10周年を迎え、新たに踏み出していく
Emerald。そのキャリアを振り返る、
クロニクルインタビュー
結成前夜
僕は陽介さんがやっていたPaperBagLunchboxのファンで、このバンドを組む前から割と仲良くしていたんですけど。彼のソロライブに遊びに行った時に、「『オレンジ』を弾き語りで歌うから智之ベース弾いてよ」ってライブ直前に突然言われて(笑)。僕は大学のサークルで演奏してただけで、人前でベースを弾くのも3年ぶりとかだったんですけど。
その演奏が終わった直後くらいに、磯野とタツさんから電話がかかってきて。そっちも2年ぶりぐらいの連絡だったんですけど、「今からうちきなよ」って終電もないような時間に言われて、タクシーで行ったんです。で、夜通しいろんな音源を聴かされたんですよね。
Emeraldの音楽性にも、通ずる部分だよね。
これなんの時間なんだろう?って思いながら、夜中の1時くらいから明け方5時くらいまで音楽の話しをしたり、大学の頃の話をして。そろそろ始発が動くし帰るかなって雰囲気が出てきたところで、磯野から「藤井バンドやらない?」って言われて。
オーディションだったわけだ(笑)。
それでこのメンツだったらドラムは高木しかいないでしょってことで、大学の後輩である彼に連絡をしました。早朝にも関わらず恐ろしい数の電話を入れて(笑)、寝起きの彼に「バンドをやることになったからよろしく」って言って切ったんですけど。そしたら10分後くらいに、“長い付き合いになりそうですね”っていうメールが返ってきました。
前振りが効いてるよなあ。
学生の頃に同じサークルの藤井さんとフィッシュマンズやゆらゆら帝国のコピーをやっていて、磯野さんやタツさんとも違う音楽サークルではありましたけど、一緒にいろんなことをやっていたんですよね。これも何かの縁だし、面白そうだと思いました。
僕と中村は大学4年の頃から、1、2年ぐらい別のオリジナルバンドをやっていたんです。その時はアシッドジャズやハウスなどのクラブミュージックをバンドアンサンブルでやるようなものをやりたくて。それを当時僕らの仲間内で一番上手い人を集めてやろうって言って始めたんですけど、何一つ上手くいかなかったんですよ。そこで思ったことが、下手でもいいから好きな音楽の合う人が良いっていうことでした。
下手でもいい、という部分が俺だね(笑)。
最初に中村とやってたバンドの失敗が、いまだに活きているのかなって思います。前のバンドの解散の仕方は、「お前のプレーが気に食わねえ」みたいなぶつかり合いにもなったりして、楽器プレイヤーとしての自信も失われた状態だったから。ちゃんと話し合って物事を決められるかどうかとか、もっと人間性にフォーカスしたほうがチームとしての幸福度は高いのかもしれないと思ったんです。
アーティスト
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