【まるりとりゅうが インタビュー】
ふたりそれぞれに
個性があることが大きな武器
ライヴで切ない曲しかないから、
広げようと思って今作ができた
今作の中で、より挑戦した曲はどれになりますか?
Ryuga
今作は3枚目のミニアルバムになるので、得意なところだけでなく、挑戦していかなくちゃいけないと思ったんですね。その想いで作ったのが、さっきもお話したヒップホップトラックを使った「ユートピア」になります。
MaRuRi
トラックだけでなく、私もこの曲は声を張らずに歌ったんですよ。さらに語りかけるような歌い方にも挑戦したので、かなり苦戦しましたね。というのも、普段は声を張って歌い上げるから、フワッとしていると伝わらない気がしちゃって…。でも、完成した時、すごく心に染み渡ってきて、こういう歌い方もあるんだと勉強になりました。より表現の幅が広がった気がします。
それにしても、Ryugaくんの書く歌詞は驚くほど女心が分かっていると思うのですが、どのように習得したのでしょうか?
Ryuga
性格が女々しいというのもあるんですが(笑)、小学校からずっと女の子のほうが気が合ったんですよ。しかも、フラットな状態で“男子ってダメだな”と思っていたんです(笑)。それに、男子も女子も平等でいたいと思うタイプだったので、どちらの気持ちも分かるからこそ、男女の喧嘩の仲裁に入ったりしていました。あと、中高生になった時、恋愛の話を聞くとだいたい男子がダメな要因を作っていることに気づいたんです(笑)。そうしてしまう男子の気持ちも共感できるし、女子がそれを許せないのも分かるんですよ。だから、男女どちらからも相談を受けることが多かったですね。それもあって、女子からは“Ryugaは男子じゃない”ってよく言われていました(笑)。
その感覚が歌詞に活かされているんですね。でも、以前の作品になるのですが、男女のそういった想いをかけ合う「曖情」(2019年9月発表のミニアルバム『お見知りおきを』に収録)は男女ユニットだからこそ歌える曲ですよね。
Ryuga
そうですね。男女じゃないと歌えない曲や、主観がひとつのものをふたりで歌ったり、MaRuRiが歌ったりということをできるのが強みなので、これからもいろんなバージョンのまるりとりゅうがを見せていきたいです。
そこがまるりとりゅうがの魅力ですからね。
Ryuga
はい。男目線をMaRuRiが歌ったり、その反対があったり。自分たちもこれからがすごく楽しみです。
MaRuRi
私も「幸せになって」(2019年2月発表のミニアルバム『はじめまして。』に収録)を最初に聴いた時、涙が出ちゃうような感覚になったんです。“きっと女の子にはこの感覚があるんだろうな”ってすごく分かって、“すごいな”って思いました(笑)。
あははは。
Ryuga
それに、僕がソロシンガーだったら女性目線の曲を歌ってもウケないと思うんです。それをMaRuRiが歌うからこそいいんですよね。僕がソロシンガーなら女性目線の曲を作ろうとも思わないと思いますし。この男女ユニットだからこそ僕の感覚が活かされているんだと思います。
おふたりの曲って歌っていて本当に気持ち良いと思うんですよ。これは意識していることですか?
MaRuRi
それはありますね。もともと歌い上げるような曲でのハモりの音域のラインが一緒なんです。
Ryuga
僕たち的にはすごく気持ち良く歌っているんですが、カラオケで歌うとなると難しいみたいで…。
MaRuRi
ちょっとキーが高いんだよね。
Ryuga
カラオケで歌えたほうがより楽しいと思うので、これからはそこを課題に作っていきたいと思っています。
今回は勇気づける曲や元気な曲が多かったですが、“まるりとりゅうが=切ない曲”という印象がとても強いです。特にRyugaくんは切なくなりたがりなところがありますよね?
Ryuga
そうなんです! 今、封じ込めているんです!
MaRuRi
そうそう(笑)。ライヴで切ない曲しかないから、ちょっと広げようと思って今作ができたんですよ。
Ryuga
今回頑張ってそこを閉じ込めたので、次は思いっきり悲しくて切ない曲を放出していきたいと思います!
お話しているとどちらも元気なキャラクターなのですが…
Ryuga
僕は正直言ってネクラです(笑)。ひとりが好きで、考えすぎてグルグルしちゃうところが歌詞にも出ているんで。でも、MaRuRiはまったく違うタイプなんですよ。
MaRuRi
私、落ち込むことがないんです。切り替えがめっちゃ早い!
Ryuga
マジでヤバいですよ!
MaRuRi
いろんなことに気づかないんです。周りから“あの時はキツかったよね”って言われても“えっ、そうだったかな?”って(笑)。
Ryuga
喧嘩をした時もあったんですが、僕はズルズルと引っ張って次の日とかすごく会いづらかったのに、MaRuRiは一瞬で切り替えるので、翌日に“お疲れ〜!”って笑顔で話しかけてきたんですよ。
MaRuRi
あははは!
Ryuga
でもまぁ、そうでもないと続かないので、これはこれでいい相性だと思っています(笑)。
取材:吉田可奈