テリー・ボジオのドラムが炸裂する
ブレッカー・ブラザーズのライヴ盤
『ヘヴィ・メタル・ビ・バップ』
本作『ヘヴィ・メタル・ビ・バップ』
について
本作に収録されているのは全部で6曲。冒頭の「イースト・リバー」のみスタジオ録音で、後の5曲は1stと3rdからの選曲でライヴ録音となっている。なぜかはわからないが2ndからの選曲はない。「サム・スカンク・ファンク」を1stアルバムのバージョンと比べてみると面白い。本家とコピーバンドくらいの違いである。ライヴの演奏はテンポが早いし、リズムセクションのキレの良さが違うせいか、ブレッカー兄弟のアドリブの構成力も際立っている。それは、他の曲でも同じだ。それだけに、彼らの作品を時系列で聴く場合は問題ないが、本作を最初に聴いてしまうと、他のアルバムが物足りなく感じるかもしれない。
ブレッカー兄弟は通常フュージョン/ジャズのアーティストとして紹介されるが、本作を聴くとBS&Tやドリームスで培ったロックスピリットがしっかり身についているようだ。
TEXT:河崎直人