ASH DA HERO ソロからバンドへと進
化した5人に訊く、メジャー1stフルア
ルバム『Genesis』制作秘話と未来像

ボーカリスト・ASHのソロプロジェクトとしての活動を完結し、2021年9月 より、ASH(Vo)、Narukaze(Gt) 、Sato(Ba) 、WANI(Dr) 、 Dhalsim(DJ)の5人編成のロックバンドとして新たなステージに突入したASH DA HERO。メンバー5人の感性とテクニックがバンドとしてのアティテュードを鮮明に描き出したメジャー1stフルアルバム『Genesis』について、そしてバンドの未来像について、5人に話を訊いた。
ASH DA HEROっていうロックバンドの1stアルバムの始まりの火蓋を切ってくれるのは、リスナー、オーディエンスのあなたです。
――ASH DA HEROのメジャー1stフルアルバム『Genesis』が完成。ASH DA HEROの全貌がついに分かる、めちゃくちゃカッコいいアルバムができました! まずはアルバムが完成しての率直な感想はいかがでしょうか?
ASH:この5人の個性って、まとまりのある綺麗な正五角形ではなく、いびつなペンタゴンだと思うんです。でもそのいびつさがアートフォームとして美しいし。そのフォームを外したとしてもとても鋭利で個性的で。ひときわ目立つサウンド感と存在感が、このアルバムで出せたかな? と思いますし。僕らという存在を、アルバムで証明できたなと思っています。なので発売前の現在は、このアルバムを世の中に投げ込んで、世の中や世界の人がどう踊ってくれるかな? どう騒いでくれるかな? という感じで。発売をワクワクしながら待っています。
――ASHさんはソロからバンドに活動形態を変えて。その意味や理由も今作の音や楽曲で証明することができたと思いますが、いかがでしょうか?
ASH:言葉とか思いって、どれだけ伝えても伝わりきらないことの方が多いと思ってて。僕はもともとずっとバンドに憧れてて、色んな思いや思惑があってバンドというスタイルになったんですが。「バンドになったことってどうなの?」って思っている人も少なからずいたと思うんです。そこで、そう思っている人たちに「だからバンドをやりたかったんだ」と説得力をもって伝えられるアルバムになったと思いますし。「こういう時代だから、ロックバンドが必要なんだ」というアティテュードを、音とスタイルと歌詞とボーカリゼイションで提示することができたと思います。
ASH(Vo)
――こんな時代ですが、しっかり希望の光が差す作品になっているし、聴く人に力を与える作品になっているし。すごくロックアルバム然とした作品になったと思います。変な話ですが、バンドになって一枚目となる今作は想像通りでしたか? 想像以上でしたか?
ASH:想像通りで、想像以上でした。「思ってたとおり、この5人になったらカッコいいな。だってカッコいいもん!」という気持ちもあるし、自分の想像以上のこともたくさん起こっているし。グループの強み、チームの強み、ロックバンドの強みを改めて感じてます。まだまだ出来たてのバンドなので、バンドとして一気に急成長したくて、急接近したくて、このアルバムを作るための濃密な時間も作ったし、一緒にいる時間も意識的に作って。演奏だけでなく、マインドの部分ももっと繋がっていければと思って作ったアルバムだったんですけど。当然、まだまだ完成形ではなくて。このいびつなペンタゴンはまだまだ尖っていくだろうし、そんな期待ができるアルバムになったし。ここからもすごく楽しみです。
Narukaze:そうだね。バンドになって一枚目なので、手探りなところはいっぱいあって。「どういう曲がいいのかな……?」ってところから始めて、ものすごい早いペースで曲を作り進めていったんですけど。僕が根本的に大事にしてたのは、「“ASH DA HERO”というものを変えよう」ということでした。じゃないとバンドにした意味もないですしね。
ASH:Naruくんがそう思ってくれてるのはひしひしと感じたし、僕もそれをやらないとバンドにした意味がないと思ったし、望んでたことだったから。そう思ってくれてたのがすごく嬉しくて……口説いて良かったです(笑)。
Narukaze:あはは。バンドになったことで、どんな音ができるのか? ソロ時代からASHをサポートしてきたメンバーもいるので、それぞれがどんな音を出すのかは大体分かってるんですけど。「サポートとメンバーじゃ別モンだ」ってことも示したかったし、各々の個性が強いんで(笑)。アレンジもそれぞれのメンバーをイメージしながら土台を作ったし、レコーディングしていく中でそれぞれのクセもなんとなく分かったところもあったし。いまやれることはやったし、ここからもっとやりたいことも見えた、一枚目らしい一枚目になったと思います。
Narukaze(Gt)
――バンド形態になって、一番最初にできた曲が「Merry Go Round」だったんですよね?
Narukaze:そうです。それぞれのストックを出し合って、リアレンジする作業はしてたんですけど。完璧なオリジナルの新曲は「Merry Go Round」でした。
――「バンドでやろう」と言って、最初に「Merry Go Round」が出てくるって、すごくないですか? もう、このバンドでやりたいことが明確に見えてるというか。
ASH:もちろん、最初は手探りでしたよ。「Merry Go Round」だって、いまの形になるまでだいぶ変化してるし。最初は「Naruくんの作ってる歌詞のある曲を、僕が歌ったらどうなるか?」とか、「僕のデモをNaruくんがリアレンジしたらどうなるか?」みたいなことからやって。Naruくんから空のトラックが送られてきて、「めちゃいいじゃん。ちょっとキー変えてみる?」とか試してみたり、いろんなやり取りをしたので。その段階では、すごい手探りだったと思います。
――なるほど。「バンドってこうやって曲を作っていくんだ」っていう、基盤作りの大事な時間だったかもしれませんね。
ASH:まさに。「Merry Go Round」も、Naruくんが最初に原曲を書いた時のイメージとは、良い意味で全然違うものになったと思うし。
Narukaze:そうだね。ASH DA HEROでは作家と思って曲を作っていなくて、いちバンドメンバーとして作ってるし。ある程度は分かりやすく作るけど、そこにメンバーそれぞれの味が出ないと意味がないと思うんで。ASHに関しても、僕の投げた曲に歌が乗った時、「そこでこういう歌が来るんだ!」みたいな驚きがあったりして。1曲1曲にバンドの面白さを感じながら作れています。
Sato(Ba)
――スクラップ・アンド・ビルドで、ソロのASH DA HEROを一度壊して再生すべく、ハンマーを振り下ろして。バンドのASH DA HEROを、ゼロから再構築していく感じですね。
ASH:僕はジェンガみたいだなと思ってて。ソロの時に組み上がったジェンガを新しい曲をもって1回崩して、「こういう組み方どう?」って提案してくれる感覚ですね。そこで、「そうか、もう一人で積み上げなくていいんだ!」と思えたし。
――それはASHさんにとって、ものすごい大きな変化ですね。
ASH:それをむちゃくちゃ思いました。メンバーそれぞれから色んなアイデアを貰って、「そういう組み方もあるんだ!」と思ったり。
――めちゃくちゃ楽しいですね(笑)。
ASH:楽しいです、本当に! 自分のことを前から知ってくれてる人ほど、いらない遠慮と謙遜があって。「この人にはこう寄り添った方がいいだろう」みたいに気遣ってくれたりするんですけど、ウチのメンバーはそれが一切無いので。それが超最高に気持ちいいし、僕もそれを求めてる感じで。
――アルバムを聴いても誰も遠慮などせず、出るべきところでガンガン前に出てきますもんね。
ASH:そこは「ガンガン前に出て! 俺も負けねぇから!」って感じだし、その気持ちをみんなも持ってると思うんです。「お前がいくらシャウトしようと負けん!」みたいな(笑)。
WANI:うん。だから守りの一切ない、攻めのアルバムになりましたよね。みんな通ってきたジャンルもバラバラだし、これまで培ってきた経験があって。それぞれがそこを出せていて、1枚目ですけど、個々の集大成的なアルバムにもなっているし。まだまだ、ここからの未来が見えるアルバムになったと思います。
WANI(Dr)
――Dhalsimさんはアルバムが完成していかがですか?
Dhalsim:ソロ時代と比べた時にサウンドで一番変わったのが、スクラッチとかDJが入ったことだと思うし、聴いて下さる方もすごく新鮮だと思うので。自分なりのテクニカルな面も結構、詰め込んだし。「バンドのDJってカッコいいぜ!」ってことをアルバムで示せたと思います。最初は自分の立ち位置も考えたんですけど、Naruさんが引っ張ってくれて。デモでキャッチボールする中で意見を出し合ったり、自分になかったアイデアを出してもらったりして。独りよがりにならず、自分のやるべきことも見えてきて。「求められていることに120%で応えたい!」と思ってやれているので、すごいやりがいを感じています。
――このメンバーで唯一、バンド結成前にASHさんと一緒に音楽をやってなかったのが、Dhalsimさんですが。バンド加入の経緯を聞いたら、めちゃくちゃ面白いですね。
ASH:そうなんです。バンド仲間や先輩から「Dhalsimってヤツがいて」って話を何回も聞いてて、僕の人生に“Dhalsim”って名前がことあるごとに登場してくるんですけど、一度も会ったことがなくて。僕自身がマンガだったとしたら、ここまで伏線がめっちゃ張られてたんです。
――わはは。「あの街にDhalsimという男がいるらしい」みたいな?(笑)
ASH:そう、「あのクラブでDhalsimを見かけた」とか。マンガでいうと7巻くらいから名前が出てきてるのに、9巻になってもまだ出てこなくて、「Dhalsimって誰だ?」って読者が考察する感じ(笑)。そしたらバンドを結成する話になった時、Naruくんの口から「そういえば、Dhalsimってヤツがいるんだけど……」って名前が出てきて、「来たっ!」って。そこで僕の中では「次週、いよいよDhalsimが登場!」みたいなワクワクがすごくあって、ついにDhalsimと出会うことになって。初めて会った時、「これがDhalsimか……」って。
――あははは。伏線が張られて張られて、ついに登場したと思ったら、正式メンバーというかなり重要なキャラとして物語に加わちゃって。
Narukaze:ビックリしましたよ。ASHはDhalsimと会ったこともないのに、「一緒にバンドをやる!」ってもう決めてて。
Dhalsim(DJ)
――え! 会う前から、メンバーに入れることを決めてたんですか!?
ASH:決めてました。僕はASH DA HEROっていうマンガの主人公であり、読者でも作者でもあるんで。こんだけ伏線張られて、いよいよ登場となったら、作者としては放っておけないですよ(笑)。
Narukaze:オレから名前出したけど、「ホントにいいの!?」って思いました。
――わはは。実際に加入してみて、いかがでしたか?
ASH:Satoくんがいて、WANIさんがいて、Naruくんがいて。この4人だけでもバンドになるのは見えるんですけど、「何か足りない」って感じがあって。僕の中のフィロソフィーみたいなものなんですけど、バンド、グループみたいなものって、良い意味での淀みと刺激物がものすごく必要だと思ってて。化学変化には適合する分子や原子は必要なんだけど、適合しない分子があることで、大爆発が起こるので。そう考えた時、不確定要素みたいなものがものすごく欲しかった。そこで僕にとってDhalsimって存在は、「俺の人生にこんなに出てくるということは、俺の人生に必要なんだ」って気持ちもあったし、「Dhalsimが入ったら、なにかすごいことが起きるんじゃないか?」って期待もあったし。みんなが集まってくれただけで最高だけど、「Dhalsimが入ったら、きっと何かが起きる」と思って。
――大爆発を起こすために、どんな人か知らなくて良かったし、不確定要素で良かったと。
ASH:そう。逆にDhalsimのことをよく知ってたり、飲み仲間だったら誘ってないと思います。でも、Naruくんだったり、誰かの先輩だったり、そういう色んな人の言葉から、Dhalsimってワードが刻まれてたから。「#Dhalsimってなに?」じゃないけど、気になりすぎてたし。実際に会ってみたら、共通の知り合いもたくさんいたし、音楽的ルーツもすごく似てて。僕が若い頃名古屋にいて、クラブでよく遊んでたようなことや、その頃聴いてたヒップホップやレゲエがルーツにあって、ものすごく話の合うバンドマンだったので。やっぱり会うべくして会ったし、入ってくれてすごく嬉しいです。
Dhalsim:いや、嬉しいです。期待に応えられるように頑張ります。
――Satoさんはアルバムが完成していかがですか?
Sato:僕は僕の物語というところでいうと、ロックの色んな曲調はあれど、「これ好きだな」と自分も思えて、「これ好きでしょ?」って自信を持って勧められるアルバムがようやく作れたと思っていて、すごく満足しているし。これが好きという、自分の根源的なエネルギーが込められたと思ってます。それはASHくんとNaruくんの曲作りがあって、自分も「バンドのベーシストというところに、こんなに意識を向けられたかな?」ってくらい高い意識を持ってやれたからだと思うし。そこで自分の好きなものにチューニングを合わせることができて、今作でひとつしっかり基準点ができたと思うし。僕だけでない、みんなの現在を切り取って詰め込んだアルバムができたなと思いながら、もう次への欲も出てきてて。自分のこだわりやディティールにここまで気持ちを持っていけたのは、バンドだからだと思ってすごい嬉しいし、これが聴く人に伝わるといいなと思っています。
――曲作りについても聞きたいのですが、ASHさんはバンド形態になって、自分から出てくる発想の変化は感じますか?
ASH:それはもう、すごく感じています。自分一人の世界で想像できることっていうのは、無限であり有限であると思ってて。5人の頭の中にあるイメージをテーブルの上にバッと出した時、混ざっても美しいし、混ざらなくても美しいのがバンドなんです。バンドごとに色んな形があると思うんですけど、僕は「俺が引っ張っていくぞ!」というより、ポンッとみんなで出し合って、「いいね、それ!」って進めていくやり方が、この5人には向いてる気がしていて。それぞれの色が違って、混ざり合う部分もあれば、全く混ざり合わない部分があるけど、ロックンロールって基本的に不協和音の美しさを尖らせたアートだと思うので。「この色とこの色を混ぜ合わせたら、相性的に良くないよ」と言われたとしても、それが新たな想像を生むし、僕らにはそのやり方が合ってる気がするので。個人としては発想とかイデオロギーとか、そういったものを日々アップデートして、鋭く尖らせていきたいと思ってるけど、バンドとしてというところとではまた違ったりして。自分の視点ってところで、主観と俯瞰がより鮮明になってきたんです。
――それってASHさんの音楽制作において、根本的なところで変化してますよね?
ASH:根本的なところで変化したとも言えるし、根本の部分に付加されたというか。オプションが付いて、ブーストがかかった感覚でもあるんです。
――ソロの時は完成形まで、一人で作り上げなきゃいけなかったけれど、いまはそうじゃなくて。みんなの力を合わせて作り上げることができるわけですよね?
ASH:そうですね。だから一人の時は、「こういう形にするためには、なにが必要か?」って、逆算的に考えて行動していたんですが。いまは足し算、掛け算、もしくは✕Xみたいなことがすごく多くて。Xを掛けた時の答えは誰も知らないんだけど、「やり過ぎたとしても、それはそれで面白いでしょ?」みたいな感じで進められるのが、すごく良いんです。
――ソロで逆算的に考えてた時は完成像が大きくズレることは無かったと思いますが、バンドだとポンッと投げたものが、全く想像しない形に仕上がることもあり得ますよね。
ASH:そこが一人でやってた頃と全く違うところで、良い意味で委ねられるところもたくさんあるし、「ここはお願いするから、ここは任せて!」みたいなところもたくさんあって。そこには言葉とかではない信頼関係があります。
――ではいま、改めてバンドでやることの面白さや力強さも実感している?
ASH:実感して咀嚼して、すでに体の一部になってます。この取材を受けてる今日が7月半ばですが、5人揃ってがん首並べたのが、ジャスト1年前なんです。そこで「やりますか!」つって、1週間後くらいに「Merry Go Round」の1stデモが上がってきて。
――そこからわずか1年でアルバムが完成して、初の全国ツアーも控えていて。バンドが体の一部になってると断言できるに至ったというのが、濃厚で充実した1年だったことを証明していますね。
ASH:そうですね。こうして話してても、自分で「もう1年経ったか!」って思うくらい、すごく早く感じるので、それだけ濃密濃厚だったと思うし。ここからもこの勢いで、ぶっ壊れるまでみんなで暴走してったら面白いんじゃないですか? 合理的で守ってばっかりの時代だから、壊れるくらいの勢いで前のめりに転がって行く方が面白いでしょ?って。俺らロックバンドがセーフティなこと言っててもしょうがないですからね。
――最高です! 9月からは全国ツアーも控えていますが、アルバムはライブを想像しながら制作した部分もあったんですか?
ASH:ライブがなかなかできない状況が続いてて、それがすごいイヤだったし悔しかったし、同じ思いの人がたくさんいると思って。だからこそ、コール&レスポンスができるようなフックは意識的に作ったところはあります。
Narukaze:僕は好みとして、ライブが見えないロックアルバムってあまり好きではないし。レコーディングにはレコーディングの面白さがあるんだけど、僕らはライブを軸としたバンドだと思うので。「このビートだと、ちょっと乗れないな」とか、「ライブだとこうした方が良いな」と判断することも多いし、常にライブを意識してると思います。
ASH:確かに。新曲ができて「ライブで演ってみよう」ってなった時、「レコーディングの時はどっちにする?」みたいな話をしてたよね? 「ライブでやって手触りの良かった方と、デモで作ってた方とどっちにしようか?」って。今回、曲を作りながら、ライブもできてたのがすごく良くて。余計にライブを意識したレコーディングになったと思います。
――レコーディングって、具体的にはいつ頃だったんですか?
ASH:5月から6月ですね。だから、自分たち主催の『GACHINKO』っていう豪華なバンドが集まってくれた対バンイベントが2月から3ヵ月連続であって。ライブが終わってチンチンの状態で「録るか!」って、レコーディングに入れて。ライブを想像してもらえるのは、「まだレコーディング前だけど、ライブでやっちゃおう!」って曲も入ってるので。レコーディングの時にライブの熱量とか、ライブっぽさが真空パックされたからだと思います。レコーディングで特にライブ感が強かったのは、WANIさんじゃないですか?
WANI:そうだね。レコーディングスタジオというより、「俺はいまライブハウスで録ってる」くらいの気持ちだったから(笑)。レコーディングは俺とSatoくんで一緒に録ってたんですけど、そこにASHが混ざって、目の前でマイクなしで歌ってくれて。僕もすごいテンションが上がったので良かったんですけど、ASHが勢いあまって、「オンベース、Sato!」って叫んじゃって。
ASH:そうそう(笑)。超良いテイクが録れてる時、俺がテンション上がって叫んじゃって。プレイバックして、「いいねいいね」って聴いてたら、ベースソロに入る前に遠くの方から、「オンベース、Sato!」って聴こえてきて。エンジニアさんが「なんかいるね」って(笑)。
――あはは。スタジオライブ状態で、レコーディングしてること忘れちゃったんだ(笑)。
WANI:そんな感じで録れたので、音源でもその勢いは伝わると思います。
――では、9月から始まる全国ツアーについてもお話を聞きたいのですが。まず、10月29日のツアーファイナル、Zepp Divercity公演のチケットをイープラスで購入してくれた方に向けた、生配信イベントが9月24日(土)に行われます。
ASH:はい。ツアーも楽しみですけど、この生配信イベントも楽しみですね。この配信でしかお見せできないASH DA HEROのトークや、ミニライブなど、インタビューを読んで下さったみなさんも、文字上では伝わらない5人揃った時の雰囲気だったり、空気感だったり、この日にしか見られないとにかくスペシャルな生配信になると思うので楽しみにして下さい。
――では最後に全国ツアーに向けて、それぞれ意気込みを聞かせて下さい!
Sato:バンドの1stツアーということで、自分の中に比較対象が無いから、すごくワクワクしています。アルバムができて、みんなしっかり聴き込んでくれて、ライブに足を運んでくれると思うのですが。バンドとして初めて訪れる場所ばかりなので、その初めてをみんなと生で味わえるのを楽しみにしています。あと、コロナ禍でなかなかライブに行けなくて、生音を浴びるのは久しぶりって人も多いと思うんですけど。会場にさえ来てくれれば、「あとは俺たちに任せておけ!」って感じなので。最高のロックンロールでアゲましょう!
Dhalsim:個人的に言ったら、ちゃんとツアーするのなんて何年ぶりなので、めっちゃ楽しみですし。僕もコロナ禍になってライブを観に行くこともなくて。1年ぶりくらいに久しぶりにライブに行って、生で爆音を聴いた時、「やっぱ生ってすごい良いな」と思ったので。みんなにもそれを味わって欲しいし、音源とは違う『Genesis』の楽曲たちの生の迫力を感じてもらえるツアーになればいいなと思います。
WANI:ライブに来て全身を使って、爆音を浴びてもらえば、きっと元気や活力が湧いてくると思うので。俺たちは来てくれる人が思い切り楽しんで、元気になれるように、全力でやりたいと思ってます。あとは何より、この5人でツアーを回れるのが純粋に楽しみですね。どんな感じになるのか? もしかしたら、すごい仲悪くなるのか?(笑)
ASH:めっちゃケンカしたりしてね。それはそれで面白い!(笑)
WANI:5人でツアーを回って色んな経験して、ファイナルではその集大成を見せたいです。
Narukaze:僕はリリースツアーって、1本きりのライブじゃ作り上げられない、僕らとみんなで一緒に曲を作り上げるということができる機会だと思ってて。まだライブであまりやってない曲を、「こういうノリ方をするんだよ」ってこちらから提示したり、「そういうノリ方もあるんだ」って逆に教えられたりしながら、一緒に作り上げていけたら良いなと思います。音楽を作るだけなら5人だけでできるけど、それを共有し合えるのがライブだし、もっと良いものにできるのがツアーだと思ってるので、すごく楽しみにしています。
ASH:そうですね。『Genesis』が完成したんですが、これはあくまでも僕らが作りましたというもので。今度はこれを受け取ってくれたみなさんがどう色付けしてくれるか? どう反応してくれるか? ってところで、本当の意味で『Genesis』っていうアルバムが始まると思うし、ASH DA HEROっていうバンドが始まると思ってて。ASH DA HEROっていうロックバンドの1stアルバムの始まりの火蓋を切ってくれるのは、リスナー、オーディエンスのあなたです。みんなが火蓋さえ切ってくれたならば、僕らは狼煙を上げてどんどん突き進んで行くので。不確定要素の多い時代だけど、言うこと聞くところは聞いて、ベロ出すところはベロ出して。面白くない世の中を笑いながら面白おかしく突き進んで行こうぜ! って思ってるので。そんな姿勢をツアーで示して、ツアーファイナルのZepp Diver Cityで、みんなで大笑いできる未来を作りたいなと思ってるし。ツアーファイナルを僕らとファンのみんなのGenesisにしたいし、ASH DA HEROの物語の本当のスタートにしたいと思ってるので。新たな始まりをぜひ、その目で確認してもらいたいと思います!
取材・文=フジジュン 撮影=大橋祐希
撮影協力=イープラススタジオ

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着