鈴木このみ

鈴木このみ

【鈴木このみ インタビュー】
歌っている時は無敵だと思える
“ULTRA”なアルバムになった

強い人間ではないけど、
歌っている時は無敵だと思える

歌詞についてうかがいながら、アルバム『ULTRA FLASH』のテーマが導き出せればと思うのですが、今日の取材にあたって過去のインタビューを振り返っていましたら、今思うと、今作への示唆的とも受け取れる発言をされておりまして。

えっ、何ですか!?

“24歳、25歳って意外とリアルに年齢を感じ始める。いつまでも“燃やし尽くしてやる!”という燃え方はできない。だからこそ、今の輝き方をしっかりと残さなくちゃいけないし、みんなもそれを見逃さないでほしい”と。そんなことを話されていたんです。

それは「命の灯火」(2021年11月発表のシングル)のインタビューじゃないですか!?

そうです。今回のアルバム収録曲って、今の台詞が当てはまると思いますね。

確かに。私自身、このアルバムを聴いた時、“結構「命の灯火」がキーになったな”と思いました。「命の灯火」があってできたアルバムでもあるとぼんやりと思っていたり。

今後、変わっていくことを自覚しつつ、だからこそ今やれることをやっておかなくちゃいけないと。だから…なのでしょう。歌詞は前向きなフレーズばかりなんですよ。いや、前向きを通り越して、アグレッシブと言ってもいいかもしれない。

今回のアルバムはちょっと攻撃的ですよね(笑)。アルバムって心境が本当に出やすいと思いました。私、この2年半ってカッカカッカしていて…母に電話するたびに“あんた、気ぃつけや!”と言われることが多いくらい(笑)。その理由を考えてみると““何もできない”って言ったら何も始まらないじゃん!”っていう、ちょっと怒っている気持ちもあって。“何も始まらない”のは嫌だという怒りに近い感情もあるし、それを乗り越えて見えた景色に対する幸せとかもすごくあるし、マインド的なものが反映されていると思いました。

この2年半はコロナ禍を抜きには語れないじゃないですか。だからこそ、声高に伝えなきゃいけないものがあると感じたところもあるのでは?

そうですね…音楽を作る時、こんなに環境の変化って大きく反映されるんだと思いつつ、へこんだ気持ちのままへこんだものを作るというのもありだし、そっちのほうが気持ちの整理をつけていけるのかもしれないけど、自分は元気づける人でありたいので。そんなにめちゃくちゃ強い人間ではないですけど、歌っている時は無敵だといつも思えるから、いつまでもそういうふうにありたいっていうところもあり、まさに“ULTRA”なアルバムになりました(笑)。

歌詞は前向きさ、アグレッシブさで占められていることは間違いないんですが、その一方で、刹那であることの自覚がところどころにあって。「メロディックロードムービー」の《いつかは別れが来ると 知りながら》はその象徴でしょうし、M2「ULTRA FLASH」の《心はカメラじゃ映せない/だから今 ちゃんと見てて 僕のことを》もそうでしょう。

はっ! 怖っ(苦笑)。…でも、これは本当にありがたかったと思うんですけど、今、自分が考えているものをチームのみなさんも真っ直ぐに受け取ってくださっていて。それは作家さんもそうで、同じ気持ちで作ってくださった方々ばかりだった感覚があるんですね。なので、レコーディングもそうだし、制作にいろんな人のパワーがめっちゃくちゃ詰まっていると思います。

そうですよね。いろんな作家さんが手がけているにもかかわらず、一本筋が通っているというのは“チーム・鈴木このみ”が強固な証拠でもあるでしょうね。その辺が後押しすることでヴォーカルのテンションにもつながっていったのかも。

そうですね。“シンガーズ・ハイ”みたいな感じで、この3カ月くらいは週1、2回でレコーディングしていたので、マイク前に立つと自然とスイッチがパン!と入るというか、“いつでも歌える!”という状態が出来上がっていたと思います。

その姿勢は頼もしいです。そうした“今この瞬間にしか出せないもの”というのが、そのままアルバムタイトルの“ULTRA FLASH”に重なると考えていいのでしょうね。“今しかない輝き”という。

はい。最初にタイトルを考えた時、“BRIGHT”や“STARS”とか、“輝き”にはいろんな言い方があると思ったんですけど、“FLASH”ってそんなに持続的ではなく、一瞬だけ強くバーン!と光っているイメージが自分の中ではあって、それも今の自分にぴったりで。一瞬のためにずっと歩んできて…例えばステージの一瞬とか、レコーディングの一瞬とか、そこで一番大きな光を放つという感じが自分の中ではいいなと思っていて、すごくいいタイトルになったなって。

取材:帆苅智之

アルバム『ULTRA FLASH』 2022年5月25日発売 株式会社KADOKAWA
    • 【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
    • ZMCZ-15571
    • ¥6,600(税込)
    • 【通常盤】(CD)
    • ZMCZ-15572
    • ¥3,300(税込)

ライヴ情報

『鈴木このみ10th Anniversary LIVE TOUR ~ULTRA HYPER FLASH~』
6/01(水) 大阪・Zepp Osaka Bayside
6/02(木) 愛知・Zepp Nagoya
6/06(月) 東京・Zepp DiverCity (TOKYO)

鈴木このみ プロフィール

スズキコノミ:1996年11月5日生まれ、大阪府出身。11年に『第5回全日本アニソングランプリ』決勝大会でグランプリを獲得し、翌12年に「CHOIR JAIL」で15歳でデ ビュー。TVアニメ『ノーゲーム・ノーライフ』オープニングテーマ 「This game」、TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』オープニングテーマ「Redo」など多くのTVアニメ主題歌を担当。TVアニメ『LOST SONG』では田村ゆかりとW主演声優を務め、オー プニング主題歌「歌えばそこに君がいるから」も歌唱。16年より4年連続でアジアツアーを行なっており、上海、シンセン、香港、台湾、フィリピンにてワンマンライヴを開催。23年3月には4年振りのアジアツアーを台湾、香港、ソウル、上海」にて開催。23年7月の『鈴木このみ Standing Live ~CALL~』『鈴木このみ Standing Live ~RESPONSE』公演ともにソールドアウト! 自身の誕生日である11月5日にはEX THEATER ROPPONGIにて『鈴木このみ Birthday Live 2023 ~CHEERS BURGER~』開催。鈴木このみ オフィシャルHP

「命の灯火」MV

「Missing Promise」MV

「Bursty Greedy Spider」MV

「Realize」MV

「Realize」
from Live 2020 〜Single Collection〜

「命の灯火」Studio live

「DAYS of DASH」 from 鈴木このみ
“Premium Acoustic Live 2021”
at Billboard YOKOHAMA

OKMusic編集部

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