの人数も一緒、どちらも同じメンバーで走ってきた同士が、イチから曲作りをして、MV撮影もしてというのが、すごく嬉しかったです。

考えると、メンバー内に兄弟がいるとか、FLOWとORANGE RANGEの共通項っていっぱいありますよね。表現は異なれど、ミクスチャー感みたいなところで音楽性も近いですし。

TAKE
世代が一緒ですからね。今回、2組合わせて10人いるし、ヴォーカルが5人いるというところもポイントで。ダンス&ヴォーカルグループとかじゃなくバンドでの5人ヴォーカルというところが、このコラボの売りです!(笑)

あははは。そんな2組で共作した「デイドリーム ビリーヴァー」ですが、どういう感じで作り進めていったんですか?

TAKE
楽曲に関しては“こういう感じにしたい”というのが俺の中で明確にあったんです。なので、最初にワンコーラスを作らせてもらって、“こういう感じから、この2組でやるならラップでかけ合うラップバトル的なものがアツくて盛り上がるんじゃない?”と提案させていただき、NAOTOがフル尺にサイズを広げてくれて作っていったという感じです。あとは、各自で歌詞制作に入っていったのですが、最初に『コードギアス』のアニメ監督の谷口悟朗さんと曲を作るメンバーでリモートの打ち合わせをやらせてもらったら、その翌日にはRYOの歌詞とRYOとHIROKIが録った仮歌が届いて!(笑) とても驚きました。
KEIGO
そうそう。めちゃくちゃ早かったよね!
TAKE
今作のMVPはRYOだと思っています(笑)。そして、RYOが上げてきたその歌詞が指標になり、各メンバーが歌詞を広げていきました。あのスピード感は本当にびっくりしましたね。

じゃあ、曲もTAKEさんとNAOTOさんで何度もやりとりをして、歌詞もRYOさんの歌詞を土台にみんなで書き分けたと。本当に全員で作り上げた曲だったんですね。

KEIGO
そうですね。歌詞も自分の部分が書けたら、LINEのグループチャットにアップして、みんなに見てもらったりしてね。
TAKE
制作の最初にやったことが、2バンドのLINEグループを作ることでしたからね。当時の懐かしい写真をアイコンにしたりして(笑)。
KEIGO
それで、TAKEが言ったみたいに歌詞に関してはRYOがすごいスピードで書き上げてきたんですけど、RYOは“それで決定じゃなくて良くて、そこから広がればいいなと思って書いた”と言っていましたね。実際、RYOがそう書くなら、俺はこう書こうと思えたりして、どんどんと広がっていきました。それぞれの書いた歌詞をシャッフルしてみたりしながら、“FLOWが歌ったら、ORANGE RANGEが入ってきて…みたいなほうがコラボ感が出るんじゃない?”って調整しながら進めていきました。

この曲は構成がお見事で、最初から最後まで全てが魅せ場というか。アニメ尺の前半パートでひとつの曲として完結させながらも、そこからラップのマイクリレーが始まって楽曲の世界観がどんどん広がっていくのが本当に素晴らしいです。

TAKE
俺はヤマさん(YAMATOの愛称)のBメロがすごい好き。

ラップバトルのあとですよね? あれはヤバイ! 鳥肌が立ちました。

TAKE
“ヤマさんだからこそできるパートが絶対に欲しい”というのをNAOTOにお願いして、“そっからサビに入りたい”とか明確に構成をお願いしましたからね。それをかたちにしてもらったんですけど、大成功でしたよ。ただ、俺がなかなか弾かないフレーズとかあったから、ギターはすごく難しかったです(笑)。NAOTOに“何? あの難しいフレーズ?”って言ったら、“手癖です”と言っていましたけど。

あははは。歌詞はどんなテーマで書き進めていったんですか?

KEIGO
最初のミーティングで言われたテーマが“感謝”だったんです。ただ、そこで谷口監督が“身の回りの人への“ありがとう”って気持ちじゃなく、憎むべき相手もその人がいたからこそ自分が成長できたところもあるから、裏を返せば感謝につながるんじゃないか”と話していて。そんな意味も含んだ“感謝”という大きなテーマのもと、みんなで歌詞を書き進めていきました。でも、言葉の使い方だったり、フロウだったりに、それぞれ個性が出ていたので、そこもめちゃくちゃ面白かったし、それによって5人ヴォーカルの意味が全面的に出せたんじゃないかと思います。

やはりいつもとは違った発想も出てきました?

KEIGO
そうですね。20年もやっていると自分の言葉やKOHSHIの言葉にも“らしさ”が出ちゃうんで、RYOとかHIROKIの書く歌詞や選んでくる言葉はすごく新鮮だったし、面白かったから、新しい発想を生む刺激にもなりましたね。そこから、あのラップバトルにつながっていく感じもすごく楽しかったです。

YouTubeで配信されているMVのコメント欄に“「COLORS」と「*〜アスタリスク〜」(ORANGERANGEの2005年2月発表のシングル)をいっぺんに聴いた感じ”というコメントがあって。リスナーが楽曲から滲み出る両方の魅力を感じたからこそのコメントだと思いますよ。“いっぺんに”って贅沢さが面白いと思いました(笑)。

TAKE
それぞれの代表曲というか人気の曲が合わさった感じっていうのは、“30代ホイホイ”ですよね(笑)。それが10代の子たちには新しいサウンドとして届いてくれていると、さらに嬉しいです。

両組が揃って演奏するMVもかなり胸アツでしたし、楽曲の良さをより深く楽しめるものになっていました。

TAKE
MVは撮影が本当に大変だった! 残暑厳しい中で、“倉庫のエアコンが効かない”って言いながらね。
KEIGO
そう! 撮影現場の倉庫のエアコンが壊れていて、倉庫内が灼熱だったんです(笑)。一回撮ったら汗が止まらなくなるから、外に出たり送風機の前で汗を乾かしたりしながら撮っていたので、それが一番大変でしたね。ほぼ演奏シーンのみなんですけど、最初は2組に分かれていて、後半で1バンドになる構成だったから、あとでRYOから聞いたのは、ORANGE RANGEのメンバーはのらりくらりやっちゃうからRYOが動き回って一生懸命に焚きつけたって。
TAKE
ORANGE RANGEは演奏シーンがあるMVが久々だったらしくて。最近はプールサイドで水着のお姉ちゃんと踊っているMVとかを撮ってるし、こういうバンド然としたMVは撮っていないって(笑)。
KEIGO
RYOは“どうせKEIGOくんとKOHSHIくんはめっちゃ動くじゃないですか。だから、こっちも動かないと対比になっちゃうし動かないと”って意識しながら撮影してくれたそうです。RYOはテイクごとに汗を乾かしながら熱演してくれました。その熱量は画面を通して伝わると思うんで、ぜひ確認してほしいです。

TAKEさんはNAOTOさんをジャンプさせるという使命も。

TAKE
そう、NAOTOが20年目にして飛んだんです! ずっと飛ばないから、“ラスサビの前で飛べ!”って無理やりに飛ばせました(笑)。

普段、ORANGE RANGEの曲だったら照れくさくてやらないようなアツい演奏シーンがすごく良かった。ORANGE RANGEのファンにしたら貴重なシーンが満載だと思いますよ。

KEIGO
この2組だからこそのMVになったと思うし、ラップバトルのシーンとかはやっていてすごく面白かったです。
TAKE
MV撮影予定日にKEIGOとIWASAKIさんが体調を崩したり、レコーディングもヴォーカル録りの日にヤマさんが体調を崩したりしていたので、そういったところでも10人で動く大変さを感じましたね。できて当たり前じゃねぇなと思う中で、こうしてかたちに仕上がって本当に良かった。そういういろんな弊害も経てできたっていうのが『コードギアス』らしいと感じたりもしましたね。

レコーディングの映像では、みんながスタジオで輪になってコーラスを録っているシーンとかもすごく良かったですね。

KEIGO
最近、ORANGE RANGEは沖縄にあるNAOTOのスタジオでレコーディングをしているから、“都内のこんな広いスタジオでレコーディングするのは久し振りです”って言っていたし、HIROKIは“緊張した”と言っていましたね(笑)。最後にみんなでコーラス録りもして、すごくいい雰囲気で楽しかったです。
TAKE
HIROKIなんて、みんなでコーラスを録りながら“なんかバンドっぽいですね”って言っていたもんね(笑)。レコーディング中は、“ここはちょっと自分の声を重ねたいですね”とRYOがFLOWパートに声を重ねてくれたりもして。アドリブ的な感じで作り上げてかたちになっていくのは、本当に2バンドがひとつになって作っている感じがありましたよ。
L→R  GOT’S(Ba)、KEIGO(Vo)、IWASAKI(Dr)、TAKE(Gu)、KOHSHI(Vo)
KEIGO(Vo)
KOHSHI(Vo)
TAKE(Gu)
GOT’S(Ba)
IWASAKI(Dr)
シングル「デイドリーム ビリーヴァー」【通常盤】(CD)
シングル「デイドリーム ビリーヴァー」【期間生産限定盤】(CD+Blu-ray)(C)SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design (C)2006-2017 CLAMP・ST

OKMusic編集部

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