JUNNA

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【JUNNA インタビュー】
2020年の“いま”を刻んだ
20歳のアルバム

20歳となったJUNNAの2ndアルバム『20×20』は、詩人・最果タヒや石川智晶などの豪華クリエイター陣を迎え、歯応えのある言葉が多く綴られた一枚。どんな挑戦にも立ち向かう力強いヴォーカルは混沌の時代に勇気を与えつつ、その場しのぎのリップサービスではない信念がある。待望の有観客ツアーも決定した彼女の2021年の視界は明るい。

新しい挑戦で、
新しい私を見せたかった

アルバムタイトルの“20×20”は、2020年に20歳になったことにちなんでいるんですよね。

そうです。タイトル案を出し合ったんですけど、これが出た瞬間に“すごくいい!”って思ったんですよ。インパクトに残るし、何より2020年はきっと誰の記憶にも残る年になるので、それもかけ合わされていて。

なるほど。そこでアルバムを制作するにあたり、JUNNAさんが目標にしていたのは何でした?

1stアルバム『17才が美しいなんて、誰が言った。』(2018年10月発表)もそうだったんですけど、今まで歌ったことのない曲やジャンルに挑戦することです。例えば今回だったら、ダンスナンバーを歌ってみたいということで作った「La Vie en rose」や、最果タヒさんに歌詞をお願いした「波打ち際」だったり。まず、どんな曲を歌いたいかというのを考えた上で、作家さんも決めてオファーした曲がほとんどなんです。

「波打ち際」は非常に解釈の難しい歌詞で、読めば読むほど想像力が掻き立てられるなと。

そうなんです。本当に“詩”という印象だったので、最初はびっくりしました。自分のイメージとしては“きみ”は前に進んで離れてしまったけれど、“ぼく”の中では時間が止まっていて、“きみ”と一緒にいた春夏秋冬を撮ったフィルムを、ひとりで見返している…という感じで、複雑な想いが詰まっているように思いました。

想いを告げられなかった切なさはありつつ、それを“ぼく”自身も納得しているようにも取れますし、ひたすらに美しいですよね。しかし、力強いヴォーカルが十八番のJUNNAさんにとって、ここまで繊細な曲はハードルが高かったのでは?

最初は全部裏声で表現するべきか考えたんです。それが曲には合うかもしれないと思って。レコーディング中に繊細な弱さや切なさの中にも強さが欲しくなって、力強く歌うところとそうじゃないところを歌って表現することにしました。今までにない新しい私を見せられたんじゃないかな?

過去への回帰を肯定している「波打ち際」に、“過去を振り返ってはいけない”と歌うジャズ曲「Now or Never」が続くのも興味深いですが、全英詞というのも初めてですよね。

はい。英語は小さい頃からやっていたので、いつか英語と歌をかけ合わせて何かしてみたいと前から考えていたんです。とはいえ、いざ歌ってみると日本語とは譜割やつなぎ方も違うので、いろいろな方に助けてもらいながら作っていきました。“今、やるしかない”とか“今、楽しむしかない”っていうポジティブな気持ちで突き進んでいくので、聴いてくれる方の背中を押せる曲になったと思います。始まり方や終わり方もゴージャスなので、ひとつのショーや物語を観たかのような雰囲気を味わってほしいです。その次に来る3rdシングルの「コノユビトマレ」は“20×20ver.”になっていて、ブラスを足したスペシャルバージョンになっています。インパクトがあって、より一層カオス感が増した気がします。

そういった挑戦が並ぶ中、1曲目の「我は小説よりも奇なり」は最初からリードにする前提で作られた曲なんでしょうか?

この曲と「Sleepless」は、たくさんの曲の中から私が選んだんです。「我は小説よりも奇なり」は強弱のつけ方が難しい曲ではあるんですけど、そういったものも表現できるようになりたいと選びました。この曲をリード曲にしようとなってから“この曲に石川智晶さんの文学的な歌詞が合わさったらどういう化学変化が起きるんだろう?”と思って、作詞をオファーさせていただきました。

何物をも恐れない石川さん独特の潔すぎる歌詞がJUNNAさんのパワフルなヴォーカルにうまくマッチしていて、先日の配信ライヴ(2020年11月2日開催の『JUNNA ROCK YOU STREAMING LIVE 2020 〜MOVE ON〜』)で初披露された時も大評判でしたね。

20歳を迎える“JUNNAのVocalの荒々しい力強さと智晶さんの鋭利な刃物のような言葉でがっつりとわしづかみにしたいとお願いしてくださったみたいです。そしたら、ご自身のライヴタイトルにも使われていた大切な言葉を私の曲につけてくださって! 本当に光栄なことですし、より頑張って表現しようと思ったんですけど、最初は不安でした。ただ、言葉のひとつひとつにインパクトがあって、それぞれに意味が込められているのは感じていたから、強さを保ちつつ柔らかさも使って表現していこうと。最終的には後半に“あー!”って叫ぶパートを加えたり、どんどん形が変わっていった結果、ライヴで盛り上がる曲になりました。
JUNNA
アルバム『20×20』【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
アルバム『20×20』【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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