【Keisandeath インタビュー】
今までよりも使命感を持って
活動をするようになった
自分が歌う音域も
今作でかなり広がった
Keiさんの楽曲は「Sweets Metal」のようなユーモアをきかせた曲も定番ですよね。「NikuKyu」(2019年3月発表アルバム『NikuKyu』収録)以来の、大真面目だけどふざけているようなニュアンスの曲というか。
はい(笑)。YouTubeに半分くらいの尺でアップしてたので、今作に収録するにあたって完成させました。今回も参加していただいているアレンジャーの長野典二さんに“Keisandeathはふざけてないとダメだよ”と言われたりして、これも自分のスタイルになってきたのかなと。Slipknotのジョーイ・ジョーディソンを思って、ドラムフレーズをちょっとオマージュして入れるのも隠れたポイントです。
あと、Keiさんらしさとして欠かせないのは和風な曲ですよね。「月夜白露」は和歌をイメージして作ったそうですが。
源氏物語の光源を生んだ母・桐壺更衣を思って書きました。歌詞は今までにない感じというか、古文のようになっているのは初めての挑戦です。
そして、「誠に至る」は日本の武士であり教育者の吉田松陰を思って作った曲と。これはどうしてこんなテーマが浮かんだんですか?
松陰塾という学習塾を知ったのがきっかけで、3年前くらいから吉田松陰のことが書かれた本を読むようになり、調べているうちに曲にしたくなったんです。自分が教育するだけでなく、その人がまた他の人に教育ができるように教えるという姿勢に感銘を受けて、どんな人なのかと夢中になりました。29歳で刑死した時も“全てを弟子に教えて種を蒔いたから”と心穏やかだったそうで、その時の家族のエピソードも読んだりして。この曲の出だしの《浅き夢に出たるは 帰る朗らかな君よ》という歌詞は、松陰の母の想いなんですけど、亡くなった時にお母さんの夢に松陰が出てきたそうで、すごく元気な姿だったから悲しい気持ちにならなかったというお話があったんです。テーマを決めて曲を書いていたわけではないけど、そこが印象的だったのでこの曲も母がキーになっています。
リメイクした「秋紅葉りんご」も母と子の物語とおっしゃっていましたね。
はい。この曲は篠笛が入っていて和テイストなところはKeisandeathっぽく、でもかなりポップな仕上がりになっているのはちょっと珍しいと思います。リメイク前の音源で、私の母に“ここが気に入らない!”と言われたことを思い出して変えてみた部分もあって(笑)。どうして母という存在に感情移入するのかは分からないけど、私自身にとっても母の存在は大きいです。
これからも母の想いを歌った曲は増えていきそうですね。最後に今作が完成してみての心境はいかがですか?
まずは「Mother Earth」をライヴでやるのが楽しみです。今までにない華やかさが出るステージになると思います。自分が歌う音域も今作でかなり広がっていて、自分的には「Mother Earth」が高すぎると思ってたんですけど、長野さんに“のびのびとしていて歌いやすそうに聴こえる”と言っていただいたので、少し自信にもなりました。自分の意識が変わっている感覚はあるし、一年に一枚はCDを出すようにしていて、今回で7枚目なので、これからもっと多くの人に聴いてもらえるように頑張っていきます。感染対策もしっかりして、秋ごろにワンマンライヴもしたいです。本当は全国ツアーも海外ツアーもしたいけど、現状タイミングを見計らっている状況なので、このアルバムを聴いて気持ちを高めてもらえたら嬉しいです。
取材:千々和香苗
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アルバム『Mother Earth』2021年9月30日発売
ZUKKA RECORDS
- 【初回限定盤】(CD+DVD)
- KSDZK0009
- ¥4,400(税込)
- 【通常盤】(CD)
- KSDZK0010
- ¥2,800(税込)
ケイサンデス:秋田県出身のメタル系シンガーソングライター。3歳の時からピアノを始め、11歳からX JAPANのhideに憧れてギターを始める。13歳でバンドを始めたことがきっかけで作曲をしてみたところ、意外とできてしまったのでそれから作曲も開始。2017年に1stアルバム『THE FIRST』でインディーズデビュー。Keisandeath オフィシャルHP
アルバム『Mother Earth』
Keiコメント入りトレーラー