蒼井優主演×黒沢清監督の映画『スパ
イの妻』がヴェネチア国際映画祭で銀
獅子賞に輝く 日本映画としては17年
ぶりの快挙

蒼井優主演、黒沢清監督の映画『スパイの妻』が9月2日(現地時間)よりイタリアで開催されている『第77回ヴェネチア国際映画祭』で、銀獅子賞(監督賞)を受賞したことがわかった。
『スパイの妻』は、蒼井優の主演最新作であり、黒沢清監督がメガホンをとった映画。2020年6月にNHK BS8Kで放送された同名ドラマを劇場版として調整したサスペンス作品。太平洋戦争開戦間近の日本を舞台に、偶然国家機密を知り、正義感からその顛末を世に知らしめようとする男・優作と、反逆者と疑われる夫を信じる妻・聡子の姿を描く。主演の蒼井が聡子を演じ、高橋一生が夫・優作で共演。そのほか、坂東龍汰、恒松祐里、東出昌大、笹野高史らがキャストに名を連ねている。スタッフでは、『ハッピーアワー』の濱口竜介氏と野原位氏が黒沢監督とともに脚本を担当。ペトロールズ東京事変のギタリスト・長岡亮介が音楽を担当。日本では、10月16日(金)より全国公開される。

ヴェネチア国際映画祭は、カンヌ・ベルリンと並ぶ世界三大映画祭のひとつ。『スパイの妻』は、同映画祭のメインであるコンペティション部門に唯一の日本映画として選出された。9月9日(水)22時(現地時間)のワールドプレミアは早々に完売となり、監督・キャスト不在にもかかわらず、上映後ではあたたかな拍手の音が響いたという。
同映画祭の最優秀監督賞にあたる銀獅子賞は、2018年はジャック・オーディアール監督(『ゴールデン・リバー』)、2019年のロイ・アンダーソン監督(『ホモ・サピエンスの涙』)が受賞している。『スパイの妻』は、日本映画としては2003年の北野武監督の『座頭市』以来17年ぶり。また、溝口健二監督は『雨月物語』と『山椒大夫』で2度、黒澤明監督は『七人の侍』、熊井啓監督は『千利休 本覺坊遺文』でそれぞれ受賞しており、黒沢監督は日本では5人目の受賞者となった。
審査員のひとり、クリスティアン・ペッツォルト監督(『未来を乗り換えた男』)は「大好きな作品です。オペラ的なリズムと画作りで政治ドラマを描く。このような作品には久しく出会っていませんでした。30~40年代の伝統的な世界を現代のスタイルで表現しています」とコメントしている。
黒沢監督、蒼井、高橋のコメントは以下のとおり。
黒沢清(監督)
スタッフと俳優の力が最高のかたちで組み合わさった結果だと思っています。映画の可能性は無限なのだと、この歳になって実感しました。
蒼井優
黒沢監督、銀獅子賞受賞おめでとうございます。
ケイト・ブランシェットさんから監督のお名前が呼ばれた瞬間、現場の片隅で、モニターを静かに並んで見つめられていた、監督と奥様の後ろ姿を思い出しました。
たくさんの映画仲間から連絡が入り、みんなとても興奮し、感動し、喜んでいます。黒沢監督、本当におめでとうございます。これからも監督の映画を楽しみにしています。
高橋一生
ヴェネツィア国際映画祭監督賞受賞、心からお祝い申し上げます。
この作品が世界で評価されることを嬉しく思います。
黒沢監督のもと、あの空間、あのスタッフ、キャストと共に作品を作り上げていく時間は、最高の体験でした。
これからも素晴らしい作品を楽しみにしております。
おめでとうございます。
なお、同映画祭の最高賞(作品賞)にあたる金獅子賞は、クロエ・ジャオ監督、フランシス・マクドーマンド主演の『ノマドランド』が受賞している。
『スパイの妻』は10月16日(金) 新宿ピカデリー他全国ロードショー。

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