【BAND-MAID インタビュー】
“まだ見ぬ未来へ向かっていく”
という想いをタイトルに詰め込んだ
2019年にはイギリス、フランス、ドイツ、アメリカを含むワールドツアーが全公演ソールドアウトとなったBAND-MAID。2020年に予定されていた全米、ヨーロッパツアーはコロナ禍により中止となったが、彼女たちの“世界征服”への夢は止まらない! そんな想いが詰まったアルバム『Unseen World』について小鳩ミク(Gu&Vo)とKANAMI(Gu)を直撃した。
BAND-MAIDとして見たことのない、
未来に向かって進んでいきたい
今作のテーマは“原点回帰”と“現点進化(※造語)”だそうですね。
小鳩
アルバム制作にとりかかった時は、特にテーマは決めてなかったんですっぽ。曲はKANAMIが書くんですけど、数曲できてきた時に曲調の差がすごくあったんですっぽね。最近の私たちは展開が多くて音数も多い曲に挑戦していたりするんですけど、結成当時の頃にやっていたような曲を求めてくださってるご主人様・お嬢様(ファンの呼称)もいらっしゃるので、その期待にも応えたいと前から思っていて。今の私たちだったら成長した自分たちなりの原点の頃…初期の頃のような曲もできるんじゃないか、そういう曲も今回は作っていこうって話をしていたんですっぽ。とはいえ、いろいろな曲調のものを一枚のアルバムにまとめるって難しいんじゃないか、だったらテーマを持たせたらうまくひとつにできるんじゃない?っていう話もメンバーでしたんですっぽ。それで、初期のテイストを強く感じられるものを“原点回帰”、逆に現在の私たちだったり、今までやってこなかった挑戦的なものに関しては“現点進化”っていうテーマで組むことにしましたっぽ。
なるほど。二本柱なんですね。
小鳩
そうですっぽ。どちらの音も私たちなんだよっていうのを伝えたくて。ご主人様・お嬢様に“初期の頃の曲はもうやらないのかなぁ”って言われたりしていたので、“そうじゃないんだっぽ。最初の頃の曲も、今出してる曲も両方自分たちなんだっぽ”っていうのを、今回のアルバムでは伝えられたらいいなと。
KANAMIさん、曲を作っていた時はどんな意識で?
KANAMI
メンバーから“こういう曲が欲しい”と言われることが結構多くて。例えば「Manners」は“原点回帰”と“現点進化”というテーマが決まって一番最後に作った曲なんですけど、そのふたつのテーマをつなげる曲が欲しいって言われたので、“分かった! やってみるね~”みたいな感じで作りました。
曲数は結構多いですけど、どういう状況で作っていったんですか?
小鳩
昨年2月にLINE CUBE SHIBUYAでお給仕(ライヴの呼称)をツアーファイナルとしてやったんですけど、その時くらいから制作を始めてましたっぽ。今回はコロナ禍もあったので、いつもより曲を詰める時間がしっかりとれたんですっぽ。いつも以上に一曲一曲に時間をかけて作って、11月に一気にワッとレコーディングをしましたっぽ。自粛期間とかは集まれないので、ずっとデータでやりとりしていたり、オンラインのミーティングで楽曲の話をしたりしてましたっぽ。
それはこれまでにない作り方?
小鳩
KANAMIがベースとなるものを作ってくれて、それをみんなに投げて、“じゃあ、あとはどうしましょうか?”っていうのは変わらないですっぼね。そこはいつも通りで、“より深く”みたいな感じでしたっぽ。基本的にBAND-MAIDはメンバーが集まるというより、曲に関してはそれぞれやるっていう感じですっぽね。一緒に合わせるっていうのは、あまりやってないですっぽ。
KANAMI
うん。スタジオに入って合わせながら作るというのはもともとやってないですね。
小鳩
曲のベースをデータで送ってもらって、各自そこから広げていくみたいな感じですっぽ。
KANAMI
現代っ子だね(笑)。
次のお給仕でこんな曲をやりたいなぁみたいなイメージは?
KANAMI
ありました。例えば“今の時期って夏フェスに出てたよなぁ。夏フェスでこういう曲やりたかったなぁ”とか、そういう感覚で書いたり。あと、コロナ禍で私は結構ズーンと落ちてしまってて…でも、逆に今しか作れない曲ってあると思うので、そういう感じは今のうちに残しておこうとは思ってました。さらに、ご主人様•お嬢様を励ましたいとか、そんな想いを入れていたりします。
小鳩
曲作りに関してはもともとBAND-MAIDはお給仕ありきで曲作りを考えてるところが大きいので、”お給仕のセットリストの“ここら辺に入れる曲が足りないから、次はそれを作って欲しいっぽ”とか“聴かせる一曲が欲しいっぽ”とか“みんなでウォーウォー言うようなテイストの曲を次は入れようっぽ”とか…さっきも言ったんですけど、テーマを決めてからアルバムを作るっていうよりは、お給仕で必要な曲を作っていって、結果的にそれがアルバムになるというほうが基本的に多いですっぼね。
歌詞について今回意識したことはありますか?
小鳩
現点進化の曲のほうがいつもよりストーリー性のある曲だと思ったので、歌詞もストーリー性を持って書きたいと今回チャレンジしたのもありますっぽ。基本的に曲先行…BAND-MAIDは曲先行しかないので、歌詞はその曲の雰囲気に合わせて小鳩が考えて書くっていう感じですっぽね。
曲にインスパイアされて?
小鳩
そうですっぽ。その曲に合う感じを探してとか、自分でいろいろ調べて、そこからどんどん膨らませて書くことが多いですっぽ。
アルバムタイトルには未来に向けての気持ちがこもってるような気がしたのですが。
小鳩
その通りですっぽ。“Go To The Unseen World”っていうのがその意味で、“まだ見ぬ未来へ向かっていく”という想いをタイトルにギュッって詰め込んだんですけど、過去の2作品『WORLD DOMINATION』(2018年2月発表のアルバム)『CONQUEROR』(2019年12月発表のアルバム)が強いタイトルだった…“世界征服者”“征服者”だったから、それに負けないようなインパクトは欲しいし、その夢が変わったわけでもないので、未来に向かっていくような明るさを感じられるのがいいねってヴォーカルのSAIKIと話し合って。“他のメンバーもいいと思うよ”って言ってくれたので、このタイトルになりましたっぽ。
BAND-MAIDとして? それともご主人様・お嬢様にまだ見ぬ世界を見せたい?
小鳩
両方ですっぽ。BAND-MAIDとして見たことのない未来に向かって進んでいきたいって気持ちも込めて、さらにご主人様・お嬢様も一緒に…“ご主人様・お嬢様にBAND-MAIDがまだ見えない世界を見せてあげるよ”って気持ちもあって。このコロナ禍の状況だったり、未来は分からないけど進んでいこうっていう明るい気持ちだったり、いろんな想いを込めましたっぽ。
前向きで素晴らしいです!
小鳩
自分たちが前向きになっていかないと、ご主人様・お嬢様もシュンってしちゃうかもしれないので、元気をあげたい!って気持ちで今回はやってましたっぽ。