川本喜八郎「道成寺」

川本喜八郎「道成寺」

日本のアニメーション発展に貢献した
川本喜八郎と岡本忠成の特集上映開催

川本喜八郎「道成寺」(c)有限会社川本プロダクション 日本のアニメーション発展に大きく貢献した二人の映像作家・川本喜八郎と岡本忠成の特集上映「アニメーションの神様、その美しき世界Vol.2&3」4K修復版(2K上映)が、5月8日から開催される。
 “アニメの国宝”を再発見する優れたアニメーション作家にスポットをあて、その作品を最新の技術で修復・発掘することを目的としたWOWOWプラス(旧IMAGICA TV)の「アニメーションの神様、その美しき世界」シリーズ。2017年にロシアのユーリー・ノルシュテインを取り上げ、今回はその第2弾、3弾として展開する。
 川本と岡本はともに、ノルシュテイン同様、ストップモーション撮影(コマ撮り)による立体アニメーションの分野で功績を残した世界的巨匠であり名匠だ。川本はストップモーションアニメの先進国チェコでイジー・トルンカに学び、国際的に評価される数々の傑作を残したほか、TVの歴史人形劇や海外との合作でも知られている。岡本は木・皮・布・毛糸・紙・粘土など多様な素材を用いて、主に子ども向け作品の分野で斬新な表現を追求し続けた。川本が能・文楽・日本画の様式を用いて、人の心の闇を幽玄の美の極地から描く作風とするなら、岡本は民話・民芸品・唄・方言などを組み合わせ、ユーモアに溢れつつも心に染み入る温もりを感じる作風といえるだろう。
岡本忠成「おこんじょうるり」(c)株式会社 桜映画社、株式会社エコー 互いに全く異なる個性を持ちながら、それぞれ日本文化の典型性と民俗性を表現した稀有なアニメーション作家であり、世界に誇れる文化遺産と言っても過言ではない。それぞれの代表作5本ずつ合計10本・2プログラムが、日本の最新技術による4K修復版(2K上映)で上映される。なお、国立映画アーカイブでは現在、企画展「川本喜八郎+岡本忠成パペットアニメーショウ2020」(3月28日まで)が開催中で、人形をはじめとする撮影素材や作品制作のための様々な資料が展示されている。
 「アニメーションの神様、その美しき世界Vol.2&3」は、5月8日からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。

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