フレデリック・三原康司「大変だったけど、今、出せてよかった」

フレデリック・三原康司「大変だったけど、今、出せてよかった」

フレデリック・三原康司「大変だった
けど、今、出せてよかった」

メンバーやスタッフの姿勢が誇らしい
──フレデリックにとってはツアーが終わった直後に、今回のコロナのことがありましたよね。今回のアルバム制作には、その辺も影響されていると思うのですが。

三原康司:2月24日に横浜アリーナでワンマンライブ(バンド史上最長の全国ツアー『FREDERHYTHM TOUR 2019-2020』のファイナル、『FREDERHYTHM ARENA 2020 〜終わらないMUSIC〜』)をして、そこから本当に2、3日後に急にコロナのことで、世間が変わってしまって。それで「ミュージシャンとして自分たちは何ができるか?」を考えました。ライブができないから、まずは音源を作ろうとなり、すぐにこのEP制作に動き出したんです。
こういった状況の中で、自分が感じていたことや、「こうあるべきなんじゃないか」と思うことを、自分なりに丁寧に考えて今回のEP『ASOVIVA』を作りました。

──『ASOVIVA』というタイトルには、どんな思いがありますか?
三原康司:そもそもは武道館公演(2021年2月23日開催予定)が決まった時から、ボーカルの健司がそこに向けて「武道館を遊び場にしたい」とずっと言っていて。ライブをしていても、会話する中でも、「遊ぶ」というワードを頻繁に聞いていました。だから僕はその「遊ぶ」というワードをどう広げていくか、と思ったんですよね。
「遊ぶ」という言葉は、フレデリックにとってもすごく大事なことで。僕らはダンスミュージックを基軸にしてやっていますが、やはりダンスは体や気持ちを開放していろいろな形で音楽を楽しめるから、ライブフロア自体が一緒に遊んでいる、といった感じがある。だからみんな、言葉の表面上だけでなく、もっと「遊び」というものに広い意味を持って、何かを感じていた部分があったと思うんです。

──今は、まさに「遊び場」がなくなっているような状況ですよね。

三原康司:そうですね。この時期は、とくに「音楽自体が不要不急なものなのじゃない?」と言われた期間であったと思うんです。それは音楽に限らないんですけれど、自分は音楽を生業にしている以上、そこに対してすごく感じるので。でも僕にとって音楽は「衣食住音」ぐらいの存在なんです。

──私たちの生活に欠かせない衣食住、そこに音が加わっている、と。
三原康司:はい。何かを楽しんだり、自分の知らない感情を引き出してくれるものだったり……。人間にとって本来必要な「喜怒哀楽」を引き出してくれる、そういう栄養を音楽に感じるんです。
だから僕は「不要」とは、どうしても思えなかった。遊ぶこととか楽しむことは悪ではなくて、人間にとって一番必要なものではないか?ということで、今回の『ASOVIVA』というタイトルと重なっていっているというか。そういうことを、この時期にすごく考えました。
この『ASOVIVA』というタイトルは常に思い続けてたことなんですけれど、今は特に必要なものでもあるのかな、というのは、すごく感じています。

──このような状況に直面し、バンドとして新たに発見したことはありますか?
三原康司:状況が変わった中でも、それをしっかり楽しめるバンドなんだな、ということを思いました。メンバーはすぐさま「曲を録ろうよ」というモードになって。今回レコーディングの形もまったく変わって、リモート製作だったんですけれど、その中でできることをポジティブに捉えて、物事に打ち込めたんです。

──そうだったんですね。
三原康司:「自分が今、何をすべきか?」というのは、いろいろな選択肢があると思うんです。たとえばオンラインライブは、やはり生のライブとは全然違う。でもそこへの向き合い方など、バンド全員のスタンス、姿勢みたいなものがすごく誇らしく感じました。
それはレコーディングスタッフや常に一緒に行動しているスタッフも同じで。みんな「自分たちは今、何をすべきなのか?」を考えて、すぐさまそこに向けて行動していました。だからすごくいいチームで成り立っているな、と思いましたし、逆にこれが当たり前と思ってはいけない、ということも感じました。
等身大の音が出たと思うリモート制作
──今回、制作は全体的にリモートだったのでしょうか?

三原康司:そうですね。順番で言えば、2曲目に収録されている「されどBGM」という曲が最初にできて。この曲はすぐに聴いてもらいたい気持ちがあったから、曲ができてすぐにデジタル配信という形で世に出す事になりました。

──リモート制作をすることで、一番大きな変化は何だったのでしょうか?
三原康司:基本的にレコーディングの形というのは、そこまで大きく変わるものはないとは思うんですけど、「会えない」というのが一番大きかったです。
でも逆にリモートだったからこそ、回数を重ねられた部分もあって。普段のレコーディングはスタジオを1日借りて、限られた時間の中でどれだけ録ることができるか、という形なんですけど、今回の制作は、いわば、無限大にやれる(笑)。
ある程度の締め切りはあるんですけれど、夜中までやってもOKですし、スタジオが閉まることもないので、自分の家でひたすら作業する、という感じでした。「寝ずにやるぞ」みたいなメンバーもいたりして。そういう意味では、いろいろな自分に向き合えた時間でもあったのかな、と思います。

──康司さんご自身はいかがでしたか? メリハリをつけてやる感じですか? それとも最後に追い込む感じ?
三原康司:どっちも、という感じでした。追い込むときは追い込むで。今回、自分の家でベースだったりを録ったんですけれど、やっぱり自分が普段いる環境の中でやるから、背筋を伸ばさなくてもいいじゃないですか(笑)。

──確かに(笑)。
三原康司:だから、ある意味、等身大でもあるのかな、とは思いました。

──それはやはり音に表れました?
三原康司:リラックスして弾けたので、リズムの感じはいい形で録れたんじゃないかな、と。おだやかな時もあるし、逆にピリピリしたりもして、結構、幅は広かった気がします。

僕らは音楽を「されど」と思いたい
──7月に配信リリースされて、今回は2曲目に収録されている「されどBGM」ですが、この曲をすぐにリスナーに聴いてもらいたい、と思ったのはなぜでしょう?

三原康司:今までも音楽をテーマにした曲はたくさん書いてきて、今回「されどBGM」というタイトルもそうなんですけど、自分が音楽を生業にしてる以上、音楽に対して歌っていくことは、すごく大事なことだなと思っています。その中で、これは音楽だけに言えることではないんですけど、このコロナ禍で日本中、世界中で「本当にこれは必要なの?」と思うものがたくさん出てきて。

──そうですね。
三原康司:でも実際「たかが」と言われたものも、もっと内面に入っていけば、深い部分があったりするし、見えない部分もどんどん見えてくる。一度相手の立場に立って考えることは、この時期にすごく大事なことなんじゃないかな、と思って。
だからそれを一つ表現として、自分は「たかが」と「されど」という言葉を歌詞の中でつけたんです。やはり僕らは音楽を「されど」と思っていたいし、そういうものが心の栄養になっていると思う。今、伝えるべきメッセージなんじゃないかなと真っ先に思ったから、最初にこの曲を出しました。
されどBGM 歌詞 「フレデリック」
https://utaten.com/lyric/mi20070601
──まさにご自身が、コロナに最初に向き合った時の気持ちがつまっている曲ですね。
三原康司:本当にいろいろな場所で、いろいろなことが起こって。身近なことでいえばライブハウスは経営が大変で、続けていくことが難しくなっています。でも実際に箱の外から、人は見えないじゃないですか。ただ、そこで培ってきた文化は、ミュージシャンの土台になっている。
僕らもお客さんが1人や2人の時にずっとライブハウスでやり続けていて、その期間があったからこそ人に優しくできる部分もあると思うし。だから絶対にミュージシャンとしてその文化を守っていきたい、ということをすごく考えたんですよ。そういう気持ちも、この曲には乗っています。

──自分が知っていることに対してこれだけ心を砕くのだから、他もそうなんじゃないか、と思いをはせることができればいいな、という気持ちがすごく伝わってきます。
三原康司:僕はミュージシャンという立場で「BGM」という言葉を使って表現しているんですけれど、これは音楽だけに言えることじゃなくて、いろいろなことに重ねてもらえたらな、と思います。

──サウンドもどこか切な気ですね。
三原康司:「たかが」と思われるものは、儚さを感じるところがあると思うんです。ダンスミュージックという多幸感がある音楽表現で、そこを見せていくのはフレデリックらしいというか、この曲らしいんだろうな、と思いながら作りました。

──「されどBGM」はリリックビデオが発表されていますが、映像の中でカセットテープが出てきたりなど、音楽の歴史を見ているようでした。でも康司さんの世代だと、カセットテープじゃないですよね。
三原康司:いやいや、カセットテープでしたよ(笑)。僕が小学校くらいの時ですね。そのころから結構、ラジカセとかも持っていて、好きな曲を入れまくっていました。
今回、僕らは円盤と配信という形なんですけれど、今は配信が主流ですよね。でも形が変わっても、その時に思いをつめているものがある、ということにすごく魅力を感じていて。今は、なかなか人と会えないじゃないですか。でもカセットテープやCDは直接形として渡せる。それはもしかしたら、今、すごく、大事なことなんじゃないかなと思います。
▲フレデリック「されどBGM」Official Lyric Video from New EP「ASOVIVA」(2020.9.22 Release)
歌って出てきたものを曲にした
──1曲目の「Wake Me Up」はおもちゃ箱をひっくり返したようなサウンド感で、『ASOVIVA』というEPタイトルにすごく沿った楽曲だと感じました。

三原康司:これは制作の時も「生まれ変わる」ことをイメージしながら作っていました。1年後、2年後に「あの時は大変だったね」で終わるのは、やっぱり良くない。それは自分にも言えることだし、みんなも絶対、そうあるべきだな、と思っていて。
そういう中で、「新しく面白いことをしていく」ということに、挑戦した部分があります。「Wake Me Up」は今までのフレデリックらしさや「フレデリックっぽい」と言われるものを更新していくサウンド感だったり、言葉遊びだったりをつめこんだ1曲ですね。
今回、曲を書く中で、僕が遊んだというか、自分的に面白くやれたなと思う部分がありまして。「生まれ変わる」ということだけを考えながら、そのままマイクに向かって、デモ作りをしたんです。
ただ歌ってみて、そのメロディーと歌詞が一緒に出てきたものを、そのまま曲にしたんですよ。出てきたもの、そのままっていう形だったので。だから自分が本能から思っていることが、ここにはすごく見えてくるんじゃないかと思います。
Wake Me Up 歌詞 「フレデリック」
https://utaten.com/lyric/mi20081901
──なるほど。音と言葉がすごく密着している状態なんですね。だからもちろん歌詞の意味をそれぞれ解釈する面白さもあるけれど、歌詞と音の密着間をそのまま楽しむこともできる。
歌詞と音の密着という意味では、3曲目の「正偽」もそうですよね。この曲は最初歌詞を見ないで聴いていて、「英語なのかな?」と思いきや、本当に言葉遊びがつまっていて。<黙れ フィーリング 印 埋葬>と書かれているのを見て驚きました。
三原康司:これも「Wake Me Up」と同じ手法で曲を作りました。今おっしゃっていただいた「言葉と音が密着している」というのは、この曲にもすごく感じます。これもアプローチとしては、新しいフレデリックの軸になっていくものなんじゃないかなと、作りながら感じていました。

──ただ「正偽」は<振りかざした正義感><振りかざして優越感>など、「Wake Me Up」以上にメッセージが明確なのではないでしょうか。
三原康司:そうですね。今は、神さまを信じるとか、聖書開く前に、 Googleを開くじゃないですか。そこで一番トップになったものを見て、これが一番面白いんだって入る。何かしら誰かの統計学みたいなのが、自分たちの指針になっている。
そういう正解みたいなものは、自分が決めたものではないですよね。それにみんなが「良い」と言ったものを「良い」というのも違うな、と思いますし。だったら本当に、自分が信じた、僕が面白いというものを指針にして、行動していくことが大切だと思っていて。
だからこそ、自分が正義だと思っているものを1回疑った方がいいんじゃないか、と感じているんです。そのうえで、自分なりの正義はこういうものなんじゃないかな、みたいなものを言葉にしました。
正偽 歌詞 「フレデリック」
https://utaten.com/lyric/mi20081902
※歌詞は発売日の9/22に掲載
──確かに。今は自分の軸を持っていないと、簡単に流されてしまいますよね。
三原康司:SNSとかでも「なぜこれに『いいね』がたくさんついているんだろう?」というのが多いじゃないですか。それが1つの答えに変わっていくから、すごく恐ろしいことだな、と思っていて。何を信じて、何を感じるかというのは、自分の中で1回精査しなきゃいけないんじゃないか、と思って。いろいろなことを考えながら作りました。

──ところで、この歌詞と曲を他のメンバーが初めて見た時、かなりびっくりされたのではないですか?
三原康司:ええ。他のメンバーは、「この曲、すごくやばいじゃないか?」と言ってましたね(笑)

──やはり(笑)。
三原康司:でもボーカルの健司が「フレデリックは、康司が皮肉めいた、シニカルな歌詞を書いてきたとしても、音楽がダンスミュージックだから、それの調和がすばらしい」ということを言ってくれて。それは1つ武器になっている部分があるな、と思うんです。ただ皮肉を言うだけではなく、それでみんなを踊らせていく。そういう風景を作れたら、それは一つのまた答えになるんじゃないかな、と思います。
今年の夏に感じた思いを曲にした
──4曲目の「SENTIMENTAL SUMMER」は、本当に夏が持つ空気感やにおい、あっという間に過行く切なさ、といったものを感じます。

三原康司:僕らは夏フェスとかいろいろなライブが決まっていたんですけれど、いっぺんにして、それがなくなってしまって。ありがたいことに、フレデリックはフェス常連バンドとして、いろいろな会場・ステージでやらせてもらい、どんどんステージも変わっていきました。だからフェスは僕らの成長を感じることができた場所でもあり、大人になってからの青春でもある、そんな場になっていたんです。
でも予期せぬものによって自分たちが大事にしていた場所が、この時期になくなってしまった。もしかしたら、何万人との人と音楽を通してコミュニケーションが取れた時間を失ったのかもしれない。今回、そういう夏を過ごす中で、自分が感じた気持ちは音楽として表現していかなきゃいけないじゃないんだろうか、と思っていて。
そして僕自身はフレデリックとしての立場で音楽を書いているんですけれど、甲子園とか、そういったものにも重ねられるなと思っていて。若い頃に大会を目指して、何か一生懸命になることって、財産になるじゃないですか。それは僕らにとっても夏フェスがそうでしたし。
だからこそその財産の一部を失って、思い出すのも苦しくなる部分もあると思うんですけど、その気持ちを形にしようと思って。それはフェスに来ている会場のお客さんだって同じ気持ちだったと思うし。そういう人たちにどんどん届いていく曲になれば、と思いながら「SENTIMENTAL SUMMER」を書きました
SENTIMENTAL SUMMER 歌詞 「フレデリック」
https://utaten.com/lyric/mi20081903
※歌詞は発売日の9/22に掲載
──ある意味、今年の夏を失ってしまったみんなの思いがこの曲に表れているんですね。
三原康司:人生の中でも、こんなことが起きることはなかなかないというか。すごいことですよね。だから次の夏とかにこの曲をフェスでやれたないいな、と思っていて。やはり音楽はリリースしてから、自分たちがライブというステージでやっていく中で、その成長を感じられるものですから。そういう部分がすごく強くなっていく曲なんじゃないかな、と思いますね。

──ぜひフェスで聴きたいです! そしてこの曲は、健司さんのボーカルもすごく切ないですよね。
三原康司:この曲は緩急を意識していますね。健司は健司なりにこの曲に向き合ってくれたので、すばらしい歌になっています。

フレデリックの概念を覆せる一枚に
──今回のEPには、7月に行われたアコースティックオンラインライブ「FABO!!」(Frederic Acoustic Band Online)から「リリリピート」と「ふしだらフラミンゴ」の2曲、初回盤には「終わらないMUSIC」を含む3曲のライブ音源が収録されています。

三原康司:いろいろ止まってしまった中で、自分たちがやれることの1つがEPを制作するということだったんですけれど、もうひとつ、オンラインライブという新たな楽しみ方がミュージシャンの中に生まれてきて。自分たちがやるとしたら、アコースティックだと健司のメロディだったり、歌の部分がより一層、肌身で感じられるものになるので。オンラインをやるなら、こういう形から始めるのはどうだろうかということで、「FABO!!」というライブをやったんですよ。
その時に自分たちが考えてきたことが今回の EPの音源として収録されているので、すごく思いが強くなっていっていると感じます。

──ミュージシャンの立場から見ると、オンラインライブにはどんな楽しみ方がありますか?
三原康司:今回のオンラインはアコースティックセットだったので、部屋っぽくしたのですが、こうやっていろいろな形で見せることができるんだな、と感じていて。だから照明演出の見え方も全然変わってくるだろうし、そういった舞台芸術のような部分は、もっと面白くこだわれる部分もあるんじゃないかと、よく周囲の人と話しています。

生のライブだと見えない部分がオンラインライブでは見える、みたいな?
三原康司:ライブハウスという表現は、ミュージシャンにとってスタンダードなものではあるんです。でも音楽はいろいろな形で、いろいろな場所でやれることではあるし。その表現方法にもこだわれるのではないか、と思っているんです。

──まさにそうですね。
三原康司:あと、ミュージシャン目線で言うと、音の環境を自分で変えられることは、すばらしいことだと思います。いいヘッドホンで、とか、自分の家にあるスピーカーを使ってとか、模索すれば模索するほど、気持ちよく音楽を聴ける環境を自分で調節できるじゃないですか。でもライブハウスはそこにあるスピーカーの中で、という形になる。だからその自由さはある種、面白いですね。そういうふうに音楽を一層楽しんでもらえたらいいな、と思っていました。

──そう考えると、オンラインライブは、いろいろな可能性に満ちていますね。ところでUtaTenでは「ピックアップフレーズ」といって、特にお気に入りのフレーズを伺うコーナーがありまして。康司さんが今回のEPの中で、特に「これ」と思うフレーズを教えていただけますか?

三原康司:難しいですね(笑)。でも「正偽」の<「人を愛せるのも人間です」>かな。このEPを作っている時、ボーカルの健司が「康司が書く曲は、絶対に人を諦めない」ということを言ってくれたんです。それがすごいうれしくて。
今回のEPを自分なりの表現・言葉を投げかけて作っていって。その中には怒りに感じるところもあったと思うのですが、健司は「どこかに絶対、救いの手を差し伸べる場所がある」と言っていて、それがここの部分だったんですよ。その言葉に自分も救われた感じがあって。どうしようもないと思う人でも、「絶対にどこかで変われる瞬間があるんじゃないか」と、あきらめずにいられる自分を思い返させてくれたんです。

──「この人、ダメだ。嫌い」ですべてシャットダウンしない、と。
三原康司:先入観を持って見てしまうとダメだなと思って。僕は人と接する時、その人の好きな部分を探すようにして、「嫌いな部分は何パーセント」と分けているんですよ。ただ嫌いと決めてしまったら、ずっとそれしか見えないじゃないですか。
そうではなくて、自分にとって、その人はどうなのかを考えた時に、その人はその人なりに自分のこと思ってくれている部分が絶対にどこかあるんですよ。だからそうやっていろいろな人のことを見れて、相手の立場により立てるようになったら、もっと良い人間関係というか、もっと楽しくなるんじゃないかなと思います。そういう姿勢で心は謙虚にいたいなと、今回すごく思いました。

──今回のEPは、バンドとしてどんな作品になったと思いますか?
三原康司:今回、自分なりに伝えられることを考えながら模索して。2年、3年経っても「あの時大変だったけれど、こういう音源を出してよかったね。こういう音源があったから、いろいろなことに気づくことができたね」と思えるようなものが作れたんです。これからいろいろな場所で、自分たちがミュージシャンとして遊び場を提供できる、そういうEPになりました。

──「ASOVIVA」は「未来を見据えている」作品でもありますよね。
三原康司:ええ。そういう意味では、本当に今まで「フレデリックってこうなんだ」と思っていたことも覆せる。そういう1作になっている、とも感じます。
TEXT キャベトンコ
PHOTO 片山拓
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