レキシ×クレヨンしんちゃん?「ギガ
アイシテル」とレキシの歴史を紐解く

レキシの最新シングル『ギガアイシテル』が9月23日にリリース。『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』の主題歌として制作された本作は、映画公開日の9月11日にテレビ朝日系「ミュージックステーション」でも披露されるなど、映画を観た人たちをはじめとする幅広い世代から注目を集めている。そんな新曲と、レキシの歴史(ダジャレではない)を改めて紐解いてみる。

「レキシ」とは?

本名・池田 貴史(いけだたかふみ)。1997年にファンクバンド「SUPER BUTTER DOG」で、永積 崇や竹内朋康らと共にメジャーデビュー。また、2004年より中村一義らと共にバンド100sのキーボーディストとしても活動。

その中で開始したのが、自身が興味があり昔から好きだったジャンル「歴史」をテーマにしたソロ・プロジェクト「レキシ」。初期メンバーとして参加していた永積 崇には「シャカッチ」、ドラムの沢田周一には「DJ書道」という、「レキシネーム」を命名し、SBD(「SUPER BUTTER DOG」)のライブ内などでレキシの活動がスタート(現在でもレキシの制作や客演などに関わった人へレキシネームが授けられている)。2007年にアルバム「レキシ」でデビューした。

レキシのライブは常に爆笑と興奮に満ち溢れ、ポップネスに貫かれた楽曲は聴くものの心を踊らせ、歌詞は全編「歴史」について歌われるというオリジナルすぎる世界観。またMCを務めた「アフロの変」(フジテレビ系)や、マキタツポーツ/やついいちろう(エレキコミック)という二人の芸人と共にパーソナリティを務めたNHK-FM「音楽ガハハ」でのトーク力や、そのアフロにサングラス、そして基本的には“紋付袴の着物姿”という風体からして、唯一無二すぎる存在感を誇っているのが「レキシ」である。「現代の音楽シーンきってのエンターテイナー」として、レキシの名前を挙げることに異論を挟む人は少ないだろう。

「レキシ」の歴史

デビュー作である、1stアルバム「レキシ」では、「歴史ブランニューデイ feat.足軽先生・シャカッチ」や「参勤交代」など、独特のファンクネスと、タイトルからして歴史をまるまるコンセプトにした作品を提示し話題に。
そして2011年リリースの「レキツ」では、現在でもライブの定番である、椎名林檎を迎えた「きらきら武士 feat.Deyonná」、いとうせいこうとグローバーを迎えた「狩りから稲作へ feat.足軽先生・東インド貿易会社マン」などを収録。現在に至るレキシの快進撃の足がかりとなった本作は、スチャダラパーやMUMMY-D(RHYMESTER)、堂島孝平などの客演も大きな注目を集め、現在までロングセールスを続けている。

また斉藤和義を迎えた「姫君Shake! feat.齋藤摩羅衛門」を収録した「レキミ」、持田香織(ELT)や怒髪天が参加した「レシキ」、キュウソネコカミ松たか子チャットモンチー、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)などが参加した「Vキシ」、そして三浦大知上原ひろみなどが参加した「ムキシ」と、コンスタントにアルバムをリリース。

その客演の豪華さに加えて、「レキシメロディ」と言えるようなポップなサウンドと、凄腕のミュージシャンが参加したタフなアレンジメント、数々のインタビューで「歴史の血なまぐさい部分は書かないようにしてる」と本人が大意で語っているように、歴史の中でもポジティヴやハピネスを感じる事象を現代と接続させた歌詞、そしてその伸びやかなヴァーカルは多くのファンを獲得。武道館や横浜アリーナでのワンマンや、数々のフェスへの参加に加えて、関ジャニ∞さだまさし私立恵比寿中学Negiccoなどへの作品提供や制作参画も含め、そのリスナーは急拡大している。

「ギガアイシテル」が9月23日にリリー

そして、レキシの最新シングルとなる「ギガアイシテル」が9月23日にリリース。
9月11日にテレビ朝日系「ミュージックステーション」でも披露された表題曲の「ギガアイシテル」は、『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』の主題歌として制作され、レキシ自身も

今回の映画のテーマが落書きという事で、浮かんだのが「鳥獣戯画」

とコメントしているように、映画の内容に寄り添うように、日本最古のマンガとも言われている「鳥獣人物戯画」をテーマにしている。

また同じく

監督さんから頂いた「新しく一歩を踏み出す勇気」「走り出せば想いは叶う」というメッセージからイメージを膨らませました。頑張って絵を描いて今は世に出ない人も、100年後1000年後にはすごく評価されてその絵に価値が出るということもある、『ずっとやり続けたら願いは叶う』

というコメントの通り、フックでは

キミのその落書きもいつか誰かの宝物 消さないで離さないで 残しておいてその想いを

と歌い上げ、これから描いた夢を実現していく子供や、その記憶を胸に秘めながら成長していった大人まで、幅広いリスナーのエモーションを刺激する曲になっている。

それは『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』や『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』など、子どもに向けたTVアニメ版のコミカルさに加えて、映画版では大人にも感動を与える作品を作ってきた「クレヨンしんちゃん」シリーズとの親和性も非常に高いだろう。

また「『歴史』を楽曲テーマにする」という、よく考えたら素頓狂なコンセプトを全く変える事無く、グッドミュージックを貫くことで、ミュージック・シーンで確かな足跡を残したレキシの道程とも重なる部分も感じさせる。楽曲はBPM122付近のミドルテンポで構成され、日常にフィットするようなサウンド感も印象的。後半のラップパートには、ラップアイドル・lyrical schoolのminanがMC旧石器として参加し、楽曲に華を添えている。

またC/Wには「レシキ」に収録された、タブラ奏者・U-zhaanとタッグを組んだ怪曲「Takeda’ feat. ニセレキシ」をバンドアレンジし、昨年のツアーでもオーディエンスを衝撃と衝撃のズンドコに叩きこんだ「Takeda’ 〜アナザーレキシver.〜」を収録。ポップからレキシのコアファンまでを唸らせる1枚となっている。

これだけは聴いておきたい、レキシのお
すすめ曲

また今年5月には、待望の<サブスク解禁>で話題になったレキシ。最後に筆者おすすめ「レキシの名曲」をいくつかピックアップ。今回「ギガアイシテル」をきっかけにレキシが気になっている方は、ぜひサブスクやYouTubeを使って他の楽曲も聴いてみてほしい。

狩りから稲作へ feat.足軽先生・東インド貿易会社マン
「縄文土器/弥生土器/どっちが好き/どっちも土器」という、日本の音楽史上でも屈指のどうかしてる歌詞なのに、レキシのヴォーカル力と、エモさをしっかり感じさせるメロディ力によって、なぜか泣ける一曲。ライヴではオーディエンスが稲穂(しかも最近は光る!)を手に持ち揺らすという珍百景も。あとライヴで超長い(武道館では21分に渡って披露)。

アケチノキモチ feat. 阿部 sorry 大臣ちゃん
「本能寺の変」をテーマにしたバラード。阿部芙蓉美のウィスパーなヴォーカルを前面にフィーチャーし、「心の機微」を丹念に描く。レキシのフックでの歌い上げも聴きどころ。「TAIROW〜キミが目指してんのは〜feat. カモン葵」や「最後の将軍 feat. 森の石松さん」など、他の女性ヴォーカリストとのコラボにも名曲多し。

妹子なぅ feat. マウス小僧JIROKICHI
同世代のヴォーカリストである堂島孝平を迎えた一曲。「真田記念日」や「古墳へGO!」、「RUN飛脚RUN」、「やぶさめの馬 feat. ハッピー八兵衛」など、疾走感のある軽やかなポップネスもレキシの本領!

大奥〜ラビリンス〜 feat. シャカッチ
シャカッチこと盟友・永積 崇とのコラボは、毎アルバムごとに収録。SBDからの流れか、ファンクやディスコをベースに据えることが多く、この曲もEarth, Wind & Fireマナーのディスコ曲。他にも「寺子屋FUNK feat. シャカッチ」や「マイ会津 feat. 足軽先生、シャカッチ」など、丁々発止のコラボを聴かせる。

4thシングル「ギガアイシテル」

2020年9月23日リリース!

・DVD付き初回限定盤 (CD+DVD)
VIZL-1763 ¥1,800(税抜)
・通常盤 (CDのみ)
VICL-37538 ¥1,000(税抜)
・クレヨンしんちゃん盤 (CD)ジャケットステッカー封入
VICL-37539 ¥1,100(税抜)

レキシ

公式サイト
https://rekishi-ikechan.com/
公式Twitter
https://twitter.com/REKISHIofficial
公式Instagram
https://www.instagram.com/rekishi.official/
公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/c/rekishichannel

レキシ×クレヨンしんちゃん?「ギガアイシテル」とレキシの歴史を紐解く。はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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