モデル・超絶技巧派ピアニスト・ヴォ
ーカリト。トライアングルパフォーマ
ー、藤嶋美伶とは…。 藤嶋美伶イン
タビュー

2歳からピアノを弾き始め、音大を卒業するまで、はピアニストとしてクラシック音楽一筋の英才教育を受けてきた藤嶋美伶。だが、大学の卒業と同時に、楽譜のように定められた生き方から逸脱。エンターテイメントの世界へ足を踏み入れた藤嶋美伶は、モデル活動と平行し、クラシック以外の音楽の道へ。しかもピアニストのみならず、ヴォーカリストとしても活動を始めた。ただ、新たな行路への舵の切り方が斬新過ぎていた…。

現在、藤嶋美伶は広告/CMモデルとして活動をする傍ら、クラシック音楽とは対極を成す囁揺的音楽集団AsMRというノイズシンフォニックラウド系バンドのヴォーカル/ピアニストとして活動。一つの形態では自身の表現の枠を収めきれないことから、7月4日(月)に原宿RUIDOで行われるイベント「竹下通り恋ノ歌劇場」への出演を始まりに、ピアニスト/シンガー藤嶋美伶としてソロ活動もスタートする。
特徴的なのが、弾き語りアーティストとしての面を見せるが、軸に置いているのがピアノの演奏。超絶技巧派ピアニストとしての異名通り、囁揺的音楽集団AsMRのセルフカバーから複雑怪奇で超絶ロックなオリジナルピアノ曲までを弾き倒すピアニストとしての魅力と才能を藤嶋美伶はソロ活動の中でも見せてゆく。これからは、YouTubeのレーベルチャンネルに動画コンテンツをアップして、「弾いてみた」ならぬ「弾いてみろ」と題し、楽譜も公開しながら、ピアニストとしての軸力と才能を遺憾なく発揮した楽曲をアップし続けてゆく。もちろん、「弾いてみた」も行うが、「弾いてみろ」は、藤嶋美伶からピアノの腕に自信のある人たちへ向けての挑戦状。我こそはと自信を持っている方は、ぜひ挑戦に名乗りを上げていただきたい。
藤嶋美伶は、モデル/囁揺的音楽集団AsMRとしての活動と平行し、7月4日のイベント出演を皮切りに、藤嶋美伶としても積極的にソロ活動をスタート。現状、歌い手系のイベント出演が中心のように、藤嶋美伶もイベントを通し、J-POPのカバーやソロ曲の歌唱も行うが、あえて歌い手中心のイベントで、螺子の外れたアバンギャルドなインストピアノプレイヤーとしての面も見せようとしている。
このたび、藤嶋美伶をつかまえ、彼女のインタビューを行った。どういう経緯で今の道へ至るのか、彼女の言葉から想像を巡らせてもらいたい。
――美伶さんは、もともとピアニストの方…で、合っていますよね。
藤嶋美伶  2歳から音楽を学び、音大を卒業するまでは本当にクラシックばかりを勉強し続けてきました。もちろん、クラシック音楽以外にも、昭和歌謡や洋楽などジャンルを問わず聴いてきました。でも、生活の中心軸に大きくあったのはクラシック音楽とピアノでした。
――でも、現在所属しているバンドの囁揺的音楽集団AsMRでは、クラシックとは完全に真逆なノイジックでアバンギャルドなピアノ演奏を示していますよね(正しくいえば、クラシックの技巧も取り入れている)。
藤嶋美伶  クラシックの世界ではタブーとされていることを沢山やっています(笑)。いかに楽譜の意図を汲んで表現するかのクラシックではなく、音を崩し探していく囁揺的音楽集団AsMRでの音楽スタイルは、とても楽しいです。同時に、それまで楽譜通りにピアノを弾いてきたわたしにとっては、枠に取り込まれた自分からいかに逸脱し、自分の感性を自由に解き放てるかへの挑戦の場にもなっています。
――藤嶋美伶さんは、クラシック音楽という枠の中から早く逸脱したかったのでしょうか?
藤嶋美伶  いえ、けっしてそんなことはないです。むしろ、クラシック音楽で培ってきたものの延長線上に今の活動や自己表現があると思います。
――以前からエンターテイメント面の表現に…。
藤嶋美伶  興味はありました。わたしは小さい頃からピアノ漬けの毎日でしたけど。その合間にテレビを観ることが大好きで、芸能のお仕事をしている人たちへの憧れがあり、心の中では密かに芸能活動をしてみたいと思っていました。
ただし、クラシック音楽の世界から飛び出すうえで、両親と一つ約束を交わしていました。それは、音大を卒業するまでは、学業に専念するということ。きっと両親は、幼い頃から学んできたクラシック音楽をやり遂げてほしかったんだと思います。わたしは約束を果たしたうえで、音大の卒業をきっかけに、いろんな芸能の道へ挑戦するようになりました。
――心を解き放ち、一気に自由になったわけですね。でも、その表現の向け方が、モデルと音楽という異なる面なのもすごいといいますか。それも美伶さんらしいんでしょうね。
藤嶋美伶  わたしの中では、モデルも、音楽のお仕事も、自分を表現してゆくアーティスト活動だから同じ意識です。だから、モデルや役者のお仕事もやりますし、音楽面でも自分の可能性をいろいろと広げたくて、バンドからソロまで貪欲に求めています。
――美伶さんはピアニストのみならず、ヴォーカリストとしても高い評価を得ている方。そこの素養も、ご自身では感じていたのでしょうか?
藤嶋美伶  学生時代、声楽も学んでいましたが、単純に歌うのが好きで、その気持ちへ導かれるままに今も歌っている形です。今は、わたし自身が「やりたいな」と思ったことを純粋に追求できる環境にいられて幸せです。
――これからは、囁揺的音楽集団AsMRとしてのバンド活動と、藤嶋美伶としてのソロ活動を平行して行う形になります。藤嶋美伶の活動の中、囁揺的音楽集団AsMRの楽曲をピアノ演奏で披露することもあるとお聞きしました。囁揺的音楽集団AsMRと藤嶋美伶の活動は、上手くリンクさせながら進んでいく形でしょうか。
藤嶋美伶  リンクする面もありますけど。基本、まったく別物の活動として捉えています。
――そもそもなぜ、ソロとしても活動したい欲求が芽生えたのか。そこ、もう少し詳しく教えてください。
藤嶋美伶  学生時代から、いろんな音楽に触れて演奏したい欲求はずっと心の中にありました。クラシック音楽を学んでいる人たちの中には、ポップスなど、クラシック以外の音楽を受け入れない人たちもいます。そこには、自分たちが幼少期からさまざまなことを犠牲にして音楽の基礎を学んできたプライドもあると思います。もちろん、それだけではないですが、わたしも同じ環境で育ち感じてきたことでした。同じく、ジャズやポップスをやっている人たちは、クラシックの演奏家を「融通が効かない」「楽譜通りにしか演奏できない」と、よく思ってない空気も感じていました。
わたしは、両方とも好きだからこそ、互いを厭味嫌う関係がとても嫌いでした。もちろん、人によって好みの好き嫌いがあるのは当たり前ですが、音楽自体に善し悪しはないとわたしは思っています。だからこそ変な垣根を飛び越え、わたしは両方の面を活かしながら活動したい欲求がずっとありました。
実際に外の世界へ飛び出したことで、わたしの視野は大きく広がったと思います。それこそ囁揺的音楽集団AsMRでは、クラシックの世界ではタブー視されているような表現を多々用いていますけど。そこには、クラシックで学んだからこその技巧も取りいれています。その自由度に楽しさを覚えるたび、どんどん自身の表現の可能性を広げたくなった。その欲求が、結果的にソロ活動の道へも踏み出すきっかけになりました。
――ソロ活動では、作編曲家・ピアノ弾き・歌手 プロデュースを担う音楽家の樫原伸彦さんが、美伶さんの才能に惚れ込み、プロデュースしてくださっていますよね。
藤嶋美伶  本当に恵まれた環境です。樫原さんにはオリジナル楽曲を書いてもらっています。樫原さんのレッスンを受けながら感じたのが、樫原さん自身にタブーという概念がなく、音楽の可能性を追求していらっしゃる方であること。クラシック音楽ではタブーとされる奏法さえ心を打つ音楽に昇華してゆく手法を教えてくださいました。樫原さんのおかげで、ますます音楽が楽しく感じられるようになったし、ピアノを演奏することが本当に好きなんだなと再確認できました。
――藤嶋美伶としての具体的な表現内容も聞かせてください。
藤嶋美伶  注目してほしいのが、囁揺的音楽集団AsMRの楽曲を歌とピアノだけのアコースティックバージョンで演奏すること。囁揺的音楽集団AsMRの場合、音数が多くノイズ音楽もたくさん取り入れてるから、音の洪水のような形で楽曲が成り立っています。AsMRの世界観を大切にしつつ、楽曲の軸となる部分だけを抽出すると、とても美しくも広大な世界観を持って楽曲が成り立っていることが見えてきます。とにかくメロディーの美しさを知ってほしい。そこを際立たせた楽曲として、みなさんにお伝えしていきます。
加えて、オリジナルのインストナンバーも制作しています。もちろん、ライブではJ-POPのカバーなどを歌いながらヴォーカリストとしての表現も追求していきますが、まずは、ピアノのインスト演奏を軸に据えた形でスタートしようと思っています。
――今の美伶さん、モデル/音楽という二つの表現の柱を本当に楽しんでいますよね。
藤嶋美伶  とても楽しくやっています。モデル活動と音楽活動とは全く異なる分野のようですが、通ずるものがたくさんあります。相乗効果で、どちらの表現も磨いていきたいと思っています。
――改めて、ソロ活動のスタート日となる7月4日の公演へ向けての意気込みをお願いできますか。
藤嶋美伶  わたしの一番のアイデンティティはピアノ演奏。自分の強みは「ピアノを弾いて表現すること」なので、そこに注目してください。オリジナルのピアノ曲で見せる超絶技巧的な演奏はもちろん、囁揺的音楽集団AsMRの楽曲も、ガシガシにピアノを弾いています。それと、もう一つ、ソロの道を選んだ理由をお伝えしても良いですか?
――もちろんです。
藤嶋美伶  音大を卒業するまでのわたしは、楽譜通りにピアノを演奏し、そのうえで自分なりの解釈を求める表現活動をしてきました。それを破壊するように、徹底して自由度を求め、難解で複雑怪奇な世界を追求したのが囁揺的音楽集団AsMRの音楽性になります。囁揺的音楽集団AsMRとして活動を始めたことで、クラシックで学んできたのとは対極の自分を追求し始めています。だからこそ、改めて「歌とピアノ」というシンプルな形で自分の音楽表現を求めたとき、どんな自分が生まれるのかなと思って、ソロの道へ踏み出した理由もありました。
現状では、自分でも「何が藤嶋美伶らしさ」なのかはつかめていません。だけど、それでいいんです。なぜなら、一つ一ついろんな挑戦を重ねながら、わたしらしい表現の形を作っていきたいからです。見てくださる方々にも、藤嶋美伶というアーティストとしてのスタイルを見いだし構築してゆく様を楽しんでいただけたら嬉しく思います。
――ソロとしても、これからいろんなことへ挑戦するそうですね。
藤嶋美伶  はい。こちらは企画段階のお話にはなりますけど。わたしがライブで演奏するピアノのインスト曲が、本当にめちゃくちゃ難しいんです。だからこそ、「みなさん、この曲弾けますか?」という動画コンテンツを作り、楽譜も公開したうえで、世間のピアニストさんたちに「弾いてみろ」と挑戦状を突きつけようかなと思っています。
まずは、7月4日の原宿RUIDOで行われるイベントに足を運んでください。この日が、わたしのソロ活動のスタートとなる日。そこで、これから藤嶋美伶として奏でたいスタイルをお見せします。これからは、藤嶋美伶、囁揺的音楽集団AsMR。そして、モデルとして自分自身を表現し続けていきます。いろんな顔を持つ藤嶋美伶に注目してください。
 
TEXT:長澤智典
藤嶋美伶スケジュール
7/4 (月)
[TITLE]【オープニングライブ・原宿RUIDO「REBIRTH」シリーズ】
原宿RUIDO presents.竹下通り恋ノ歌劇場
[ACT]安月名莉子上間江望/つじりお/藤嶋美伶/younA
[OPEN/START] 18:00 / 18:30
[ADV/DOOR]¥3,000 / ¥3,500 (D代別途要)
7月14日(木)秋葉原GOODMAN
「アキバの夜に歌うたい集う Vol.1」
OPEN 18:00/START 18:30
前売 3000円/当日 3500円(D別)
出演/ボナペティ/藤嶋美伶/ERENA/宇月真織/忽那美穂/石田ハナ/etc
予約フォーム
https://tiget.net/events/185883
8月25日(木)秋葉原GOODMAN
「アキバの夜に歌うたい集う Vol.2」
OPEN 18:00/START 18:30
前売 3000円/当日 3500円(D別)
出演/藤嶋美伶/宇月真織/椿木はる/ERENA/小鳥遊七星/リョマル/服部星奈/etc
予約フォーム
https://tiget.net/events/187879
囁揺的音楽集団AsMRスケジュール
7月3日(日)「クレイジー☆フェストEXTRA-4 “サマーツアーSP”」
開場 10:50 / 開演 11:20
[会場]
赤羽ReNY alpha
UNITED / THE GENIUSORCHESTRATION / AsMR / 安城夢那 / RiskyMelody
ArkRoyal / 東京ハテナバナナ / ILLUSION FORCE / Aphrodite / FullMooN
[チケット]
■来場チケット ※整理番号順
前売 4000円
当日 4500円
(ドリンク代別)
3,500円 (アーカイブも含め7/10(日)の23:59まで購入可)
※AsMR用の購入ボタンからお進みください。
「MUSIC SHUFFLE & MASHUP LIVE」
【出演】
ANARCHY STONE/囁揺的音楽 AsMR/太田家/CANDY GO!GO!
ナデシコドール/Oracle Futaba/月照ラス
【開催日時】
2022年8月1日(月)
開場16:30/開演17:00
チケット
新宿ReNY
〒160-0023 新宿区西新宿6-5-1 アイランドホール 2F
TEL:03-5990-5561
SNS
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