INTERVIEW / ODD Foot Works チーム
で作り上げた最高傑作を経て、ODD F
oot Worksに起きた変化

“傑作”を意味するタイトルを冠した3rdアルバム『Master Work』を上梓したODD Foot Works。ヒップホップはもちろんニュー・ジャック・スウィングからドラムンベースやトラップ・ソウルなどを横断する折衷性の高い音楽性は相変わらずだが、その振り幅はより広く、それでいて一貫としたODDらしさを感じさせる独創性が全体を覆っている。
近年サポートを務めている勢喜遊(King Gnu)、Taishi Sato、Yohji Igarashiに加え、パスピエの成田ハネダといった面々も大きく寄与した多彩なサウンド、そして直球のパンク・ロックに乗せて自らの存在意義を歌う「音楽」で締めくくる今作の制作背景について、どこか吹っ切れたかのような印象を受ける3人に話を訊いた。
Interview & Text by Takazumi Hosaka
Photo by Keigo Sugiyama(https://keigosugiyama.com/)
「何かにモヤモヤしていて、ここから新しい一歩を踏み出したかった」
――アルバムとしては3年ぶりのリリースですが、最初にヴィジョンや方向性が見えてきたのはどれくらいの時期なのでしょうか?
Pecori:去年の夏頃に渋谷の会議室を借りて、サポートのTaishi SatoとYohji Igarashiも含めた5人でアルバムへ向けた話し合いをしたんです。そこで“卒業”をテーマにすること、大体の曲数や、それぞれどういう曲にするのかというところまで固めて。それぞれ“〇〇〇からの卒業”っていうコンセプトで曲を作ることにしました。
Tondenhey:“東京からの卒業”だったり“親”だったり。
Pecori:そうそう。あとは“ODD Foot Worksからの卒業”とかもあって。
――なるほど。
Pecori:誰かの家やカフェとかじゃなくて、会議室を借りたのがよかったですね。話がダレたりすることもなかったし。
SunBalkan:この機会にメンバー間で言いたいことも全部言っておこうと。ホワイトボードを使って意見をバーって書き出したのもよかった。
Pecori:結果的にはその話し合いで決めた通りの作品にはならなかったんですけど、そこで話し合ったこと自体がすごく重要だったっていう感じですね。
――そこでの話し合いで、“卒業”というワードが出てきたのはどういう流れだったのでしょうか。
Tondenhey:最初に提案したのは自分なんですけど、“卒業”っていう言葉自体はKanye Westの『Graduation』(2007年)をそのとき聴いていたからパッと浮かんできたんだと思います。きっかけはシンプルなんですけど、すごくしっくりきたんですよね。コロナ禍を経たことで世の中の様々な物事が変わってきてるし、これまでの価値観を卒業する時期なのかなって。
Pecori:“卒業”っていうワードが出る前から、みんなの中にそういうムードが漂ってたと思うんです。何かにモヤモヤしていて、ここから新しい一歩を踏み出したかった。そういう気持ちを抱いているんだったら、音楽で表現しないとODDをやっている意味ないなって思って、“卒業”をテーマにしようってなりました。
――そういった方向性が見えてから、最初に取り掛かった曲というのは?
Pecori:どうだろう……。今作には意外と古い曲も入ってて。それこそ「Summer」は2020年の夏に原型を作ったし、「Heavenly Bluetooth」も前々からあった曲を引っ張り出してきた系だし。
SunBalkan:ODDで去年の4月と今年の2月に熱海に合宿しに行ったんですよ。その最初の合宿で原型ができたのが「GOLD」でしたね。当初は「BLONDE」っていうタイトルでしたけど。
Tondenhey:2回目の合宿にはTaishiも参加してくれて、そこで「I Love Ya Me!!!」を作ったりしましたね。
SunBalkan:「燃えろよ桜」も2回目の合宿でできたかな。
――合宿は音楽スタジオで?
Pecori:いえ、えのき(SunBalkan)の知り合いが管理してる学生合宿所みたいなところに自分たちの機材を持ち込みました。
Tondenhey:作業はそれぞれでやってたんですけど、1日の終わりにはみんなでサウナ行ったりして。
Pecori:アルバムの制作を大きく進めたというより、どっちかというとみんなで同じ時間を過ごしたのがよかったよね。「やろうぜ」っていう気持ちを共有できたというか。最初は絶対喧嘩するんじゃないかって思ったけど(笑)。
――では質問の形を変えて、アルバム制作が加速したポイントなどはありましたか?
SunBalkan:敢えて挙げるなら「I Love Ya Me!!!」じゃない?
Tondenhey:そうだね。あの曲からアルバム制作が本格的に始まった感じがする。
SunBalkan:これくらいクオリティが高い曲をいっぱい作っていかないとなって思った。サウンドはもちろん、今回のアルバムはこれまで以上に歌詞もシビアに詰めて。(歌詞に対して)メンバー全員で意見も出し合ったし、三宅さん(マネージャーの三宅正一氏)にもアドバイスをもらったりもして。とにかくリリースした後に後悔しない、満足度が高い作品が作れたなと思っていて。そのきっかけが「I Love Ya Me!!!」だった。
Tondenhey:自分の場合、突き詰めていくと内向きな作品になることが多かったんですけど、「I Love Ya Me!!!」はトラックも歌詞も含めてすごく開けた作品になったなと思って。それでいて、満足度の高い楽曲に仕上がったなと。
――大部分の作詞を手がけているPecoriさんはいかがですか?
Pecori:昔書いた曲でも、「I Love Ya Me!!!」ができてから歌詞を書き直した曲がほとんどで。言われてみると、確かに今回のアルバムの指標となった曲だなって思いました。細かい添削作業もしたし、メンバーの意見も取り入れて、キイチ(Tondenhey)が言ってるように開けた作品にできた。もちろん閉じてる歌詞も好きなので、今後は全曲こういう感じでいきますっていうわけではないけど、今回のアルバムにおいては、開けた自分でいるべきだなって思って。こうやって新たな自分を見つけるのも、“卒業”っていうテーマに繋がってくる部分でもあるし。
SunBalkan:当初の構想から大きく変わったとはいえ、完成した今でも“卒業”っていうテーマは通底しているように感じるよね。
Pecori:たぶん、みんな頭のどっかには“卒業”っていう言葉があったよね。
――具体的な作詞のプロセスも変化しましたか?
Pecori:変わりましたね。前のアルバム『GOKOH』(2019年)をリリースして移行、いわゆる“詞先”と言われるような書き方をしてみたいなと思いつつ、なかなか形にはできてなかったっていう状態で。それが今回のアルバムでは3割くらいその書き方で作れました。フロウにハメるのではなく、言葉に重きを置いたラップをしている曲が多いです。
SunBalkan:それもどっちが優れてるっていう話ではないよね。前のスタイルも好きだし。
Pecori:もちろん。ただ、今回のアルバムにはそういう曲を入れるべきだと思った。他の人の作品でも、「これは音に合わせて書いてるな」とか「これは詞に重きを置いてるな」ってわかるようになったんですよね。だったら俺も聴いている人にわかってもらえるようなラップをしようと思ったんです。
――歌詞の話だと、先ほどチラッと挙がった「Heavenly Bluetooth」が気になりました。差し支えなければ、どのように生まれた曲なのか教えてもらえますか?
Pecori:これは津野米咲(赤い公園)との交信の曲なんですけど、アカペラでメロディだけ作って、それにハメる形でトラックを作ってもらいました。実は最初にメロディを作ったときのコードと、完成したトラックのコードが異なっていて、音楽的には合ってるんですけど、どことなく違和感があってそこが気に入っています。
――亡き人との交信を「Heavenly Bluetooth」という言葉で表現するのがとても詩的だなと思いました。書いたのは津野さんが亡くなられて少ししてからなのでしょうか。
Pecori:そうですね。ただ、さっきもお話したとおり、歌詞は書き換えていて。Bluetoothイヤホンを付けて雑踏を歩いていると、他の電波と混線してノイズが入るときってあるじゃないですか。あるとき、そのノイズの中に人の声が聴こえたんですよね。そのとき、このBluetoothには音楽データ以外のものも含まれている気がして。これで天国の人とも交信できるんじゃね? って。
――なるほど。すごくいい曲だなと思う一方で、尺はかなり短いですよね。潔い終わり方も印象的だなと。
Tondenhey:最初はスキットにするつもりで作っていたんですよね。ただ、Pecoriのヴァースとフックを聴いたらこれで1曲として成立するなと。
SunBalkan:(前作『GOKOH』収録の)「HORSEMAN DRIFT ROMANCE」もそうだけど、短くするといい曲になるパターンってあるよね。ヴァースを増やしたら間延びしそうな気もしたし。
Pecori:結果として、短いけどアルバムを構成する大事な曲になったなと思いますね。
今のODDだからこそできた「音楽」
――「卒業証書」にはKing Gnuの勢喜遊さんとパスピエの成田ハネダさんが参加しています。勢喜遊さんは以前からサポートを務めていましたが、成田さんはどのような繋がりで?
Tondenhey:ナリハネさんと繋がったのは昨年の大晦日に閉店してしまった下北沢GARAGEですね。GARAGEのステージでえのきとセッションしてたこともあったし、昨年末の閉店直前に水野創太さんが色々なミュージシャンを呼んでライブをする企画に僕が参加させてもらったとき、ナリハネさんが観てくれてて。その日に「いつもギタリストっぽくない視点で参加してるよね。そこがおもしろいと思う」っていうようなことを言ってもらえたんです。それが嬉しくて、いつか絶対一緒に曲を作りたいなと思ってたんです。
「卒業証書」を作るにあたって、一番合わなそうな人を呼びたいなというアイディアが湧いてきて。そこで浮かんできたのがナリハネさんでした。あとはSMAPっぽい曲にしたいと思ってて、ナリハネさんもSMAP絶対好きだろうなっていう狙いもありました。
――コメントでは「SMAP細胞」とおっしゃっていましたが、キイチさんが考えるSMAPらしさってどんなところだと思いますか?
Tondenhey:よく自分の作る曲に対して「SMAPっぽいね」って言われるんですけど、今回はそこを意識的に狙ってみようと考えました。洗練とある種のラフさが同居しているトラックとかは個人的にはSMAPっぽいなと思うポイントですね。ボーカルに関しても、ピッチとかが完璧でめちゃくちゃ上手いシンガーよりも、ある意味ヴァイブスで押し切るタイプの歌い方の方が心に引っかかることが多くて。それもSMAPらしさのひとつなんじゃないかなって思います。
Pecori:「卒業証書」はODDでは珍しくフックを3人でユニゾンしているんですけど、それもSMAPらしさに繋がってるよね。別にみんな歌が上手いわけじゃないけど、この曲に関しては俺ひとりの声じゃ物足りないなって思った。
SunBalkan:SMAPの曲ってブラック・ミュージック的要素も強いけど、決して無理して真似している感じがないんですよね。「卒業証書」もSMAPらしさは意識していたけど、結果としてはすごくODDっぽい曲になったと思います。
Tondenhey:それはそうだね。すごくODDっぽい曲だと思う。
――リリックにはキイチさんもクレジットされています。これはPecoriさんとの共作といった形なのでしょうか。
Tondenhey:そうですね。フックの歌詞を僕が書いて、「こんな感じでどうでしょう?」って送ったら「難しすぎる」って返ってきて(笑)。
Pecori:語呂がどうしても合わないところだけちょいちょい変更させてもらって。ヴァースは自分で書いてます。
――共作というと、「ジュブナイルジャーニー」はTaishi Satoさんプロデュースの曲になっていますね。
SunBalkan:あの曲は最初、僕がイニシアチブを握っていたんです。コード進行も全然違う状態のデモをTaishiと一緒に作ってみようかっていうことになって、5回くらいラリーをしていく中で、Taishiの方がやりたいことが明確に見えているなと感じて。それだったらTaishiにお願いしてみようと思って、こういう形になりました。ライブでも演奏しながら詰めていったんですけど、よくまとまったなって思いますね。
Tondenhey:フックで4ビートになるところとかおもしろいよね。TaishiとはZattaっていうユニットを一緒にやってたんですけど、彼はトラックメイクに関しては変態的なこだわりがあるので、この曲にもそういう部分が出ていると思います。
――Yohji Igarashiさんが手がけた「SEE U DAWN」も同様の作り方ですか?
SunBalkan:「SEE U DAWN」はよりトラック提供に近いというか、Yohjiにがっつりお任せして作ってもらいました。
Pecori:渋谷で会議したときに書き出したリファレンスを元に作ってもらいました。「SEE U DAWN」はTravis Scottの「SICKO MODE」もリファレンスに入ってて。途中で展開が変わるのとかはその影響ですね。
Tondenhey:後半の展開部分はYohjiに「ダウンストロークでギャンギャン弾いて欲しい」って言われて、最初はもっと捻くれた弾き方にしたかったんですけど、言われた通りやってみたらカッコよく聴こえてきて。
――まさしくプロデューサーの手腕というか。
SunBalkan:「SEE U DAWN」の制作に関しては、俺らの方がサポート・メンバーみたいな感じだったよね。
Pecori:でも、それがODDにとっては健全な作り方なんだよね。みんなで集まって各パートをそれぞれが考えるのではなく、1曲ごとに誰かが指揮を取って進めるっていう。
SunBalkan:そうだね。それは間違いない。
――共作、というのとはまた違うのかもしれませんが、アルバムの最後を飾る「音楽」はマネージャーの三宅正一さんが作詞にクレジットされています。これはどういった経緯で?
Tondenhey:三宅さんに歌詞を書いてもらうっていうアイディアは以前からあって。……今、思い出したんですけど、会議のときホワイトボードに“パンク・ロック”って書いてたんですよね。
SunBalkan:あったね。
Pecori:去年くらいから三宅さんに、パンク系のトラックで歌い上げる系の曲も聴いてみたいって言われてて。
Tondenhey:それを三宅さんの歌詞でやってみようってなったっていう感じですね。
Pecori:歌詞をもらってからは早かったですね。えのきがギターを弾いて、メロディもすぐにできて。後からキイチがトラックを作ってくれた。
SunBalkan:最初はこんなにストレートな曲にするつもりじゃなくて、どうやったらODDらしさを出せるのかなって考えてたんですけど、キイチが作ったトラックを聴かせてもらったらもうド直球で。でも、そこにはODDらしさが確かに感じられたんですよね。音像以外の部分でもODDらしさを出すことができるんだっていうことがわかって。ちょっと前の俺らだったらこっ恥ずかしくてできなかったと思うんですけど、キイチが腹を括ってくれてよかった(笑)。
Pecori:聴いたあと、少し笑ってもらいたいけどね。
SunBalkan:笑っちゃうけど、ちょっと泣いちゃうみたいなね。
――これまで長い時間を共にしてきた三宅さんが書かれた歌詞を、お三方はどのように受け止めましたか?
Pecori:確か2時間くらいで書いたって言ってたんですけど、40年かけたんじゃないかなって思いました。何ていうんだろうな……色々なものが出ちゃってるなって。ちゃんとトイレ行きなよって感じ(笑)。
一同:(笑)。
SunBalkan:本物の気持ちが詰まっているというかね。
Tondenhey:えのきは最初心配してたもんね。
SunBalkan:ちゃんと感情が乗らないと、逆に安っぽく聴こえてしまうんじゃないかなって。でも、みんな腹を括って、肩をがっちり組んだ状態で作ったからこそ成立したというか。アルバム制作の終盤にできた曲なんですけど、それまでの経緯がなかったらできなかったんじゃないかなって思います。
Tondenhey:歌詞の突拍子のない語順も含めて、自分の人生と重ねてしまう部分もあって。僕ら自身も予想だにしないことの積み重ねでここに立っているし、好きだったミュージシャンが亡くなったり、逆に子供を授かったり……本当に人生って予測不可能なことばかりなんですよね。そして僕は予想できない音楽が好きだし、「音楽」ではそれを体現できたんじゃないかなって。
――ODD Foot Worksと三宅さん、両者がこの5〜6年歩みを共にしたからこそ生まれた楽曲なんだなと感じました。
SunBalkan:そうですね。三宅さんが俺らに思ってることも少しは感じ取ることができたと思うし、それをちゃんと曲に乗せることもできた……と思うんですよね。それでアルバムを締めくくってるのが最高だなって。
「もうやるしかねぇんだなって」――アルバム制作を通して変化した意識
――これまでとは異なる制作プロセスも経た今作を通して、何か変化は起こりましたか?
Tondenhey:たくさんありますね。多くの人に届けるために研究して、それを実践できたアルバムだと思っていて。それと同時に、サウンドや歌詞……というか音楽そのものを全て取っ払っても残るものがこのアルバムには詰め込めた気がしていて。それが何なのか、まだ自分でもわからないし言語化もできないんですけど、今後はそこを追求していきたいなと。
――自分たち、もしくは自分にしか積み上げられないものを探求していきたい。
Tondenhey:そうですね。だから、もう何かをリファレンスにすることはないのかなって。
――PecoriさんとSunBalkanさんはいかがですか?
Pecori:今回のアルバム制作を通して、やれることも増えた気がするし、それまで感じていた恥が生む弊害みたいなものもなくなって、自分を素直に見つめ直せたんですね。だからこそ、ODDにとっても自分自身にとってもこの次が大事な気がしていて。もちろん今はこのアルバムをじっくり聴いてほしいんだけど、その先も楽しみにしててくれよってことは言いたいですね。これで終わりじゃねぇぞって。
SunBalkan:素直な気持ちを作品に詰めることって大事だなって改めて感じて。とはいえ、表現することがないと話にならないので、シンプルにカッコいい人になりたいなって思いましたね(笑)。
――Pecoriさんの話に繋がるのかもしれませんが、ODD Foot Worksはバンドでもなくヒップホップ・クルーでもないが故に、これまでそのバランス感や見え方について気を配っていたように感じていたのですが、今作では振り切れたような印象を受けました。だからこそ、これからが楽しみだなと。
Pecori:それは本当にその通りで。リリース前から友だちとかに聴いてもらってたんですけど、そこは間違いなく伝わるんだなっていうことがわかった。さっきのキイチの話じゃないですけど、やっぱり音楽って気持ちなんだなって。どういう気持ちで鳴らすのかが大事なんだって。
――最後に、今後の展望についてはいかがですか?
Pecori:ODDはこれからバカ売れするんですけど(笑)、やっぱりやらないとできないんだなってすごく感じて。正直、これまでは自信がなかったり、踏み止まってしまうシーンもあったけど、もうやるしかねぇんだなって。今は……すごくフワフワしてます。羽をパタパタして飛び立つ準備をしています。
SunBalkan:すごくわかる。当たり前なことを当たり前に認識して、行動力に繋がる実感のようなものを育てていきたいですね。
Tondenhey:アルバムを出したばかりですけど、早くもODDの新曲を作りたいねって話が出ていて。このアルバムやツアーを経てのODDがどういう作品を作れるのかが楽しみですね。有元キイチ個人のワークについては、僕は色々な人と共に過ごした時間がパッケージされているような曲が好きで、そういう曲を聴いてるとiPhoneのカメラロールを見ているような感覚になるんです。なので、今後はもっと色々な人と出会って、交流して、そういったカメラロールをどんどん増やしていきたいです。
【プレゼント企画】
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キャンペーン期間:10月28日(金)19:00〜11月4日(金)19:00

※引用RTで希望アイテム((1)、(2)、(3))を記載してください。

※チェキはランダムで同封いたします。
※当選のお知らせに対して48時間以内に返信がない場合、誠に勝手ながら辞退とさせて頂きます。
※住所の送付が可能な方のみご応募下さい。頂いた個人情報はプレゼントの発送以外には使用いたしません。
※発送は日本国内に限定いたします。
※フリマサイトなどでの転売は固く禁じます。
【リリース情報】
==
※CD
※購入者先着特典(予定):『Master Work』Instrumental CD
【イベント情報】

・チケット

オフィシャル先行第1弾(e+)(https://eplus.jp/ofw-1228of/) :10月20日(木)21:00〜10月31日(月)23:59
一般発売:11月19日(土)〜
■More Info: ODD Foot Works(http://oddfootworks.com)
■ ODD Foot Works オフィシャル・サイト(http://oddfootworks.com)
“傑作”を意味するタイトルを冠した3rdアルバム『Master Work』を上梓したODD Foot Works。ヒップホップはもちろんニュー・ジャック・スウィングからドラムンベースやトラップ・ソウルなどを横断する折衷性の高い音楽性は相変わらずだが、その振り幅はより広く、それでいて一貫としたODDらしさを感じさせる独創性が全体を覆っている。
近年サポートを務めている勢喜遊(King Gnu)、Taishi Sato、Yohji Igarashiに加え、パスピエの成田ハネダといった面々も大きく寄与した多彩なサウンド、そして直球のパンク・ロックに乗せて自らの存在意義を歌う「音楽」で締めくくる今作の制作背景について、どこか吹っ切れたかのような印象を受ける3人に話を訊いた。
Interview & Text by Takazumi Hosaka
Photo by Keigo Sugiyama(https://keigosugiyama.com/)
「何かにモヤモヤしていて、ここから新しい一歩を踏み出したかった」
――アルバムとしては3年ぶりのリリースですが、最初にヴィジョンや方向性が見えてきたのはどれくらいの時期なのでしょうか?
Pecori:去年の夏頃に渋谷の会議室を借りて、サポートのTaishi SatoとYohji Igarashiも含めた5人でアルバムへ向けた話し合いをしたんです。そこで“卒業”をテーマにすること、大体の曲数や、それぞれどういう曲にするのかというところまで固めて。それぞれ“〇〇〇からの卒業”っていうコンセプトで曲を作ることにしました。
Tondenhey:“東京からの卒業”だったり“親”だったり。
Pecori:そうそう。あとは“ODD Foot Worksからの卒業”とかもあって。
――なるほど。
Pecori:誰かの家やカフェとかじゃなくて、会議室を借りたのがよかったですね。話がダレたりすることもなかったし。
SunBalkan:この機会にメンバー間で言いたいことも全部言っておこうと。ホワイトボードを使って意見をバーって書き出したのもよかった。
Pecori:結果的にはその話し合いで決めた通りの作品にはならなかったんですけど、そこで話し合ったこと自体がすごく重要だったっていう感じですね。
――そこでの話し合いで、“卒業”というワードが出てきたのはどういう流れだったのでしょうか。
Tondenhey:最初に提案したのは自分なんですけど、“卒業”っていう言葉自体はKanye Westの『Graduation』(2007年)をそのとき聴いていたからパッと浮かんできたんだと思います。きっかけはシンプルなんですけど、すごくしっくりきたんですよね。コロナ禍を経たことで世の中の様々な物事が変わってきてるし、これまでの価値観を卒業する時期なのかなって。
Pecori:“卒業”っていうワードが出る前から、みんなの中にそういうムードが漂ってたと思うんです。何かにモヤモヤしていて、ここから新しい一歩を踏み出したかった。そういう気持ちを抱いているんだったら、音楽で表現しないとODDをやっている意味ないなって思って、“卒業”をテーマにしようってなりました。
――そういった方向性が見えてから、最初に取り掛かった曲というのは?
Pecori:どうだろう……。今作には意外と古い曲も入ってて。それこそ「Summer」は2020年の夏に原型を作ったし、「Heavenly Bluetooth」も前々からあった曲を引っ張り出してきた系だし。
SunBalkan:ODDで去年の4月と今年の2月に熱海に合宿しに行ったんですよ。その最初の合宿で原型ができたのが「GOLD」でしたね。当初は「BLONDE」っていうタイトルでしたけど。
Tondenhey:2回目の合宿にはTaishiも参加してくれて、そこで「I Love Ya Me!!!」を作ったりしましたね。
SunBalkan:「燃えろよ桜」も2回目の合宿でできたかな。
――合宿は音楽スタジオで?
Pecori:いえ、えのき(SunBalkan)の知り合いが管理してる学生合宿所みたいなところに自分たちの機材を持ち込みました。
Tondenhey:作業はそれぞれでやってたんですけど、1日の終わりにはみんなでサウナ行ったりして。
Pecori:アルバムの制作を大きく進めたというより、どっちかというとみんなで同じ時間を過ごしたのがよかったよね。「やろうぜ」っていう気持ちを共有できたというか。最初は絶対喧嘩するんじゃないかって思ったけど(笑)。
――では質問の形を変えて、アルバム制作が加速したポイントなどはありましたか?
SunBalkan:敢えて挙げるなら「I Love Ya Me!!!」じゃない?
Tondenhey:そうだね。あの曲からアルバム制作が本格的に始まった感じがする。
SunBalkan:これくらいクオリティが高い曲をいっぱい作っていかないとなって思った。サウンドはもちろん、今回のアルバムはこれまで以上に歌詞もシビアに詰めて。(歌詞に対して)メンバー全員で意見も出し合ったし、三宅さん(マネージャーの三宅正一氏)にもアドバイスをもらったりもして。とにかくリリースした後に後悔しない、満足度が高い作品が作れたなと思っていて。そのきっかけが「I Love Ya Me!!!」だった。
Tondenhey:自分の場合、突き詰めていくと内向きな作品になることが多かったんですけど、「I Love Ya Me!!!」はトラックも歌詞も含めてすごく開けた作品になったなと思って。それでいて、満足度の高い楽曲に仕上がったなと。
――大部分の作詞を手がけているPecoriさんはいかがですか?
Pecori:昔書いた曲でも、「I Love Ya Me!!!」ができてから歌詞を書き直した曲がほとんどで。言われてみると、確かに今回のアルバムの指標となった曲だなって思いました。細かい添削作業もしたし、メンバーの意見も取り入れて、キイチ(Tondenhey)が言ってるように開けた作品にできた。もちろん閉じてる歌詞も好きなので、今後は全曲こういう感じでいきますっていうわけではないけど、今回のアルバムにおいては、開けた自分でいるべきだなって思って。こうやって新たな自分を見つけるのも、“卒業”っていうテーマに繋がってくる部分でもあるし。
SunBalkan:当初の構想から大きく変わったとはいえ、完成した今でも“卒業”っていうテーマは通底しているように感じるよね。
Pecori:たぶん、みんな頭のどっかには“卒業”っていう言葉があったよね。
――具体的な作詞のプロセスも変化しましたか?
Pecori:変わりましたね。前のアルバム『GOKOH』(2019年)をリリースして移行、いわゆる“詞先”と言われるような書き方をしてみたいなと思いつつ、なかなか形にはできてなかったっていう状態で。それが今回のアルバムでは3割くらいその書き方で作れました。フロウにハメるのではなく、言葉に重きを置いたラップをしている曲が多いです。
SunBalkan:それもどっちが優れてるっていう話ではないよね。前のスタイルも好きだし。
Pecori:もちろん。ただ、今回のアルバムにはそういう曲を入れるべきだと思った。他の人の作品でも、「これは音に合わせて書いてるな」とか「これは詞に重きを置いてるな」ってわかるようになったんですよね。だったら俺も聴いている人にわかってもらえるようなラップをしようと思ったんです。
――歌詞の話だと、先ほどチラッと挙がった「Heavenly Bluetooth」が気になりました。差し支えなければ、どのように生まれた曲なのか教えてもらえますか?
Pecori:これは津野米咲(赤い公園)との交信の曲なんですけど、アカペラでメロディだけ作って、それにハメる形でトラックを作ってもらいました。実は最初にメロディを作ったときのコードと、完成したトラックのコードが異なっていて、音楽的には合ってるんですけど、どことなく違和感があってそこが気に入っています。
――亡き人との交信を「Heavenly Bluetooth」という言葉で表現するのがとても詩的だなと思いました。書いたのは津野さんが亡くなられて少ししてからなのでしょうか。
Pecori:そうですね。ただ、さっきもお話したとおり、歌詞は書き換えていて。Bluetoothイヤホンを付けて雑踏を歩いていると、他の電波と混線してノイズが入るときってあるじゃないですか。あるとき、そのノイズの中に人の声が聴こえたんですよね。そのとき、このBluetoothには音楽データ以外のものも含まれている気がして。これで天国の人とも交信できるんじゃね? って。
――なるほど。すごくいい曲だなと思う一方で、尺はかなり短いですよね。潔い終わり方も印象的だなと。
Tondenhey:最初はスキットにするつもりで作っていたんですよね。ただ、Pecoriのヴァースとフックを聴いたらこれで1曲として成立するなと。
SunBalkan:(前作『GOKOH』収録の)「HORSEMAN DRIFT ROMANCE」もそうだけど、短くするといい曲になるパターンってあるよね。ヴァースを増やしたら間延びしそうな気もしたし。
Pecori:結果として、短いけどアルバムを構成する大事な曲になったなと思いますね。
今のODDだからこそできた「音楽」
――「卒業証書」にはKing Gnuの勢喜遊さんとパスピエの成田ハネダさんが参加しています。勢喜遊さんは以前からサポートを務めていましたが、成田さんはどのような繋がりで?
Tondenhey:ナリハネさんと繋がったのは昨年の大晦日に閉店してしまった下北沢GARAGEですね。GARAGEのステージでえのきとセッションしてたこともあったし、昨年末の閉店直前に水野創太さんが色々なミュージシャンを呼んでライブをする企画に僕が参加させてもらったとき、ナリハネさんが観てくれてて。その日に「いつもギタリストっぽくない視点で参加してるよね。そこがおもしろいと思う」っていうようなことを言ってもらえたんです。それが嬉しくて、いつか絶対一緒に曲を作りたいなと思ってたんです。
「卒業証書」を作るにあたって、一番合わなそうな人を呼びたいなというアイディアが湧いてきて。そこで浮かんできたのがナリハネさんでした。あとはSMAPっぽい曲にしたいと思ってて、ナリハネさんもSMAP絶対好きだろうなっていう狙いもありました。
――コメントでは「SMAP細胞」とおっしゃっていましたが、キイチさんが考えるSMAPらしさってどんなところだと思いますか?
Tondenhey:よく自分の作る曲に対して「SMAPっぽいね」って言われるんですけど、今回はそこを意識的に狙ってみようと考えました。洗練とある種のラフさが同居しているトラックとかは個人的にはSMAPっぽいなと思うポイントですね。ボーカルに関しても、ピッチとかが完璧でめちゃくちゃ上手いシンガーよりも、ある意味ヴァイブスで押し切るタイプの歌い方の方が心に引っかかることが多くて。それもSMAPらしさのひとつなんじゃないかなって思います。
Pecori:「卒業証書」はODDでは珍しくフックを3人でユニゾンしているんですけど、それもSMAPらしさに繋がってるよね。別にみんな歌が上手いわけじゃないけど、この曲に関しては俺ひとりの声じゃ物足りないなって思った。
SunBalkan:SMAPの曲ってブラック・ミュージック的要素も強いけど、決して無理して真似している感じがないんですよね。「卒業証書」もSMAPらしさは意識していたけど、結果としてはすごくODDっぽい曲になったと思います。
Tondenhey:それはそうだね。すごくODDっぽい曲だと思う。
――リリックにはキイチさんもクレジットされています。これはPecoriさんとの共作といった形なのでしょうか。
Tondenhey:そうですね。フックの歌詞を僕が書いて、「こんな感じでどうでしょう?」って送ったら「難しすぎる」って返ってきて(笑)。
Pecori:語呂がどうしても合わないところだけちょいちょい変更させてもらって。ヴァースは自分で書いてます。
――共作というと、「ジュブナイルジャーニー」はTaishi Satoさんプロデュースの曲になっていますね。
SunBalkan:あの曲は最初、僕がイニシアチブを握っていたんです。コード進行も全然違う状態のデモをTaishiと一緒に作ってみようかっていうことになって、5回くらいラリーをしていく中で、Taishiの方がやりたいことが明確に見えているなと感じて。それだったらTaishiにお願いしてみようと思って、こういう形になりました。ライブでも演奏しながら詰めていったんですけど、よくまとまったなって思いますね。
Tondenhey:フックで4ビートになるところとかおもしろいよね。TaishiとはZattaっていうユニットを一緒にやってたんですけど、彼はトラックメイクに関しては変態的なこだわりがあるので、この曲にもそういう部分が出ていると思います。
――Yohji Igarashiさんが手がけた「SEE U DAWN」も同様の作り方ですか?
SunBalkan:「SEE U DAWN」はよりトラック提供に近いというか、Yohjiにがっつりお任せして作ってもらいました。
Pecori:渋谷で会議したときに書き出したリファレンスを元に作ってもらいました。「SEE U DAWN」はTravis Scottの「SICKO MODE」もリファレンスに入ってて。途中で展開が変わるのとかはその影響ですね。
Tondenhey:後半の展開部分はYohjiに「ダウンストロークでギャンギャン弾いて欲しい」って言われて、最初はもっと捻くれた弾き方にしたかったんですけど、言われた通りやってみたらカッコよく聴こえてきて。
――まさしくプロデューサーの手腕というか。
SunBalkan:「SEE U DAWN」の制作に関しては、俺らの方がサポート・メンバーみたいな感じだったよね。
Pecori:でも、それがODDにとっては健全な作り方なんだよね。みんなで集まって各パートをそれぞれが考えるのではなく、1曲ごとに誰かが指揮を取って進めるっていう。
SunBalkan:そうだね。それは間違いない。
――共作、というのとはまた違うのかもしれませんが、アルバムの最後を飾る「音楽」はマネージャーの三宅正一さんが作詞にクレジットされています。これはどういった経緯で?
Tondenhey:三宅さんに歌詞を書いてもらうっていうアイディアは以前からあって。……今、思い出したんですけど、会議のときホワイトボードに“パンク・ロック”って書いてたんですよね。
SunBalkan:あったね。
Pecori:去年くらいから三宅さんに、パンク系のトラックで歌い上げる系の曲も聴いてみたいって言われてて。
Tondenhey:それを三宅さんの歌詞でやってみようってなったっていう感じですね。
Pecori:歌詞をもらってからは早かったですね。えのきがギターを弾いて、メロディもすぐにできて。後からキイチがトラックを作ってくれた。
SunBalkan:最初はこんなにストレートな曲にするつもりじゃなくて、どうやったらODDらしさを出せるのかなって考えてたんですけど、キイチが作ったトラックを聴かせてもらったらもうド直球で。でも、そこにはODDらしさが確かに感じられたんですよね。音像以外の部分でもODDらしさを出すことができるんだっていうことがわかって。ちょっと前の俺らだったらこっ恥ずかしくてできなかったと思うんですけど、キイチが腹を括ってくれてよかった(笑)。
Pecori:聴いたあと、少し笑ってもらいたいけどね。
SunBalkan:笑っちゃうけど、ちょっと泣いちゃうみたいなね。
――これまで長い時間を共にしてきた三宅さんが書かれた歌詞を、お三方はどのように受け止めましたか?
Pecori:確か2時間くらいで書いたって言ってたんですけど、40年かけたんじゃないかなって思いました。何ていうんだろうな……色々なものが出ちゃってるなって。ちゃんとトイレ行きなよって感じ(笑)。
一同:(笑)。
SunBalkan:本物の気持ちが詰まっているというかね。
Tondenhey:えのきは最初心配してたもんね。
SunBalkan:ちゃんと感情が乗らないと、逆に安っぽく聴こえてしまうんじゃないかなって。でも、みんな腹を括って、肩をがっちり組んだ状態で作ったからこそ成立したというか。アルバム制作の終盤にできた曲なんですけど、それまでの経緯がなかったらできなかったんじゃないかなって思います。
Tondenhey:歌詞の突拍子のない語順も含めて、自分の人生と重ねてしまう部分もあって。僕ら自身も予想だにしないことの積み重ねでここに立っているし、好きだったミュージシャンが亡くなったり、逆に子供を授かったり……本当に人生って予測不可能なことばかりなんですよね。そして僕は予想できない音楽が好きだし、「音楽」ではそれを体現できたんじゃないかなって。
――ODD Foot Worksと三宅さん、両者がこの5〜6年歩みを共にしたからこそ生まれた楽曲なんだなと感じました。
SunBalkan:そうですね。三宅さんが俺らに思ってることも少しは感じ取ることができたと思うし、それをちゃんと曲に乗せることもできた……と思うんですよね。それでアルバムを締めくくってるのが最高だなって。
「もうやるしかねぇんだなって」――アルバム制作を通して変化した意識
――これまでとは異なる制作プロセスも経た今作を通して、何か変化は起こりましたか?
Tondenhey:たくさんありますね。多くの人に届けるために研究して、それを実践できたアルバムだと思っていて。それと同時に、サウンドや歌詞……というか音楽そのものを全て取っ払っても残るものがこのアルバムには詰め込めた気がしていて。それが何なのか、まだ自分でもわからないし言語化もできないんですけど、今後はそこを追求していきたいなと。
――自分たち、もしくは自分にしか積み上げられないものを探求していきたい。
Tondenhey:そうですね。だから、もう何かをリファレンスにすることはないのかなって。
――PecoriさんとSunBalkanさんはいかがですか?
Pecori:今回のアルバム制作を通して、やれることも増えた気がするし、それまで感じていた恥が生む弊害みたいなものもなくなって、自分を素直に見つめ直せたんですね。だからこそ、ODDにとっても自分自身にとってもこの次が大事な気がしていて。もちろん今はこのアルバムをじっくり聴いてほしいんだけど、その先も楽しみにしててくれよってことは言いたいですね。これで終わりじゃねぇぞって。
SunBalkan:素直な気持ちを作品に詰めることって大事だなって改めて感じて。とはいえ、表現することがないと話にならないので、シンプルにカッコいい人になりたいなって思いましたね(笑)。
――Pecoriさんの話に繋がるのかもしれませんが、ODD Foot Worksはバンドでもなくヒップホップ・クルーでもないが故に、これまでそのバランス感や見え方について気を配っていたように感じていたのですが、今作では振り切れたような印象を受けました。だからこそ、これからが楽しみだなと。
Pecori:それは本当にその通りで。リリース前から友だちとかに聴いてもらってたんですけど、そこは間違いなく伝わるんだなっていうことがわかった。さっきのキイチの話じゃないですけど、やっぱり音楽って気持ちなんだなって。どういう気持ちで鳴らすのかが大事なんだって。
――最後に、今後の展望についてはいかがですか?
Pecori:ODDはこれからバカ売れするんですけど(笑)、やっぱりやらないとできないんだなってすごく感じて。正直、これまでは自信がなかったり、踏み止まってしまうシーンもあったけど、もうやるしかねぇんだなって。今は……すごくフワフワしてます。羽をパタパタして飛び立つ準備をしています。
SunBalkan:すごくわかる。当たり前なことを当たり前に認識して、行動力に繋がる実感のようなものを育てていきたいですね。
Tondenhey:アルバムを出したばかりですけど、早くもODDの新曲を作りたいねって話が出ていて。このアルバムやツアーを経てのODDがどういう作品を作れるのかが楽しみですね。有元キイチ個人のワークについては、僕は色々な人と共に過ごした時間がパッケージされているような曲が好きで、そういう曲を聴いてるとiPhoneのカメラロールを見ているような感覚になるんです。なので、今後はもっと色々な人と出会って、交流して、そういったカメラロールをどんどん増やしていきたいです。
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※発送は日本国内に限定いたします。
※フリマサイトなどでの転売は固く禁じます。
【リリース情報】
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※CD
※購入者先着特典(予定):『Master Work』Instrumental CD
【イベント情報】

・チケット

オフィシャル先行第1弾(e+)(https://eplus.jp/ofw-1228of/) :10月20日(木)21:00〜10月31日(月)23:59
一般発売:11月19日(土)〜
■More Info: ODD Foot Works(http://oddfootworks.com)
■ ODD Foot Works オフィシャル・サイト(http://oddfootworks.com)

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