ナマモノの愛しさ

呼吸をして、食事をして、睡眠をとって。事実上、わたしたちは生きているわけだが、「生きているな」と自覚する瞬間はなぜだか少ない。Dortmund Moon Slidersは、そんな毎日のなかに生の実感を与えてくれるアーティストだ。

彼らは2019年5月に始動した東京発のクリエイティブチームで、前身バンドは2007年から約5年間活動。理想を追求するために、楽曲や映像、アートディレクションなどを全部自分たちで手掛けている。

Dortmund Moon Slidersのテーマは、バイブスの輪を大きく広げていくことだ。そのため、サビの歌詞は単純だし、メロディーもシンプルかつ歌いやすい。そして最もたる特徴は、楽器の生音に並々ならぬ愛情を持っていることだろう。人が紡ぐ音を愛し、人が生み出す空間を慈しむ。ナマモノが関りあうことによって生まれる奇跡を信じているからこそ生まれる音が、Dortmund Moon Sliderでは鳴っている。だからこそ、彼らの音楽を聴いていると、自分が生きていることを実感するのではないだろうか。

配信が開始された「Night Walk」は、肌寒さのなかに感じる温かさを描いた1曲。昼間や明け方に似合うナンバーが多い彼らにとっては珍しい、夜になじむメロウポップなナンバーだ。日の落ちた帰り道、疲れを音に溶かしてほしい。

Dortmund Moon Sliders アーティストページ

提供:BIG UP!zine
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