大平峻也、「この先も変わらない想い
をちゃんと持っておきたい」愛してや
まない音楽を通して見えたもの

2.5次元ミュージカルの人気シリーズ「刀剣乱舞」今剣役などで人気の俳優・大平峻也。昨年末のメジャーデビューの余韻が残る中、新曲「FIRE BIRD」がTVアニメ『灼熱カバディ』の主題歌に抜擢され、さらには超豪華メンバーを引き連れての1stライブ・東名阪ツアーの決定と、まさに怒涛の展開を見せる大平に、アーティストとしてのデビューを経た現在の心境と、そして目前に控える1stライブ・東名阪ツアーへの想いを訊いた。
――歌に対しての真っ直ぐな想いと、さまざまな役柄を演じてきた大平さんだからこその多彩な表現力に心動かされる1st EP『はじまりの詩』でアーティストデビューを飾ってから、約2か月。たくさんの方に自分の歌、想いが届いていること、実感できていますか?
EPをリリースしてみたら、自分が思っていた以上にたくさんの反響があり、大平峻也の歌手活動に対してたくさんの方から期待をかけていただけていることを知りまして。自分が描く理想のアーティスト像や、応援して支えてくださる方たちの熱量に追いついていきたいし、そのためにも歌唱力をもっと上げて、ノドのケアもちゃんとして、しっかり地に足をつけてよりいっそう頑張らなければ、と思っています。
――その言葉に、生真面目さや責任感の強さがにじみますね。
僕はもともと、映像俳優になりたくて13歳で芸能の世界に入ったんですけど、映像作品の場合、その場で観客の反応を感じることってできないじゃないですか。でも、16歳で舞台(ミュージカル『テニスの王子様』)に立ってみたら、その場でお客様からの反応が得られるという喜びを知って。たぶん、そのことがきっかけで、周りの人の意見を取り入れたり、ちゃんと自分に向き合ったりしながら、責任を持ってお仕事をしなきゃいけない、って考えられるようになったんです。念願だった音楽活動にしても、それは忘れちゃいけないな、と思います。
――音楽活動への熱量の高さ、ひしひし感じます。そんな大平さんの歌う「FIRE BIRD」が、なんと4月から放送開始のアニメ『灼熱カバティ』のオープニングテーマに決まりました。
1st EP『はじまりの詩』に収録の「願い星」が『ひるおび!』の12月度エンディングテーマに決まったときもそうだったんですけど、『灼熱カバティ』のオープニングテーマを歌わせていただくことが決まって、2月8日という自分にとってひとつの節目である誕生日の翌日に告知ができたときはもう、舞い上がってしまいました(笑)。さまざまな舞台、2.5次元作品で僕を知って応援してくださっている方たちに、「うちの大平に大きなタイアップが決まったんだよ」って自慢してもらえることも、すごく嬉しいんです。
――より多くの方にアーティストとしての大平さんを知っていただく、いい機会でもありますよね。ちなみに、16巻まで発売され、“今一番熱いスポーツ漫画”と話題の『灼熱カバティ』を、大平さんはご存知でしたか?
もともとは知らなかったんですけど、オープニングテーマを歌わせていただくにあたり全巻読ませていただいたら、すごく素敵な作品に巡り会えた、と思いました。僕的には、今一番2.5次元で舞台化してほしい作品です。カバティというスポーツを通して、友情や熱さだけでなく、登場人物たちのさまざまなコンプレックスや、消化しきれない努力が描かれていて。自分を重ねたりもしつつ、前向きになれるんですよ。
――中でも、大平さんが心惹かれるキャラクターは?
カバティ部の部長・王城正人ですね。カバティ選手としては小柄で華奢な体格ながら、相手の力を用いて姿勢を崩す“カウンター”という技を使いこなす人なんですよ。僕自身、あまり身長が高いほうではなくて、学生時代に所属していたソフトテニス部では、体格のいい人のショットに比べると力では劣ったし、じゃあどうやったら自分の弱点をカバーしていけるのかを考えていたから、共感してしまうというか。努力して確固たるポジションを築いていく王城の姿に、勇気をもらえたりもするんです。王城はもちろん、カバティに打ち込んで困難な壁に立ち向かっていく登場人物たちは、アーティスト活動を始めたばかりの自分に、刺激も与えてくれています。
――そう思える作品のオープニングテーマを担当できるって、感無量ですね。
そうなんですよ! アーティスト活動を始めたばかりだというのに、本当にありがたいことだな、と思います。オープニングテーマはその作品の“顔”にもなるわけで、プレッシャーも感じてはいるんですけど……天月-あまつき-さんを筆頭にたくさんの方々に導いていただきつつ、まず僕が『灼熱カバティ』の熱量やメッセージを伝えなきゃいけないぞ、と身の引き締まる想いで制作に臨みました。
大平峻也
――大平さんの決意、歌からしっかりと感じ取れます。作曲、作詞ともに宮田'レフティ’ リョウさんと天月-あまつき-さんという最強タッグが生み出した「FIRE BIRD」ですが、『はじまりの詩』収録の「願い星」の作詞・作曲を天月-あまつき-さんが手がけたご縁から、「FIRE BIRD」につながったのでしょうか。
そうですね。“歌ってみた”で天月-あまつき-さんの歌をずっと聴いてきた僕としては、『はじまりの詩』で「願い星」を提供していただけたことも夢みたいな話だったんですけど、再びお願いすることができまして。宮田'レフティ’ リョウさん、そして天月-あまつき-さんだからこそ、僕にとって初めてとなるアニメのオープニングテーマを安心してお任せできました。
――「FIRE BIRD」は、オープニングテーマに相応しいキャッチーさもありながら、ヘヴィでグルーヴィーでアグレッシブなナンバー。楽曲を聴いたとき、大平さんはどんな印象を抱きましたか?
競技中の集中状態、アドレナリンがぶわっと出る瞬間や、アドレナリンがきれかけてヘトヘトになっている様子が、まずリアルに思い浮かんで。最初に聴いたときは、接戦で盛り上がるスポーツを観戦しているような気持ちになりました。スポーツをやっている人はもちろん、勉強でも仕事でも、なにかに打ち込んでいる人の想いを代弁してくれているし、自分たちを応援してくれる声を信じて進め!って背中を押してくれる楽曲でもあるな、とも思います。
――場面場面で異なる表情を見せる大平さんの歌声も、とてもエモーショナルです。
曲や歌詞、アレンジをしてくださった宮田さん、天月-あまつき-さんが込めた想いをすごく感じたし、自分なりに意図を汲んで場面ごとにちゃんと表現したいな、と思っていたのでその言葉は嬉しいです!
――ラップ部分もかっこよくて。
僕、音楽が好きでいろいろ聴いてきましたけど、ラップはあまり聴いてこなかったんですよ。だから、今回自分がやるにあたり、ほかのアーティストのラップをたくさん聴いて。難しさも感じつつ、新しいチャレンジをしてみました。
――アーティストとしても、引き出しがどんどん増えていきますね。作品に寄り添いつつ、夢を追う人なら気持ちが重なるフレーズがたくさんな歌詞ですが、大平さんが歌っていてグっとくるところは?
“蒼く煌めく喝采を 信じて”というフレーズが、僕にはすごく刺さったんですよね。“蒼く煌めく喝采を”って、試合を見守るお客さんのことだと僕はとらえていて。僕自身、役者として、アーティストとして活動する自分を支えてくれている人たち、応援してくれている人たちの声を信じて前に行け!って背中を押されているような気がするし、アーティストとしても自信を持って進もう、きっと大丈夫だ!っていうパワーが湧いてくるんですよね。素敵な言葉たちに力をもらえる「FIRE BIRD」は、誰でも主人公になれる曲だな、とも思います。
――なにしろ、4月からの放送が待ち遠しいです。
僕も楽しみにしています! あと、この記事が出るころには終わっているんですけど、トークイベント付オンライン先行上映会に、ゲストとして出させていただくことになりまして。内田雄馬さん、岡本信彦さん、佐藤元さん、古川慎さん、鈴木達央さん、武内駿輔さんというそうそうたる顔ぶれで、とんでもなく緊張してはいるものの(笑)、みなさんと一緒に『灼熱カバティ』を盛り上げていきたいと思います。
大平峻也
――そして、「1st Premier LIVE~はじまりの詩~」と題し、アーティストデビューしてから初めてのソロライブを、4月3日に渋谷DIVEにて開催されますね。
コロナ禍にあってなかなかライブの予定を立てることができず、公演開催を待ち望んでくれているファンの方たちに対しての心苦しさがあったので、まずは発表できたということが嬉しくて。デビューしてから初めてのライブなので、あれもやりたいこれもやりたいっていうアイデアが出てくるし、「これもやったほうがいいよ」「これもやっちゃえよ」って、天使と悪魔がささやくんですよ(笑)。
――どちらも同じことを言うっていう(笑)。そうやって考えている時間がまた、楽しいですよね。
いやぁ、楽しいですね。ライブのことを考えている僕の顔は、だいぶにやけていると思います(笑)。この間、『はじまりの詩』のキャンペーンで大阪に行ったとき、たまたますぐ近くで友だちの北園諒くんがライブをしていて、観に行かせてもらったんですけど、そこには芝居をしているときとはまた全然違う彼の姿があって。自分も早くステージに立ちたい!って思ったし、諒くんと諒くんのファンの方たちで作る空間が本当に素晴らしいな、って感じたんですね。
――仲間から、刺激も受けたと。
そうなんですよ。会場にいる全員の気持ちがひとつになる、最強の空間がライブ。自分はこれからファンの方たちと一緒にどんな空間を作っていきたいのか、どういう関係性でありたいのかをしっかり考えて、この先も変わらない想いをちゃんと持っておきたいな、と思っていて。しっかりと希望の狼煙を上げられるように準備をして、ライブ本番に臨みます。
――さらに、5月には東名阪をまわる「1st TOUR 2021 “星の欠片 ~collect~”」が開催されます。
ソロで東京以外でもライブができるって、僕はどれだけ幸せなんだっていう。場所とか会場それぞれで感じること、得るものが絶対にあるだろうし、各地のみなさんに会えることを本当に楽しみにしています。タイトルには、素敵な“星の欠片”であるファンの方たちを“collect”=拾い集めていって、やがて大きな星にしていけたらいいな、という想いを込めていて。今回のツアーはもちろん、今後の活動においても、たくさんの人を巻き込んでいきたいな、と思っています。
――なお、「1st Premier LIVE~はじまりの詩~」、「1st TOUR 2021 “星の欠片 ~collect~”」ともに、バンドメンバーはギタリストがyou(ex.Janne Da Arc)さん、ベーシストが中村泰造(ex.cuneOLDCODEX、UMake等サポート)さん、ドラマーがAtsuyuK!(CHiCO with HoneyWorks)さんと、豪華な面々がサポートしてくださるそうですね。
ステージに立ったとき、右も左もうしろも、どこを見てもすごい方たちだらけ。まだ直接お会いできていないので、実感が湧かないというのが正直なところなんですけど、驚きのドリームチームですよね。えげつないくらいのJanne Da Arcファンで、youさんのYouTubeチャンネル(『you・kiyoチャンネル』も観ていますからね、ドキドキソワソワが止まらないです! ただ、ソロのアーティストとしてしっかりと、堂々と真ん中に立てなかったら、スゴ腕な方たちにサポートしていただくには相応しくないので。技術面でも精神面でも、もっともっと磨いて鍛えていかなければいけない、ということは肝に銘じております。
――大平さんは本当に音楽が好きなのだな、だからこそ誠実に向き合っているのだな、とあらためて感じます。
音楽活動を始めたら、好きがますます止まらなくて、いろいろなことにチャレンジしたい気持ちも生まれてきて。もちろん、この先試練だってあると思うんですけど、大好きな音楽ができること、歌が歌えることの嬉しさとかワクワク感、楽しむ気持ちは、これからも大事にしていきたいです。
大平峻也
取材・文=杉江優花 撮影=達川範一(ビーイング)
※このインタビューは3月上旬に実施されています

TVアニメ「灼熱カバディ」アニメ本PV

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