コロナ禍の今、再び脚光を浴びる
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
の鮮烈なデビューアルバム
『レイジ・アゲインスト・
ザ・マシーン』
グループの結成
本作『レイジ・アゲインスト・
ザ・マシーン』について
収録曲は全部で10曲。どの曲も印象深いが、やはり極め付けは「キリング・イン・ザ・ネーム」だ。曲の内容は、アメリカで実際に起きた白人警察官4人による黒人運転手の殺人事件についてのもの。この事件は、裁判で警察官4人に対して無罪判決が出たため、ロスの各地で黒人の暴動が起きるなど大きな騒ぎとなり、アメリカで根強く残る人種差別に世界規模でのバッシングが起こった。奇しくも今年の5月25日に起こった白人警察官による黒人ジョージ・フロイドの殺人事件と類似しており、30年近く経った今でも差別問題が解決していないことが露呈し、この曲がリバイバルヒットすることになったのである。
今のキナ臭い世の中だからこそ、彼らが発信する反権力・反体制のメッセージを真摯に聴き直すべきなのかもしれない。
TEXT:河崎直人