L→R Mona、Hina

L→R Mona、Hina

【Kitri インタビュー】
“表では見えないところがある”
というテーマは
迷わず決めていた

シングル「ヒカレイノチ」はカップリングの「シンパシー」を含め、TVアニメ『古見さんは、コミュ症です。』のエンディングテーマとしての書き下ろし。ピアノ連弾ユニットという軸は大事にしながら、華やかさやミステリアスな雰囲気など、さまざまな色を“Kitriらしさ”に取り込んできた彼女たちが、今作でまた新たな表情を見せる。

季節問わず、普遍性を持った曲

今作の収録曲は『古見さんは、コミュ症です。』のエンディングテーマということで、まずは原作を読まれたそうですね。

Mona
はい。原作漫画を全巻揃えて、まずはその作品に浸る日々でした。私も共感するところがたくさんあって、例えば主人公の古見硝子さんは人づき合いがすごく苦手だけど、仲良くなりたい気持ちは持っているんです。周りの人には古見さんの魅力が伝わっているのに、彼女自身は勇気が出ずにただただ臆病になってしまうという、いろいろ思い込みをしちゃう部分が自分と重なりました。
Hina
登場人物の性格はさまざまで、緊張をして人に話しかけられないとか、逆に自分に自信がある人もいるけど、みんな何かを“頑張りたい”という気持ちで日々を過ごしているのが印象的でした。曲を作るまでに“私もこの中の一員になったらどんなポジションなんだろう?”って考えたり。
Mona
アニメの主題歌は初めてなので“自分はこういう曲がいいんじゃないか?”と思ったものと、Hinaが思うものと、他のスタッフさんが想像するものを擦り合わせるために、古見さんをイメージしながらまずは10曲作ってみたんです。歌詞のテーマが友達にフィーチャーしていたり、春夏秋冬の移り変わりを描いたものやバラードもありましたね。その流れでHinaと“季節問わず普遍性を持った曲を作りたいね”と話していたので、「ヒカレイノチ」はどの時期に聴いても共感できる部分があると思います。

第1話の放送時限定でエンディングに流れた「シンパシー」と、2話以降から流れている「ヒカレイノチ」の2曲が収録されていますが、予め2曲を書き下ろすことは決まっていたんですか?

Mona
最初は一曲のみで、あとから第1話限定のエンディングテーマも書き下ろすことが決まったのですが、1話だけのために書かせてもらえるなんて特別なことで、ひとつのアニメを通して2曲もお届けできるのは嬉しかったです。どちらも熱意を持って制作しました。「ヒカレイノチ」は『古見さんは、コミュ症です。』の全体的なイメージで作っているのに対して、「シンパシー」は漫画の第1巻をさらに読み込んで、登場人物の古見さんと只野仁人くんの出会いのシーンをイメージしながら、Kitriの世界観にも置き換えられるように表現しました。

「シンパシー」はピアノ連弾とおふたりのハーモニーというスタンダードなKitriらしさが土台にあって、第1話に焦点を絞っているからこそ緊張感や不安気な感じなど、揺れ動く気持ちがイントロのリズムからも伝わってきます。

Mona
いろんな楽器が入っている「ヒカレイノチ」とはある意味対照的な感じにしたいと思って、「シンパシー」ではピアノ連弾を前面に出して、声にも集中してもらえるように作りました。“これからどうなっていくんだろう?”という期待感と、まだ学校や友達に慣れていない不安が入り混じった、マイナー調のような…でも、明るい感じもあって、掴みどころのない音を表現できたんじゃないかと思います。
Hina
ピアノと歌声でインパクトを出した今までのKitriらしさもあるんですけど、テンポが速くて疾走感があるので、演奏していて新鮮味がありました。アニメの1話以降がどんな物語になっていくのか、ワクワクする感じも込めています。歌詞は1番をMonaが書いて、それを受けて私が2番を書いているんですけど、気になったところはこまめに話し合いながら作りました。

歌詞は相手の様子をうかがっている1番と、もう一歩踏み込んで向き合おうとする2番で心情の変化が描かれていますが、そこの運びも滑らかです。サビの《ああ 勘違いだっていいのいいの》《今日は 特別なことがきっときっと》という部分は特にメロディーも相まってキャッチーに感じます。

Mona
そうですね。サビが印象に残るといいなと思って、今までのKitriになかった言葉遣いや、サビとAメロに抑揚をつけて工夫しました。

タイトルはどんな理由で“シンパシー”に決めたんですか?

Mona
原作を読みながら“Kitriとしても表現してみたいことは何か?”と考えていろんな単語を挙げた中に“シンパシー”があったんです。古見さんと只野くんの関係性にも合うかもと思って決めました。
L→R Mona、Hina
シングル「ヒカレイノチ」

OKMusic編集部

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