【上月せれな インタビュー】
みんながいないと
何もできないことを知った
ソロアイドル・上月せれなのニューシングル「みんなといる世界 / NEW WORLD」は、タイプは違えど、前向きで真っ直ぐな曲が並ぶ両A面シングル。コロナ禍を経て、よりファンがいてくれることのありがたさを知った彼女が、今、届けたい歌とは――。
前向きな言葉が
好きなことに気づいた
新曲「みんなといる世界」はTVアニメ『デュエル・マスターズキング!』のエンディング曲となっていますが、どのように作られたのでしょうか?
この曲の歌詞は作詞家の柿沼雅美さんと共作させていただきました。最初からこのアニメのために書き下ろすというテーマがあったので、すごくスムーズでしたね。アニメのコンセプトや資料などをいただく中で、どんどんイメージが湧いていったんです。
どのようなコンセプトだったのでしょうか?
主人公の切札ジョーくんを中心に、過去の強かったカードやキャラクターも出てきて、時空を超え、みんなで一緒に強くなっていくというもので。すごくワクワクする設定ですよね。そこからイメージを膨らまして“時間”をキーに、現在、過去、未来などの言葉を入れていきました。
歌詞を書く上で気づいたことはありましたか?
私は前向きな言葉が好きなことに気づきました。《キミと一緒に突き進むよ》という言葉に、私の気持ちが顕著に表れているんですが、例えひとりでステージに立っていたとしても“一緒に”と強く思っているんですね。それが歌詞にも出ているように感じました。
ひとりでは何もできないことをしっかり分かっているからこそ、『デュエル・マスターズキング!』の世界観ともうまくリンクしたのかもしれないですね。
そう思います。実は、私自身の性格はすごくネガティブなんです。だからこそ、活動している上でポジティブなものを届けていきたいんですよ。例え私がネガティブになってしまったとしても、みんながヘコまないように“空元気でもいいから、とにかく明るく、元気でありたい!”と思っているんです。
その気持ちが強く表れた歌詞なんですね。
そうですね。実際に作詞をした曲を歌うと、より気持ちが入ってすごく歌いやすかったんです。今後も歌詞は書き続けていきたいと思いました。
この曲は“仲間”についての想いも歌ってますが、コロナ禍があったからこそ、より誰かの近くにいる大切さを感じたのではないでしょうか?
ものすごく感じました。私はライヴを中心に活動しているので、このコロナ禍で無観客ライヴをした時に、これまで大声を出してもらうことや、みんなで飛び跳ねて盛り上がることが当たり前だったので、すごく寂しかったです。みんなと一緒の時間を共有しているけど、どこかひとりに感じてしまったり…。でも、最近はライヴに入れる人数も緩和されてきたので救われました。改めて、みんながいてくれないと何もできないことを実感しましたね。
音楽を届けたい人たちの存在に気づいたんですね。
はい。チェキや写真ひとつで笑顔になって、“元気になったよ”って声をいただくと、より強くみなさんを喜ばせたいと思います。
「みんなといる世界」のMVはどんなものになりましたか?
このMVは久しぶりに全部スタジオで撮影をしたんです。柔らかな雰囲気でいろんな衣装を着て撮影をしたんですが、監督さんが私が頭の中に描いていたイメージをとても繊細に汲み取ってくださって、想像通り…いや、それ以上の世界を作り上げてくれました。
お気に入りの衣装を教えてください。
ライヴ衣装もすごく好きですが、帽子を被っている私服風の衣装がお気に入りです。本当にいろんな姿が楽しめるので注目してください!
撮影はどんなところが大変でしたか?
フレームにあとから撮影した映像が入れられるように、決まった場所に物を移動させなければいけなかったんです。1ミリもずれたらいけないので繊細な作業だったんですが、何度も何度もやってやっとOKをもらえました。本当に一瞬のシーンなんですが、“ここは頑張ったんだな”と思ってもらえたら嬉しいです(笑)。
もともと『デュエル・マスターズ』シリーズのアニメは観ていました?
小学生の頃によく観ていました。とても長いシリーズなので、今も続いていることがすごいですよね。さらに、小学生の頃に観ていたアニメの曲を自分が歌えるってすごいことだなと思ったんです。私には兄と弟がいるんですが、ふたりがカードゲームをしているところを見ていたんですよ。なので、すごく不思議な感覚です。
おふたりには報告しましたか?
言いました! とても喜んでくれて嬉しかったですね。しかも、今回は私を描いていただいたイラストがそのままカードになっているんです!
素敵!
不思議な感じです! しかも、使い勝手の良いカードみたいなんですよ。大会でも使えるので、ぜひデッキに入れて勝ってほしいですね。
あははは。ちなみに作詞を共作ですると、次も作ってみたい曲が出てくるのでは?
実は、今もう新しい曲も作り始めているんです。そこには、さきほど言ったような気持ちがギュッと入っているんです。
何という曲なんですか?
「UNCHAIN」という曲なんですが、12月19日のワンマンライヴのタイトルにもなっているんです。“UNCHAIN”って“鎖を外す、解放される”という意味があるんですよ。このご時世で声が出せなかったり、うまく動き回れなかったりすることが多くて、ファンのみなさんもどこか煮え切らない気持ちがあると思うんです。そういったことから解放されて、生きていれば抱えてしまうストレスなどから元気になってほしいという想いを込めて歌詞を書いたんです。
より光に向かっていくようなポジティブな曲になるんですね。