福山雅治、6年8カ月ぶりのアルバム
タイトルが「AKIRA」に決定

 福山雅治が、12月8日にリリースするデビュー30周年記念オリジナルアルバムのタイトルが「AKIRA」に決定したことが10月22日、わかった。加えて、12月27日(日)にはアルバム収録曲全てをパフォーマンスする、自身初のオンラインライブ「FUKUYAMA MASAHARU 30th Anniv. ALBUM LIVE」を実施することも決定した。

 AKIRAとは、福山が17歳の時に亡くなった父親の名前。6年8ヶ月ぶりとなる本アルバムを制作してゆく中、自身の父親が他界した年齢に近付いてきた中で「AKIRA」というタイトル曲が生まれ、アルバム全体を貫くテーマとなった。「この曲で僕自身の死生観を描くことで、表現者としてさらなる一歩を踏み出せるのではないか」そんな表現欲求から、自らの精神を救済するかのように生み出された、いわば魂の一曲です。

「“生”を歌うなら、そこにリアティを持たせるために“死”というものと正面から向き合う作品をつくりたい」

 デビュー当時から自身のソングライティングのテーマに対し、そう課題を呈しながらも、人生経験や技法などが「まだそれを表現し得る水準に達していない」と厳しい自己評価を下していた福山。キャリアを積み、年齢を重ね、デビュー30周年の節目を迎えた今、「父との別離について、30年掛かってやっと書き出すことができた。ただ、これで完結するのではなく、この楽曲は僕自身の死生観をさらに深度深く表現する『始まりの歌』」福山は、タイトル曲・アルバム全体に込めた想いをそう語る。

 これまでにも、祖母との思い出を綴った「蜜柑色の夏休み」や「道標」など、家族を描いた作品は存在していました。死生観という意味では、「群青~ultramarine~」や「幸福論」、また「家族になろうよ」といった楽曲群にもその断片は表現してきた。更には、被爆クスノキをモチーフとした「クスノキ」では、長崎出身・被爆二世としてのルーツ、アイデンティティー、平和への希求を楽曲に昇華。被爆樹木を治療するクスノキ基金を立ち上げた他、同曲をアジア近隣諸国公演でパフォーマンスしたことは、エンターテインメントの一つの到達点でもあった。

 そのように、「クスノキ」が収録されている前オリジナルアルバム『HUMAN』においても、人間の存在について深く掘り下げてられているが、それでも「まだ自分の描きたい対象との距離感があった」と本人は振り返る。今作は前作よりも自身の表現欲求に深く踏み込み、17歳の頃に体験した父親の死と真正面から向き合い、脈々と流れ受け継がれてゆく“血”を直視。「“死生観を描く”ということにフォーカスを絞り、焦点をハッキリさせたい」と覚悟を決めた30周年を迎えたシンガーソングライター福山雅治が踏み出す、新たな表現の始まりの一歩がこのアルバム。

 とはいえ、アルバムが重く暗いトーンかと言うと、決してそうではない。死そのものだけでなく、死を見つめることで浮き彫りになる生、その両極の間を時に激しく、時に優しく繋ぐ人生の様々な場面・想いを描いた、彩り豊かな作品に仕上がっている。

 尚、アルバムタイトルに込められた想いについては、10月24日のレギュラーラジオ「福のラジオ」(JFN38局ネット 毎週土曜14:00〜14:55)、「地底人ラジオ」(渋谷のラジオ他全国17局ネット 22:00〜23:30)で、福山本人からより深く語られる予定。

 既報の通り、収録されるのは、「心音」(日本テレビ系 水曜ドラマ『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』主題歌)、「革命」(映画『新解釈・三國志』主題歌)、「幸せのサラダ」(キユーピーハーフ CMソング)をはじめ、2019年以前に発表された「甲子園」(全国高校野球選手権大会100回記念 NHKテーマソング)、「零 -ZERO-」(劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』主題歌)、「聖域」(テレビ朝日系 木曜ドラマ『黒革の手帖』主題歌)、2018年に開催された全国アリーナツアーやドームライブで披露され、ファンから音源化を熱望する声が多数寄せられていた「暗闇の中で飛べ」「Popstar」や、30周年イヤーの幕開けに発表された、未来に向かって共に進んで行くことを高らかに歌う「始まりがまた始まってゆく」(ダンロップ ビューロ CMソング)といった楽曲群。

 更に、このたび情報解禁された「AKIRA」を含む全3曲の未発表音源を加えた全16曲。ドラマや映画、CMとのコラボレーションによって生まれた、それぞれの時代を映すクリエィティブと、「AKIRA」に代表される、自分自身のあるがままの吐露。前者の楽曲群にも当然、福山の本心がそこかしこに投影されている。「福山雅治の心の奥底から発せられるメッセージとは一体、何なのか?」。全編を通じて聴くことで、その答えを思い思いにキャッチしていただけるようなラインナップとなっている。

 加えて、12月27日(日)にはアルバム収録曲全てをパフォーマンスする、自身初のオンラインライブ「FUKUYAMA MASAHARU 30th Anniv. ALBUM LIVE」を実施することも決定した。

 コロナ禍の収束が見通せない中、福山は「全てのライブが中止になったとしてもクリエイティブ活動は止めない」と固く決意して制作活動に没頭、アルバムはついに完成目前を迎えている。生まれたての作品をいち早くファンの皆様にお届けするため、企画したのが今回の初オンラインライブ。

 未曽有の事態に見舞われ、苦しみや悲しみに覆われた2020年だったが、「逢えなくても、人と人とが繋がることの大切さ、嬉しさ」をファンの皆様と分かち合い、希望を感じられるような1年の締め括りにできれば……その切なる願いの下、「予想は裏切るが、期待を裏切らない新たなクリエイティブ」を目指し、オンラインライブの準備を進めていく。10月28日(水)からは、アーティストオンラインショップ「アスマート」にて本公演のオリジナルグッズの販売開始が予定。尚、チケットの販売方法などの詳細は追って発表される。

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