屋良朝幸と中山秀征、約20年ぶりの共
演! ミュージカルコメディ『Gang
Showman』開幕!「ヒデさんは今も頼
れる兄貴!」と称賛

2020年9月18日(金)、東京・日比谷シアタークリエにて、ミュージカルコメディ『Gang Showman』の初日が開けた。本作は屋良朝幸が演じる“潔癖症”のギャングと、劇場に再びお客様を取り戻そうと必死に生きる人々が取り巻く、愛と成長の物語である。
本作の脚本・作詞・演出・振付・出演の5役を務めるのは、『CLUB SEVEN』シリーズ、『道化の瞳』など数々のオリジナルミュージカルを手掛け、日本を代表するタップダンサーでもある玉野和紀。主演を務める屋良は、玉野と『道化の瞳』(初演・再演)『CROSS HEART』に次いで3作目/4度目のタッグとなる。
本作のゲネプロ(通し稽古)と取材会が初日前日に行われた。この模様をレポートする。

【あらすじ】
1940年代のアメリカ・ニューヨーク。ゴーストライトの灯る中、Club Smileのオーナーで1か月前に亡くなりゴーストとなったロバート(中山秀征)が現れる。ロバートは姿を変えてリチャードとして生まれ変わり、この店のゴーストであるフランク(玉野和紀)の助けを借りて、Club Smileを継ぐことになった娘のメアリー(平野綾)の手助けをしたいと語りだす。メアリーはその頃、父ロバートの残した借金を返す為に店を繁盛させるべく最高のショーを創ろうと頭を悩ませていた。
メアリーがショーを創るためにリハーサルしていると、借金の取り立てにギャングのジェイムズ(屋良)が手下のウィリアム(中村浩大)とマイケル(鯨井未呼斗)を従えてやって来た。ジェイムズは、すぐに借金を返せないのであれば、返済を待つ条件として、ダンスの経験のない自分をショーの主役にするよう要求する。それを仕方なく了承するメアリー。そこに生前父にお世話になったと言うゴーストのリチャード(中山)とフランクが現れ、父への恩返しにショーの手伝いをするとメアリーに伝える。さらに、Paradiseという別の店の人気ストリップガールのリンダ(妃海風)、Club Smileのショーガールのパトリシア(花乃まりあ)、ダンサーのデイビット(松平和希)、そしてメアリーに恋い焦がれるロバート(入野自由)も加わり、皆で最高のショーを創ろうとリハーサルを始めるが、ジェイムズは潔癖症だとか高所恐怖症だとか、色々な言い訳をして勝手な事ばかりし始める。実はジェイムズは、ボスの命令でショーを台無しにして抵当に入っているClub Smileを手に入れるために送り込まれたのだった……。

コロナ禍の状況であっても決して諦めることなく、人々に夢や希望、笑いや涙を提供していきたいと語る玉野の言葉のとおり、ステージ上では笑いを誘う場面が無数にあった。ギャングのジェイムズが「1mは離れろ!近寄るな!」と声をかけるたびに、あえて「ソーシャル・ディスタンス?」と相手がとぼけた一言を放ち「違ぇよ!俺は潔癖症なんだ!」とたびたび返す場面などは、新型コロナウイルス感染防止策を逆手にとっているだけでなく、ジャニーズ事務所の社会貢献プロジェクト「Smile Up!Project」の一環として、楽曲「Wash Your Hands」の振付をするなど感染症対策を呼び掛けている屋良が演じていると思うとより一層笑えるというもの。
そんなジェイムズがいつしかショーを作る事にのめり込み、反目し合う振付のフランクからタップダンスを覚えていく様は見どころ。玉野のタップと屋良のタップの音が素晴らしいユニゾンを奏でる姿に、気が付けば役どころを忘れて何度も拍手を送っていた。
ミュージカルコメディ『Gang Showman』
ミュージカルコメディ『Gang Showman』

ミュージカルコメディ『Gang Showman』

劇中で披露される歌の数々も聴きごたえ満点。歌のうまさに定評のある平野と花乃と妃海、そして入野の歌声が劇場に響き渡るたびにうっとりと聞きほれてしまう。さらに皆コメディセンスもばっちりなので、歌のうまさに聞き惚れる一方でお腹の底から笑わされる。特にロバートを演じる入野の振り切った芝居に目を奪われる。二枚目路線で歌ってキメたかと思いきやテーブルや時にはステージに突っ伏して号泣するなど、これまで比較的真面目な役どころを演じることが多かった入野の演技の枠がまたひとつ広がったように感じられた。
ミュージカルコメディ『Gang Showman』
ミュージカルコメディ『Gang Showman』
ミュージカルコメディ『Gang Showman』
ショーの本番に向けて皆が準備をしているとある場面では、女性陣の歌声と男性陣の話し声や言い争い、そして屋良と玉野が放つタップ音がバラバラに見えて実はすべてが調和しており、まるで『ウエストサイド物語』の“Tonight (Quintet)” 「トゥナイト(クインテット)」)を彷彿させる見事な美しさを描いていた。
ゲネプロ終了後、取材会が行われ、屋良と中山、玉野が登壇し、今の心境を語った。
屋良はコロナ禍の影響を受けての本作上演について問われると、「ステージに立つのが半年以上空いたんです。こういう状況になってどうなるか分からないけど稽古を続け、今日ゲネプロを迎えられたのが凄く嬉しい。やっぱり僕はステージで生きる人間なんだと改めて感じました。楽しかったです」と笑顔を見せる。中山も同感という事で「稽古前にPCR検査を受けて、本番前となる一昨日、結果が出て皆陰性と分かったので、無事に本番を迎える事が出来るという事で安心しました。最後まで完走というところまで皆で感染対策をしながら、面白いものを作っていきたい。こんなご時世ですが楽しいものを作っていきたいです」と話した。

ミュージカルコメディ『Gang Showman』

出演者にしてクリエイターである玉野は「コロナ禍で3本ステージが中止となった。この舞台もできるかどうかというところだったが、予定していたものから急きょ新作になった。『それでも舞台をやりましょう』と言ってくれたスタッフの方の熱い想いに応えたいと思って作りました」とにかく芝居が出来る事が嬉しいと話し、「とにかくコメディにしてお客様にはマスクの下で笑ってもらいたい」と想いを強く語っていた。
ミュージカルコメディ『Gang Showman』
屋良演じるジェイムズという役の“潔癖症”はアテ書きか?という質問が飛ぶと「これが本当ならこの仕事は出来ないですね」と笑う屋良。「本当にアテ書きするなら猫アレルギーです」と返していた。玉野がこのコロナ禍を逆手にとってオリジナルの作品を作ったという話から派生し、「元の作品ならもっともっとタップダンスの場面があったんです。だから(今の公演内容となって)ちょっと安心してます」とニヤリ。一方久しぶりの舞台出演、さらに久しぶりのタップダンスに挑んだ中山は「どアタマから緊張で心臓が飛び出そうになった(笑)。タップは15年ぶりくらい。かくし芸大会のために少しやったくらいだったので、基礎がなっていなくて今回玉野さんに指導いただいた。自粛期間中は自宅の駐車場でタップシートを敷いて練習をしていましたね」と11年ぶりの舞台にかける必死の想いを口にした。
【前列左から】入野自由、玉野和紀、屋良朝幸、中山秀征、平野綾 【中列左から】中村浩大 (Jr.SP/ジャニーズJr.) 、妃海 風、花乃まりあ 【後列左から】松平和希、鯨井未呼斗
屋良と中山はかつて『THE夜もヒッパレ』(日本テレビ系)で共演していた仲。「18年?」「20年近くぶりだよね」とお互い確認し合いつつ当時の思い出を振り返る。中山は「“ミュージカル・アカデミー(MA)”というグループでレギュラー出演していた屋良くん。あの時は本当に大人しい子でしたが、前向きでひたむきな姿が印象的でしたね。今ミュージカル界で頑張っている姿を間近で見られるのは『あの子がこんなになるんだ』と感動しています」としみじみ語ると逆に屋良は「20年近くぶりだったので、出演者にヒデさん(中山)の名前があって『おおっ!』と思ったけど、むしろ僕の事を覚えてくれているかなって心配もあった。でも顔を合わせた瞬間『屋良っち!久しぶり~!』って声をかけてくれた時の安心感がたまらなかった。この舞台でも“頼れる兄貴”としてカンパニーを作ってくれているんです」と全幅の信頼を置いていると語り、二人顔を見合わせて笑っていた。
なお、この日、本作の千秋楽公演がイープラスStreaming+にてLIVE配信される事が発表された。(アーカイブ配信あり)劇場でご覧いただけない方は是非配信でも楽しんでいただきたい。
取材・文=こむらさき 写真提供=東宝演劇部

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