村上佳佑の5years
~過去・現在・未来~
<vol.3 未来>
おおらかで博愛の心を持つ
“アメリカンボーイ”
ナイスガイの歌声は
海の向こうの未来を見据える
「いろんなものが1周どころか3周くらいして、やっと今、音楽のすべての側面を楽しめるようになってきたんです。これから書く曲にはもっと僕らしさを出したいし、その曲を引っ提げてやるライヴもより自分らしさが出たらいいと思います」
ミュージシャンとしての自己を模索し、デビュー5年目で開けた場所に到達した村上佳佑。そんな彼が目指す未来とはどのようなものだろう?
「音楽を大事にする音楽をやりたいです。個人的趣味としては音数が少なくて、グルーヴが深くて、それでいて軽快、メロディアス、さらに声がいい…とかありますけど、とにかく生々しい音楽。誰が弾いてもいいとかではなく、僕の声じゃないと意味がないし、あのドラマーじゃなきゃダメだよねっていう、プレイヤーの個性がちゃんと生きた音楽をやりたいんです」
ナンバーワンからオンリーワンへ。こういう言葉を聞くと彼の自分磨きの旅はまだ始まったばかりのように感じられる。では、自身が思う“村上佳佑の音楽”を定義するならば?
「小学校の5年間、アメリカのアトランタに住んでいたことは大きいと思います。英語が話せないと分からないグルーヴ感ってあるし、身体的にもアジア人なのに首が太くて筋肉にバネがある。子供ながらにマイケル・ジャクソンを聴いて“このグルーヴ、心地良いな”って感じていたことがあって。それがアメリカで暮らしたことでさらに血肉化したところはあると思います」
ミュージシャンとしての自己を模索し、デビュー5年目で開けた場所に到達した村上佳佑。そんな彼が目指す未来とはどのようなものだろう?
「音楽を大事にする音楽をやりたいです。個人的趣味としては音数が少なくて、グルーヴが深くて、それでいて軽快、メロディアス、さらに声がいい…とかありますけど、とにかく生々しい音楽。誰が弾いてもいいとかではなく、僕の声じゃないと意味がないし、あのドラマーじゃなきゃダメだよねっていう、プレイヤーの個性がちゃんと生きた音楽をやりたいんです」
ナンバーワンからオンリーワンへ。こういう言葉を聞くと彼の自分磨きの旅はまだ始まったばかりのように感じられる。では、自身が思う“村上佳佑の音楽”を定義するならば?
「小学校の5年間、アメリカのアトランタに住んでいたことは大きいと思います。英語が話せないと分からないグルーヴ感ってあるし、身体的にもアジア人なのに首が太くて筋肉にバネがある。子供ながらにマイケル・ジャクソンを聴いて“このグルーヴ、心地良いな”って感じていたことがあって。それがアメリカで暮らしたことでさらに血肉化したところはあると思います」
海外生活の経験のせいか、確かに村上の音楽には特徴的な空気がある。
「僕のやりたい音楽はブラウンアイド・ソウルなんですよ。黒人音楽を白人がやるとカントリー的な爽やかさが加わってブルーアイド・ソウルになるじゃないですか。それが一層ライトになって、モチッと粘った日本人なりのソウルミュージックになった感じというか」
彼の発言を捕捉すると、村上の個性はもっと微妙なグラデーションの上にあるものだ。日本風にアレンジされたR&Bをブラウンアイド・ソウルと呼ぶのなら、それをもう少し本国寄りにした感じ。J-R&Bの本筋よりはスケールが大きく、包容力があり、どこか乾いている――まるで香水のようにほのかに香り立つ“本場感”こそが彼の音楽の体臭である。
「よく身近な友達から“やっぱ、アメリカンボーイだよね”って言われるんです。例えばディズニーランドで“3時間待っていて”と言われても苦じゃないし(笑)、自由の国で育ったので人は多様性があってしかるべきだと思っているし。そういう性格だから、日本の枠組みに留まりたくないんです。僕は純粋な日本人だけど、それでも世界でこれだけできるんだよってことを欧米やアジアの音楽シーンに提示していきたいです」
おおらかで博愛の心を持ったアメリカンボーイ。なるほど、そう考えると見えてきた。ナイスガイな村上佳佑の歌声は海の向こうの大きな未来を見据えているのだ。
「僕のやりたい音楽はブラウンアイド・ソウルなんですよ。黒人音楽を白人がやるとカントリー的な爽やかさが加わってブルーアイド・ソウルになるじゃないですか。それが一層ライトになって、モチッと粘った日本人なりのソウルミュージックになった感じというか」
彼の発言を捕捉すると、村上の個性はもっと微妙なグラデーションの上にあるものだ。日本風にアレンジされたR&Bをブラウンアイド・ソウルと呼ぶのなら、それをもう少し本国寄りにした感じ。J-R&Bの本筋よりはスケールが大きく、包容力があり、どこか乾いている――まるで香水のようにほのかに香り立つ“本場感”こそが彼の音楽の体臭である。
「よく身近な友達から“やっぱ、アメリカンボーイだよね”って言われるんです。例えばディズニーランドで“3時間待っていて”と言われても苦じゃないし(笑)、自由の国で育ったので人は多様性があってしかるべきだと思っているし。そういう性格だから、日本の枠組みに留まりたくないんです。僕は純粋な日本人だけど、それでも世界でこれだけできるんだよってことを欧米やアジアの音楽シーンに提示していきたいです」
おおらかで博愛の心を持ったアメリカンボーイ。なるほど、そう考えると見えてきた。ナイスガイな村上佳佑の歌声は海の向こうの大きな未来を見据えているのだ。
Text by 清水浩司