【超特急 ライヴレポート】
『BULLET TRAIN ONLINE
SPECIAL LIVE 「Superstar」』
2020年12月27日 at 配信ライヴ
開演時間を迎えると流れ始めたオープニングムービー。そして、「Fantasista」がスタートしたのだが、リムジンの中でゆったりと過ごしているメンバーたちが映し出されて意表を突かれた。黒を基調としつつ、各々のイメージカラーを取り入れているスーツの衣装が似合っている。シャンパングラスを交し合ったりもしながら、大人っぽい色気を放つさまに、とてもドキドキさせられた。2曲目「Hey Hey Hey」に突入すると、レッドカーペットの上を歩きながらライヴ会場へと向う5人。ステージに辿り着いた彼らをライトが照らした瞬間、激しい歓声をあげる8号車(ファンの呼称)の様子が目に浮かんだ。
被っていたハットを5人が一斉に放り投げて「On & On」がスタート。妖艶なサウンドに包まれながらパフォーマンスをする姿にますます釘つけに! 超特急が着実に大人の魅力を放つグループとなっていることを感じる歌、ダンス、表情の連続であった。“本日のテーマは、クール&セクシーです”――最初のMCタイムで今回の公演のテーマを発表したユーキ。その言葉通り、“クール&セクシー”な曲が序盤から次々飛び出した。全員がジャケットを脱ぎ、各々のイメージカラーのベストを揺らしながら踊り始めた「Full moon」を経て、「Fashion」「DJ Dominator」…ブラックミュージックのエッセンスを濃密に漂わせる曲ばかり。新鮮なライヴとなることをはっきりと予感させてくれた。
中盤では、メンバー各々のソロコーナーが用意されていた。フードのついた赤いマントを揺らしながら踊り、ラップをするユーキが、まさしく“クール&セクシー”だった「Jasper」。切ない物語を表現しながら踊り、本物の水が張られたステージ上でしぶきを上げながらステップを踏んだ果てに、びしょ濡れになりながら倒れ込むカイの姿に息を飲まされた「Never Mine」。身体の自由を奪っていた太い鎖を自らの力で断ち切ったタクヤが、火柱で真っ赤に染まるステージで激しい叫び声を上げた「凱歌」。まるで手の力で光をコントロールするかのようにレーザービームや映像と完璧にシンクロしたダンスを展開したリョウガの「So Crazy」。緑の土手で寝転ぶ映像、綺麗な青空の映像を交えながらタカシが歌声を響かせて、途中からカイ、リョウガ、タクヤ、ユーキも合流。爽やかな空間を作り上げていた「My Answer」…“それぞれのソロは、ほぼそれぞれの個人的なプロデュースが入っていて。個性がめちゃくちゃ出ていて、僕は感動しました!”と、「What's up!?」を5人で披露した直後のMCでユーキが興奮冷めやらぬ様子で語っていた。8号車にとっても堪らない場面の連続だったはずだ。
5人それぞれのソロダンスも盛り込みつつ、最新の超特急を力強く示した「Superstar」を皮切りに始まった後半戦。妖艶な魅力に溢れていた「Kiss Me Baby」。メンバー全員の息の合ったパフォーマンスが光っていたglobeのカバー「Love again」が披露されたあと、“おまえら、まだ行けるのか?”とタクヤが煽り、「SAY NO」がスタート。ユーモラスな表情や振り付けが楽しい。続いて披露された「超えてアバンチュール」と「Drawイッパツ!」もヲタ芸、ヘッドバンギングなども交えた変化球のパフォーマンスが満載。これらは一般的な意味での“クール&セクシー”とは異なるのかもしれない。しかし、超特急だからこそ表現できる“クール&セクシー”のかたちだと言っていいだろう。
“みなさんの気持ちが会場に来ていたことを思うと本当に幸せです。2020年は不思議な年で。そんな中で超特急が歩みを止めずに進んでこられたのは、8号車のみなさんがいたからです。愛されてる、自分たちは必要な存在なんだと実感したかったから進んでこられたのかなと。これから先も一緒にずっと進んで行きたいと思います。早く会いたいです”(カイ)。
“かたちはどうであれ、こうやってライヴをすることに意味があると思います。8号車の強みって、やっぱりこの会場まで声を届けてくれることだと思っています。今年は8号車の存在って大きいなあと心の底から感じました。この大きい絆を胸に、2021年も飛躍の年にしていきたいので、なにとぞご乗車のほどよろしくお願いします!”(タクヤ)。
“メンバーのみんなもだし、チーム超特急、スタッフのみなさん、本当にありがとうございます。そして、8号車のみなさん、観てくれる人がいるから、こうしてステージに立てています。今、この状況が僕たちの持てる最大限の姿でございます。2021年、8号車のみなさんと一緒にてっぺん目指して、夢を叶えていきたいのでよろしくお願いします”(ユーキ)。
“歌だけじゃなくて人間の中身的なところまでしっかりと芯が通っていけた年になったんじゃないかなと。やっぱり僕は歌が大好きだなって思いました。2021年の超特急もさらに走り続けていきます。まさにタイトル通りスーパースターなグループに変身していきたいです。2021年はもっと明るい年にしていきますので、よろしくお願いします!”(タカシ)。
“無観客配信ライヴという直接会えない弱み、マイナスの部分を、8号車と築いてきた絆があるからこそ、まったく感じずにいられました。10周年に向かって走っていく大事な時期のライヴをみなさんと一緒にできたことを心から嬉しく、誇らしく思っています。最後まで全力で楽しんでいただけたら嬉しいです。改めまして、ありがとうございました!”(リョウガ)
――5人それぞれが8号車に想いを伝えたあと、“どんなにつらい時があっても、僕たちがヒーローになります”という言葉をユーキが添えて、本編ラストに届けられた「Hero」。画面を通してしか会えない状況は続いているが、彼らがすぐそばにいるかのように感じられたあのひと時は、とても胸に沁みる温かさがあった。
“2020年、最後の曲です。楽しんでいきましょう!”とタカシが言い、アンコールで披露された「Asayake」。歌詞の言葉はもちろん、実に楽しそうに踊る彼らの姿もポジティブなメッセージとして迫ってきた。この曲が届けられたあと、“超特急でした! 良いお年を!”という挨拶でライヴは終了。そして、『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2021 SPRING 「Hoopla!」』が、2021年6月にぴあアリーナMM、神戸ワールド記念ホールで開催されることが映像で発表された。今回のライヴでも示されていたように、超特急はいつでも全力投球でフレッシュな魅力を届けてくれるグループだ。2021年の彼らも進化し続ける姿を示してくれるに違いない。
撮影:米山三郎、深野輝美/取材:田中 大
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