フェスや対バンに未来の最推しあり!? あの時矢が刺さったキメの5曲♪

フェスや対バンに未来の最推しあり!? あの時矢が刺さったキメの5曲♪

フェスや対バンに
未来の最推しあり!?
あの時矢が刺さったキメの5曲♪

徐々に元の生活を取り戻しつつある今日この頃ですが、音楽好きにとっても今年は(もちろん対策をしつつ)楽しめる夏がやってきそうな予感♪ 2020年以降、中止や延期・オンライン開催などなかなか苦しい状況だったフェスやイベントが、今年はすでにリアル開催目白押し! 自粛下でいろんな可能性は増えたけれど、やっぱり生に勝るものはないのです。そして、その際はぜひお目当てだけでなく、多くのアーティストの音楽を体感してほしい! 一枚のチケットで出会えるその中には、思いもしなかった出会いがあるかもしれないから。実際、対バンで観たことを機にその後ワンマンライヴに足を運んだ5組の、個人的な実録をご紹介♪
「Descent into madness」収録ミニアルバム『G』/minus(-)
シングル「マイム」/Plastic Tree
「天国の扉」収録アルバム『道郎』/遠藤ミチロウ
「無題」収録アルバム『或いはアナーキー』/BUCK-TICK
シングル「Nocturne」/DIE IN CRIES

「Descent into madness」(’15)
/minus(-)

「Descent into madness」収録ミニアルバム『G』/minus(-)

「Descent into madness」収録ミニアルバム『G』/minus(-)

藤井麻輝と森岡 賢で2014年に結成されたエレクトリックミュージック・ユニットminus(-)。異彩を放っていたあの元SOFT BALLETのふたりが観れるのか…!と、興味津々で参戦したのが2015年“史上最狂のロックフェス”と題して開催されたLUNA SEA主宰の『LUNATIC FEST.』。2デイズ開催2日目の中盤手前で登場した彼らが1曲目に演奏したのが、当時は「444」と紹介されていた「Descent into madness」。オープニングで会場中が一斉に手拍子を始めた光景や、楽しむために生まれてきたような、体を揺らすことがセットのようなこの曲の、アッパーかつ身を委ねる心地よさとともに、なぜかものすごく懐かしさに包まれているような感覚がして“ここは天国か…?”と思ったことを鮮明に思い出す。もちろん、一度見てみたかった森岡のダンスが見れたことも嬉しかったけれど、またあの音に埋もれたくてこの後数回ワンマンに参戦。残念ながらこのフェスの翌年に森岡が亡くなり、藤井がソロユニットとして継続していた活動も2021年9月で終了したが、トリップするようなあの感覚を味わえたことは貴重で楽しい経験でした。普段エレクトリック系は聴かない人たちにもぜひおすすめしたいナンバー。

「マイム」(’14)/Plastic Tree

シングル「マイム」/Plastic Tree

シングル「マイム」/Plastic Tree

何気に来年2023年で結成30周年を迎えるという長寿バンドのPlastic Tree。彼らに関してはもともと曲は好きだったし、仕事で一度ライヴにお邪魔したことはあったものの、改めてプラの楽曲センスを再発見したのが2016年に開催された“日本最大・10万人規模のヴィジュアル系音楽フェス”YOSHIKI主宰の『VISUAL JAPAN SUMMIT 2016』。3日間に渡って実に総勢55組のアーティストが出演。長丁場のフェスに参加したことがあれば分かると思うが、いくら1組でも多く観たい!と思ったところで、どこかで休憩タイムは必要。本来タイムスケジュール的に食事に出ようとしていたタイミングでPlastic Treeが登場。1曲だけ…と思っていたのに、釘付けになり最後まで観たことでそのまま5時間抜けられなくなるハメに(泣)。久しぶりに観た彼らは、独自の音楽性やスタイルが確立されていて、どこにも属さないようなその在り方が素敵だなと。その時初めて聴いた「マイム」は、キャッチーなギターのリフとサビのポップなメロディのループが耳に残って、他の知らない曲も聴いてみたいと思い、ちゃんとCDで予習した上で翌年ライヴに参加。再認識にもフェスはおすすめであります♪ 

「天国の扉」(’97)/遠藤ミチロウ

「天国の扉」収録アルバム『道郎』/遠藤ミチロウ

「天国の扉」収録アルバム『道郎』/遠藤ミチロウ

現在ではこんな記事を書くほど、対バンのあるイベントやフェスに対して発掘の楽しさを感じているものの、以前は好きなアーティストの出番に間に合うように出向き、終われば帰るタイプだった(苦笑)。そんな私が初めて自分の意思とは関係なく観たのが、アルバムに参加したミュージシャン仲間を集めて、男闘呼組が1992年にクラブチッタ川崎にてフェス形式で開催したライヴ。その中で一番異質だったのが、伝説のパンクバンド“スターリン”(この当時は“ザ”が付かない)の遠藤ミチロウだ。その年に周った彼らのツアーにも数公演同行しており、その度に披露していたのがボブ・ディランの名曲「Knockin' on Heaven's Door」のカバーで「天国の扉」。オリジナルの日本語詞で、これがまた“ピー”な言葉や生々しい表現がふんだんに使われているものだから、その度に“サーーッ”と音がするくらい会場が困惑して引いていくのを感じてハラハラドキドキ(苦笑)。しかもこの曲10分もある!(笑) ただ、個人的にはすごく新鮮な刺激で、この後すぐソロとバンドの両方に足を運び、結果的にスターリンの最後となったライヴも観たことになる。そして、忘れちゃいけないのが、オナニーマシーンのイノマーとの縁をつないでくれたのも“遠藤ミチロウが好き”という共通点だった。3人で会えたあの日のことは永遠に宝物です。ふたりとも天国の扉の向こう側で、一緒に歌ってるかなー。

「無題」(’14)/BUCK-TICK

「無題」収録アルバム『或いはアナーキー』/BUCK-TICK

「無題」収録アルバム『或いはアナーキー』/BUCK-TICK

正直、初めてライヴを観て一番ショーゲキを受けたのがBUCK-TICKだ。当然存在を知らないはずはなく、むしろデビュー当時にテレビで観て“この人たちなんか綺麗でコワい”という変な理由で、軽く目を背けていた記憶がある。いま思い起こしてみると、おそらく初めて目にしたヴィジュアル系だったんじゃないかな(苦笑)。minus(-)同様、2015年『LUNATIC FEST.』で初見参! ひとつ前に出演したD'ERLANGERを楽しみしすぎて、グロッキーになっていたところに始まった「独壇場Beauty-R.I.P.-」にまず動揺。なにコレ!? そして、次もその次も曲数を重ねるごとに“コレがBUCK-TICK!?”と、何十年も知っていながらライヴどころかデビュー曲しか知らないというある種奇跡的な状況に“私は何をやってたんだ!”と後悔の嵐。中でも「無題」の妖しさは圧巻で、暗い海の底を漂うような音の渦とあの世界感は、BUCK-TICKでしか味わうことはできない感覚なのだろうなと思い、そこからアリーナクラス、ライヴハウス、ホール、屋外と、あえて見え方を変えて参戦。どの会場でも映えるところはさすがだが、個人的には客席との絡みというスリリングさが加わるライヴハウスが一番好みだったかな♪ ともかく、あの日あんなに体調が悪い状態でしっかり楽しませてくれたということ自体が、分かりやすく彼らの魅力のバロメーターな気がする。見事なまばゆいステージでした!

「Nocturne」(’93)/DIE IN CRIES

シングル「Nocturne」/DIE IN CRIES

シングル「Nocturne」/DIE IN CRIES

1991年に結成された、Vo.KYO(現D'ERLANGER)、Gu.室姫深(元THE MAD CAPSULE MARKETS)、B.TAKASHI(元THE ACE)、Dr.yukihiro(現L'Arc~en~Ciel)の4人からなるDIE IN CRIES。唯一アーティストモデルのギターを購入し、今でも部屋に飾ってあるバンドだ。それまでまったく知らなかった彼らに出会ったのは、1993年日本武道館で行なわれたBMGビクター(2009年にソニー・ミュージックエンタテインメントに吸収合併)内のロックレーベル“ariola”に所属するアーティストが一堂に会するイベント『ariola MEETING 1993』。トップバッターで登場したDIE IN CRIESの名前がモニターに映し出された瞬間、アリーナ席の歓声が一斉に上がって、すごい人気のある人たちなんだな…というのがまず最初の印象。そして、どの曲もメロディアスで初めてでも楽しめたけれど、一度聴いただけでも耳に残ったのが、ちょうどこの数日後にシングルリリースを控えていた「Nocturne」の《クチビルあわせ眠りたい》という繰り返しのサビと、印象的なギターフレーズ。後日、当時好きだったバンドが活動休止となり、想いのやり場に困った時に思い出したのがDIE IN CRIESとこの曲でした。そこからバンド解散までの2年は短いながらに私の青春で、“音楽=音を楽しむ”ことだと教えてくれたのも彼らでした。そんな出会いができたことに心から感謝! 出会ってくれてありがとう!

TEXT:K子。

K子。 プロフィール:神奈川・湘南育ち。“音楽=音を楽しむ”ことを知り、好きな音楽の仕事がしたい!とOLをやめてオリコン株式会社に9年所属。旅行業界に転職後、副業で旅・エンタメ関連のWEBで執筆するも、音楽への愛が止められず出戻り人に。愛情込めまくりのレビューやライヴレポを得意とし、ライヴシチュエーション(ライヴハウス、ホール、アリーナクラス、野外、フェス、海外)による魅え方の違いにやけに興味を示す、体感型邦楽ロック好き。最近、最愛のバンドが復活してくれそうな気配にドキドキが止まらない。

OKMusic編集部

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