2021年11月23日 at 渋谷CLUB QUATTRO

2021年11月23日 at 渋谷CLUB QUATTRO

【Muvidat ライヴレポート】
『Muvidat『VOICES IN MY HEAD』
RELEASE PARTY』
2021年11月23日
at 渋谷CLUB QUATTRO

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 SHAKALABBITSのUqui(Vo)とMAH(Dr)によるプロジェクト・Muvidat(ムビダット)が、2ndフルアルバム『VOICES IN MY HEAD』の発売を記念したワンマンライヴを、フラゲ日となる11月23日(火)に東京・渋谷CLUB QUATTROにて行なった。新型コロナウイルスの影響で、Muvidatが有観客ライヴを開催するのは、『Muvidat Fall Tour 2020』以来約1年振り。当日はLINE LIVEでの無料生配信も実施され、述べ4万人もの視聴者が待望のステージを満喫した。

 SEとして「MUVMENT begins」が流れる中、バンドロゴのバックドロップが飾られたステージにUquiとMAHをはじめ、サポートを務める佐々木直也(Gu/空想委員会)、iCas(Gu/ORESKABAND)、大樹(Ba/音の旅crew)、ADD(Sax/ORESKABAND)と計6人のメンバーが登場。Uquiは演奏が始まるといきなりテルミンを豪快に操り、椅子に座っていたオーディエンスをすぐさま立たせて気持ちをほぐしてあげたりとさすがのリードで、ニューアルバムの収録曲「熱帯的シンドローム」を皮切りにライヴがスタートした。MAHのパワフルなビートを中心とする陽のパワーに満ちたアンサンブルと活き活き舞うUquiの歌がのっけから素晴らしく、場内のテンションが瞬く間にググッと高まる。

 ハードロック調のギターサウンドとADDのサックスが威勢よく唸る「月」に続けて、SHAKALABBITS(以下、シャカラビ)のナンバー「Roller Coaster」「SADISTIC AURORA SHOW」も序盤から飛び出し、久々のライヴということですでに大盛り上がりの観客! シャカラビの楽曲はより分厚くヘヴィなアレンジに変貌していたりと、現在の編成ならではの質感で聴かせてくれるのがいい。ワクワクのあまり、踊らずにはいられないファンの姿も確認できた。

“途轍もなく久々のライヴで初っ端から立て立てと荒ぶるアクションをしてしまいましたが、もし気分とか悪くなっちゃったらどうぞ座って耳をすませてください。いつもみたいな密とは違うけれど、すごく汗はかくと思うので。その汗と一緒にこれまで私たちと会えなかったぶんのモヤッとした想いを全部クアトロに置いていって、いい明日につなげてくれたら嬉しいです。今日はMuvidatの誕生日、結成3周年! そして、2ndフルアルバム『VOICES IN MY HEAD』が明日リリースされます。ほとんどの人がまだ聴いてないし、知ってる知らないは関係なく楽しみましょう!”

 Uquiがそう挨拶したあとは“まだまだ踊れますか?”と大樹が煽り、iCasの弾くカッティングに胸躍るスカチューン「WIRE」へ。ADDのサックス&佐々木のギターソロはさらに存在感を増し、フロアーからも熱いハンドクラップが湧き起こる。ライヴの軸を担うのはあくまで絶対的なポジティビティーを放つUquiのヴォーカルとシャープでメリハリの効いたMAHのドラムなのだけれど、Muvidatはバンド全体の雰囲気が本当にいい。各自がとてもいい表情でオープンに音を出していたり、お互いのプレイを尊重し合っていたり、曲を真っ直ぐに愛していたり。そのオーラはサポートメンバーという感じではなく、全員がすこぶる楽しく躍動することによって最高のグルーブが生まれているのだ。

 『VOICES IN MY HEAD』の中でもひと際カラフルな響きの「La-tata-rula」では、ADDがパッドを使ってパーカッション役も担う。「シャッフルしたら丁度の曲」になれば、佐々木がトランペットの音色もギターでフォロー。「SMILINFWIIIIIIIIIG0TMUZIK」にはディープなレゲエのノリを大胆に加え、そのふたりが今度はソロバトルを繰り広げたりと、アクロバティックに展開するアンサンブルが観モノで、Muvidatが自由に音楽を楽しむプロジェクトであることが十二分に伝わってきた。

“まいったな。楽しくて時が経つのが早いね(笑)。この感じ、久しぶりです。コロナ禍はアルバムを集中して作っていて引きこもって生きてたら、“歌うってどういうことなんだっけ?”と分からなくなったりもして。脳内ではたくさん歌を歌えるんだけど、ステージに立って歌うのとは明らかに違うんで。やっぱりみんなが目の前にいて、声は発せなくてもワーッとなってるのは、すごく伝わってくるものがある。みんなで思い出していこう、これがライヴだよ!”というUquiの言葉からも充実ぶりがうかがえる。

 フロアーにヘドバンが続出したシャカラビの「NACHO ROLL」、グランジっぽい熱量も孕んだ「トーキョーメイズ」、歓喜のリアクションが多かったシャカラビの代表曲「Ladybug」と、その後もいいムードでライヴは進む。佐々木がアコギを弾いた「聞こえる」では、心地良いメロディーとハーモニーが辺りを満たし、手を左右に振って楽しむオーディエンス。11月3日に先行配信された「ポラリス」も届けられ、原曲にはないUquiのハーモニカが新鮮に映り、こういうシンプルな曲調でこそMAHの凛々しいドラムは印象的に響く。また、演奏後についついグッときてしまっていたメンバーから再び関係性の良さがじんわり見えたりして、もはや好感しかない。

 次のMCでは、アルバム『VOICES IN MY HEAD』の好きな曲を発表し合う時間も。大樹は“ギターのメロディーとかが全部残るんですよね。道を歩いててもパッと飛んでくる感じで”と「トーキョーメイズ」を、佐々木は“曲ってライヴでやって完成していくじゃないですか。さっき、お客さんがいるこの景色を受けてめっちゃ好きになりました”と「ポラリス」を、iCasは“演奏していて超楽しいし、あんなに速くて騒がしいのにメロディーが美しくてスッと聴ける”と「Killer H.」を、ADDは“MAHさんと電話しながらホーンアレンジを作ったのがすごく楽しかった”と「シャッフルしたら丁度の曲」(Uqui曰く、シャッフル再生した際に偶然かかった気分とぴったりハマる曲のこと)を、理由を踏まえつつ挙げた。4人の声を受けて“じゃあ、私たちはそれ以外の曲が好き!”と笑うUqui。MAHも“俺らはみんなと一緒にやれりゃあいいんだよ”と愛情を込めて返す。

“やっぱり、みんなの歌声が早く聴きたい。ずっと言ってますけど、みんなの歌声が世界一カッコ良いんですよ。すごく愛があるので。だからこそ、今は私たちが溜まった気持ちを放っていきたい。みんなの出せない歌声をめちゃくちゃ感じとりながら、想像しながら演奏したいと思います”と前置きした「VOICES IN MY HEAD」。オーディエンスひとりひとりの目を見つめて、《悲しみのない世界はないって知ってるんだ だから皆 歌い叫ぶのでしょう》とコロナ禍で歌うことの意味をアツく歌い上げたアルバム表題曲は、この日の忘れられないハイライトとなった。

 ライヴ後半は、間奏で各パートのソロ回しも決まったシャカラビの「Jammin'」やiCasがお気に入りと答えたドカシャカ駆け抜ける「Killer H.」(行きつけのファミレスが潰れてしまったことがモチーフだそう)など、やさしくて生命力にあふれた、不安や悩みを吹き飛ばしてくれるナンバーを畳みかけ、盛り上がりはピークに! その温かみの集大成となったのは「Fog Lights」。ミラーボールが夢心地で煌めく中で《そばにいる》というメッセージを真っ直ぐ歌い、本編がドラマチックに締められた。

 アンコールにも応え、最後まで和気あいあいとハッピーなライヴをやりきったMuvidat。2022年2月14日のUquiの誕生日には、恒例のアコースティック公演『Hallelujah Circus Acoustic Show』の開催が東京・青山 月見ル君想フで予定されている。本公演のメンバーとともに行なうそうなので、ニューアルバム『VOICES IN MY HEAD』と合わせてこちらもチェックしておきたい。

撮影:Naoki Kimura(tweety)/取材:田山雄士


セットリスト

  1. 1.熱帯的シンドローム
  2. 2.月
  3. 3.Roller Coaster
  4. 4.SADISTIC AURORA SHOW
  5. 5.WIRE
  6. 6.La-tata-rula
  7. 7.シャッフルしたら丁度の曲
  8. 8.SMILINFWIIIIIIIIIG0TMUZIK
  9. 9.NACHO ROLL
  10. 10.トーキョーメイズ
  11. 11.Ladybug
  12. 12.聞こえる
  13. 13.ポラリス
  14. 14.VOICES IN MY HEAD
  15. 15.Jammin'
  16. 16.DiL0 DiL0 -Theme of Kirqué Airlines-
  17. 17.Killer H.
  18. 18.Fog Lights
  19. <ENCORE>
  20. 1. BIRTHDAY
  21. 2.都会の猫たち
  22. 3.Muvidat

OKMusic編集部

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