FEATURE | Mom / 祝日 アンビバレン
トな感情、ニュートラルな物語。最新
作から読み解く、音楽家・Momの現在
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Apple新CM「Macの向こうから — 日本でつくる」に前作『21st Century Cultboi Ride a Sk8board』収録の「あかるいみらい」が起用され、ストリーミング・チャートを賑わしているMomがニュー・シングル「祝日」を4月14日(水)にリリースした。
2ndヴァースの<団地の落書きが/文明の外へと僕を連れ出した>というラインには、在りし日に自分を変えたであろうロック、ヒップホップ(もしくは音楽や芸術そのものかもしれない)のおかげで、新たな景色が見えたこと。しかし、<土地も人も木々も活字も溶け合って/甚くとんでもない発見をした気になるけど>と前置きをしながらも、<結局テレビも好きだし/無機質の繋がりも悪くない>と一周したかのような感覚。そして<知性のかたちも流動するものさ>と吐き捨てる。達観というか、諦念。そんなイメージを抱いてしまう。
「自分の暮らしを満遍なく覆っている秩序の存在にはたと気づいてしまって、いわく言いがたい不安感を覚えつつもそのさまにどこか安堵してしまっているようなイメージの歌です。特別ではない、あくまでニュートラルな物語を意識して“祝日”と冠しました」。どこか切ないムードを感じずにはいられないが、これがMomにとっての“ニュートラル”なのだろう。<クラスメイトみたいに話を逸らし続ける祝日>という詩的なラインは、リリシストとしての洗練を感じずにはいられない。
秩序も、そこから突き抜けたいと思って歌うエネルギーも、全部抱きしめて疾走するぞ。ここからまたよろしく。
祝日https://t.co/ArI6MXMrdM pic.twitter.com/k5lzDBbhfz
— Mom(マム) (@karibe_mom) April 13, 2021
Mom 『祝日』
Label:Victor Entertainment
Tracklist:
1. 祝日
Music & Lyrics:Mom
■ Mom オフィシャル・サイト(https://www.mom-official.jp)
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