鈴木このみ

鈴木このみ

【鈴木このみ インタビュー】
「Realize」は今の自分が歌うに
ぴったりな曲だと思う

TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』2nd seasonのオープニング曲「Realize」。鈴木このみにとっては2016年の「Redo」以来、2度目の同アニメ主題歌ということもあって、歌唱にもサウンドにもいつも以上に気迫が感じられるナンバーに仕上がっている。そんな同曲と、その発表から1週間後にリリースされたニューシングル「舞い降りてきた雪(恋とプロデューサー featuring Konomi Suzuki)」について語ってもらった。

23歳の自分が19歳の時の自分に
負けてはいけない

まずは「Realize」ですが、鈴木さんご自身はこの曲をどんなふうにとらえていらっしゃいますか?

初めて聴いた時に“鈴木このみ全開で来たな”というふうにも思いましたし、歌う前から手応えを感じた曲でした。もちろんハードな曲という印象もあるんですが、それよりも私はライヴで歌っている自分がすぐに想像できたというか、そういう印象でしたね。

“鈴木このみ全開”ですか。私は今回初めて鈴木さんに取材をさせてもらうのですが、最初に「Realize」を聴いて“これはほとんどハードロックじゃないか!”と驚いたんですね。特に2番で。サウンドが相当に密集していくので、“これ、ほんとにヴォーカリストの音源なのか?”と思ったほどで。

確かに骨太ですよね(笑)。

ただ、昨年リリースされたアルバム『Shake Up!』も聴かせていただいたんですけど、アルバム収録曲もやっぱりハードなものが多くて(笑)。

そうですね(笑)。そこは鈴木このみらしさにつながっていると思います。

このくらいサウンドがグイグイ来る感じが鈴木このみのデフォルトなんですね。

基本的に“やさしく包み込む”というよりは、力強くパシッと叩いてくれるような、“行けー!”と言ってくれるような曲が多いし、やっぱりそういうものが私らしいと思いますね。

これは「Realize」に限った話ではないですが、さすがにサウンドがヴォーカル以上に前へ出てはいないものの、ベースラインなどは“こんなに動かなくてもいいだろう”というくらい派手に動いていますよね(笑)。

確かに(笑)。どの楽器のパートを聴いてもそれが主役のように楽しめるというか。自分もTwitterで時々見かけますが鈴木このみの曲の“ベースを弾いてみました”や“ギターを弾いてみました”とか、“ドラムをやってみました”と挑戦してくれる人もいたりします。ありがたいことにそうやって聴いてくださっている方もいるんだと思います。

なるほど。私は鈴木このみビギナーなので、今回初めて鈴木さんの楽曲を拝聴して“すげぇな”と思ったんですけど、ファンにしてみれば「Realize」くらいの厚めのバンドサウンドは当たり前だと。

特に今回は音に気合いがめちゃくちゃ入ったと思います。アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』はビッグタイトルですし、自分自身も1期に引き続き2期のオープニングテーマ曲を担当させていただくということで、“今、23歳の自分が1期当時の19歳の自分に負けてはいけない!”という気合いもあったりして。それがヴォーカルにも、楽器にも、全部に入ってると思います。いつもより“増し増し”ではあるなと。

鈴木さんにとっては2度目の『Re:ゼロから始める異世界生活』のオープニング曲でもあって、前回を超える意味でもスタッフを含めて気合いが入ったということですね。

そうですね。あと、これは個人的なことになるんですけど、今年は事務所を移籍して、ファンのみんなにも“10周年には武道館でやりたいです!”って公言しちゃったりもして、“これからさらにやってやるぞ!”ってかなり気合いが入っていたので、意図せず自然とこういう歌になったのかなという感覚ですね。

歌詞はもちろんアニメの世界観に沿ったものではあるのでしょうが、《立ち向かって/恐れないで/絶望に怯えずに今》と退路を断っていると言いますか、もはや前向きを通り越して前のめりな内容ですよね。

腹を括っている人の歌だなって。これから最終決戦に行く人の歌のような印象があります。

鈴木さんのこれからの活動は最終決戦ではないでしょうが、どこか重ね合わせるようなところもあるのでしょうか?

歌詞に関しても今の自分の気持ちに当てはまるものだと思います。もちろん『Re:ゼロから始める異世界生活』の作品にもぴったりではあるんですけど、私自身、8年間歌い続けてきて、もう1ステージ進むために環境を変えてみようとチャレンジをした年だったので…うん、歌詞も重たく自分自身に響きましたね。メッセージ性の強い曲ではあると思います。

サウンドだけでなく、歌詞も鈴木さん自身にぴったりなんですね。

何かを背負いながら、さらに進んでいく人の曲というか…それは過去の自分だったり、自分に想いを馳せてくれた人たちの信念だったりを背負って歌っている人の曲というイメージがあって、そういう意味では今の自分が歌うにぴったりな曲だと思います。

“何かを背負っている”とおっしゃいましたが、「Realize」のようなハードなアプローチの楽曲は、ここまでの積み重ねがあるからこそ歌えるナンバーなんでしょうね。新人がこれを目の前にいきなりバンと置かれても、なかなか受け止めづらいと思います。

あぁ、そうですね。すごいストーリーを感じる曲だと私は思いました。デビュー時に歌える曲ではないというか、1期ではこの曲は歌えなかったと思います。

私、先ほど特に2番はサウンドが密集していくので、ヴォーカリストの音源っぽくないと言いましたが、そこに拮抗できるだけのヴォーカリゼーションを持ったシンガーであるという信頼感がないと、コンポーザー、アレンジャーもここまではやらないでしょう。

「そう思ってもらえたら嬉しいです。私も最初に聴いた時は“これは楽器陣に負けられない!”と思いましたしね(笑)。今までもパワフルな曲が多かったんですけど、言っていただいたように、作家のみなさんが鈴木このみを信頼して書いてくださったと思うので、それを裏切らないように精いっぱい頑張ろうと思ってレコーディングに挑みました。

「Realize」の歌唱は貫禄の成せる業と言えるのかもしれませんね。

ありがとうございます。この曲は歴史あっての歌という感じがします。

あと、先ほど鈴木さんも“ライヴで歌っている姿が想像できる”とおっしゃっていた通り、完全にライヴ向きというのも信頼感のあってのことでしょうね。

8月に出演予定だった『Animelo Summer Live』で、さいたまスーパーアリーナで歌うことを想定をしていたので、ライヴはかなり意識して制作してもらいました。特に2番からは会場のみなさんの力が必要になってきたりもしますし、これはライヴでどんどん磨いていきたいなと思ってますね。

このスケール感は大きい会場に合うでしょうね。

そうですね。2番くらいまではバーッと盛り上がっていって、落ちサビで静寂が広い会場にパーッと広がって…

一旦、そのまま終わっていくのかと思わせて…

最後に大爆発するという(笑)。
鈴木このみ
シングル「Realize」
シングル「舞い降りてきた雪(恋とプロデューサー featuring Konomi Suzuki)」

OKMusic編集部

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