L→R  Shota Kanbayashi(Dr)、Jun Yokoe(Ba&Synth)、coHzy(Gu)、Sho Asakawa(Vo)

L→R  Shota Kanbayashi(Dr)、Jun Yokoe(Ba&Synth)、coHzy(Gu)、Sho Asakawa(Vo)

【PLASTICZOOMS インタビュー】
ポップを交えたロック、
ニューウェイヴで
世界中に行くというのが目標です

間口を広くするっていうのが
僕たちの役目なのかなと

PLASTICZOOMSのサウンド面に関しては、80年代のニューウェイヴから吸収しているものがやはり大きいですか? 例えば、Depeche Modeは間違いなく好きですよね?

Sho
大好きです。ニューウェイヴのカッコ良い部分って、ファッション含めた空気感、シンセサイザー、ベース、癖のあるヴォーカルだと思っていて、そのスタイルはきっちり踏まえながら、80's以外の影響受けてきた文化を軸にしてやっています。“ポップなんだけどエッジーだし、ちゃんとコアな部分もありつつ”っていうところですかね。間口を広くするっていうのが、僕たちの役目なのかなとも思うので。僕がニューウェイヴにハマるきっかけになったNew Order、シンディ・ローパー、a-haみたいに“ポップで、メロディアスで、エモくなるようなメロディーをちゃんと乗せる”っていうやり方だよね?
Jun
そうだね。
Sho
僕らのやり方はそこに定まりました。

今回のアルバムもそういう作品になっていますね。かなり早い段階から制作が始まっていたと聞いています。

Sho
そうですね。4年くらい前に曲を書き始めて、2曲目の「Amorphic」ができたんです。最初に暗い曲ができたんで“暗いアルバムになるのかもしれない”と思っていたら、僕の気の上昇につれてどんどん明るくなっていったんですよ。コロナ禍が始まってからリリースすることを決めたから、“気の上昇”っていいコンセプトだなと思いました。“みんな落ち込んでいるから、持ち上げよう”というメッセージもあったので、曲の配置を練り直して、足りないピースも作って揃った12曲が、このアルバムです。

ダークなムードから始まって、後半に差しかかった辺りから光にあふれていく構成になっていますね。

Sho
はい。真っ暗闇から太陽まで上昇するっていうようなコンセプトは、セカンド・サマー・オブ・ラブのシーンがイメージだったりもするんです。The Stone Roses、Primal Screamなどなど。Creation Recordsのアラン・マッギーが考えていたこととか、僕らのバックボーンにあるマルコム・マクラーレン、ヴィヴィアン・ウエストウッドが作り上げた70’sパンクのシーン、思想をミックスさせて、日本に今いる人間としてサウンドを鳴らしたいと思っていました。だから、ミックスエンジニアも日本人にして、マスタリングも日本人。僕らがたくさん音楽を聴いてきた耳で判断して、“お任せしたい”っていう人にお願いしました。RECとミックス込みで2年くらいかかりましたね。

聴き終えた時、ものすごく清々しい余韻が広がる作品です。

Sho
クラブに夜の11時くらいに着いて、朝の5時を迎えるまでの気の流れが裏テーマです。僕、何かを吹っ切って自分に向き合いたいからクラブに行くことが多くて。一晩過ごして朝5時に外に出ると、めちゃくちゃ清々しいんですよね。“なんであんなこと考えてたんだろう?”って吹っ切れて、スッキリした気持ちで真っ直ぐ帰ります(笑)。そういう気の上昇も、この作品で表現できたと思います。

“自分の感覚的なものとか、心の声をもっと信じていいのでは?”というようなメッセージも、いろんな曲から感じたんですけど。

Sho
嬉しいです。“自分自身”って普通に生きていたら見つめる機会が少ないんですよね。でも、自分に向き合うっていうのは、自分を愛してあげることだと思うんです。そして、自分のことを愛せないと他人のことも愛せない。そういう僕が思っている本質的なところが見え隠れする歌詞にはしていますね。

全体の構成に関しては6曲目の「Fall Down」までは沈み込んでいって、それ以降の「Signs」辺りから蘇っていくようなイメージですね。

Sho
はい。「Fall Down」は一番沈んで、まったく生きる気力がなくなる寸前くらいの時に作っていましたからね。この曲の隣にある「Push n Drive」はどん底から這い上がるところでやっと見えた光で、その光を頼りにしている感覚です。実際、この曲を作っている時、Junくんにめちゃくちゃ迷惑をかけたんですけど。
Jun
あんなShoくん初めてだった(笑)。
Sho
落ち込んじゃって。「Push n Drive」のリフは先にできていたので理想は見えてたいたんですけど、このリフに自分がついていけていない気がしちゃって。いいメロディーをつける使命感に襲われて、プレッシャーがすごかったんです。“100年後に僕らがいない世界で聴いたとしてもいい曲だ”という感覚を初めて手に入れたんですけど、“自分にプロデュースする能力があるのか?”っていうところで戦っちゃって。あの時、何駅分歩いた?
Jun
分かんない。夜中だったよね。
Sho
夜中に泣きながら(笑)。あんなのは子供の時以来です。やさぐれまくって、コンビニで一息つきながらOasisを聴きました。いい曲がいっぱいあるのは知っているし、大好きな曲もあるんですけど、僕はOasisがとりわけ好きってほどではなくて。でも、あの時は聴きながらやられちゃいましたね。彼らは田舎から出てきているし、自分と重ねちゃったんですよ。“しんどいことを抱えているやつが作るメロディーって何かあるな。じゃあ、自分もできるかも”って思って、家に帰ってからその晩のうちにあのサビが出てきました。

この曲、MVもいいですね。

Sho
ありがとうございます。自分でプロデュースしようと思って編集も自分でやりました。“自由が今の世の中に少なすぎるな”と思って、すごいハッピーマインドで撮影に臨んで自由を表現しました。
Jun
もともとバンドのコンセプトに“DIY精神”っていうのがあるんです。“これができないけど、だったらこの道でいけるんじゃないの?”っていう道筋のアイディアをShoくんがいつもくれるんですよ。「Push n Drive」のMVもそうでしたね。
Sho
やっぱり、自分でいろんなことができる技術を身に着けていったほうがいいと思っています。バンドのカラーって自分たちが一番分かっていないといけないし、誰かに操られるものではないですからね。誰かにかかわってもらうためには自分の価値観を伝えないといけないけど、それはものすごい労力と時間が必要だから自分でできたほうが楽なんです。そうやって作ったものに感化された誰かが自分たちの輪に入ってくれるのがいいなと。そういうのを経て、みんなでプロモーション、バンドのブランディングができるコミュニティを作りたいです。こうやっていろんなことを自分たちで手がけることが、そのための一歩につながればいいなぁって思っています。

OKMusic編集部

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