徳永暁人

徳永暁人

【徳永暁人 インタビュー】
“リニューアルカバーアルバム”、
僕の中ではそういうイメージ

作・編曲家として数々のアーティストに提供してきた楽曲たちを自身の歌声で新たに表現したソロアルバム『Route 109』。3ピースでの一発録りという自由度の高さ、艶のある渋い低音ヴォイスを彩り豊かに駆使した歌の魅力――全15曲どのナンバーも楽しい驚きと、嬉しい発見を与えてくれる。

doaのアルバム『CAMP』のインタビューはこちら!
https://okmusic.jp/news/405250

2020年のありったけの
徳永の歌が詰め込まれている

1曲目「Feel fine!」のイントロから低音ヴォイスによる歌い出しで、もう衝撃的なカッコ良さを感じました! このセルフカバーアルバムを発表することを決めた背景を、まずはうかがいたいのですが。

もう何年も前から、このアルバムと同じ“Route 109”というタイトルでソロのライヴツアーをやっているんですけど、その中でセルフカバーを歌ったりしていたので、“こういうのをいつか音源化したい”というのはずっと思っていて。それで、ツアーを一緒に回っている仲間たちに来てもらって、一発録りしました。

新しいアレンジやご自身が歌われことで、大事にしたポイントは?

今回の収録楽曲の中にはヒット曲もありますが、そこにしがみついているようなのは嫌だったんです。“俺、こんな曲を書いています”というのを出したいわけでもなくて。むしろ、“あー、こんな曲があったんだ! 今の2020年に新たなものとして作ったらどうなるんだろう?”っていう感じですね。そして、リスペクトですね。こういう曲を歌ってくださったアーティストさんがたくさんいたということに向けてのリスペクト。で、さらに挑戦して、“俺が歌ったらこうなるよ。面白から、ちょっとみなさん聴いてくださいよ”みたいな、そういう面白味のあるアルバムになったらいいなと思って作り始めました。

新鮮さというか、斬新さがすごいですよね。

僕は作曲家なんで、基本的に自分が最初にデモで歌っているんですよ。だけど、逆を言えば、僕のデモってこんな感じなのかなって。とにかく今回は僕の歌を聴いてほしいですね。2020年のありたったけの徳永の歌が詰め込まれてますし、すごく歌にこだわっているので。

徳永さんの艶と滋味のある低音のファンとしては、堪らないものがありました。

ありがとうございます。doaの3人でやる時のハーモニーの表現というのもあるんですけど、僕が作家として歌っている時は、もっと幅を広げている…例えば、女性アーティストさんに提供する時はとても高い声を出したりして、いろいろとやってるんです。そういう作家活動みたいなところって表には一切出ない…僕が歌っているデモは世の中に出ることがないので、そういう面白味があるのかなと。あと、作曲って自分が作ったメロディーを相手に伝える作業なんですけど、同じドレミでも作曲家によって違う歌い方をするんですよね。で、僕の場合は…まぁ、最初から最後までねちっこかったと思うんですけど(笑)、“そういうデモをいつも作ってるんですよ”みたいな感じです。

逆にそれぞれのアーティストさんが徳永さんのデモをカバーしているというとらえ方もできそうですね。

あー、そんな感じもあるかもしれないですよね。アーティストさんによっては僕の仮歌の一部分を真似してくれていたり、逆にまったく変えて歌ってくださる方もいらっしゃったりとか。そこの変化は、ぜひオリジナル作品と照らし合わせて聴いていただければと思います。

ももいろクローバーZに提供した「気分はSuper Girl!」は“おっ!”という面白さがありました。

全編ロックのトリオによる一発録りだし、原曲のアレンジを無視してやっているので(笑)、イントロだけを聴いたら“この曲、何だろう?”ってなるのもあるかもしれないですね。「気分はSuper Girl!」はポップなダンスミュージックなんですけど、それをちょっとダークな感じのミディアムバラードにしているので、そういうところが面白いと思います。
徳永暁人
アルバム『Route 109』

OKMusic編集部

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