稲垣吾郎「いまではぼくの美意識の礎
となっています」 岩井俊二監督らが
手塚眞監督の映画『白痴』デジタルリ
マスター版公開にコメント

映画『白痴』デジタルリマスター版が10月31日(金)より劇場公開されることが決定。あわせて、稲垣吾郎らによる応援コメントが到着している。
『白痴』は、坂口安吾の同名短編小説を手塚眞監督が映画化した作品。浅野忠信、モデルの甲田益也子のほか、草刈正雄、橋本麗香、原田芳雄、江波杏子、藤村俊二、岡田真澄らが出演。スタッフには、11月20日に公開される手塚監督の最新作『ばるぼら』に繋がる、音楽の橋本一子氏、美術の磯見俊裕氏、メイクの柘植伊佐夫氏ら手塚組のスタッフも参加している。1999年の初公開時には、ヴェネチア国際映画祭デジタル・アワードを受賞している。今回、20周年を記念して劇場公開されるのは、作家自らがデジタルリマスタリングしたバージョンだ。
(C)手塚プロダクション
(C)手塚プロダクション
(C)手塚プロダクション
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手塚監督みずから寄せたコメントと、稲垣吾郎、岩井俊二監督らの応援コメントは以下の通り。
手塚眞(監督)
これを作った時代はまだバブルの末期で、命の危機感や生活の困窮など無縁でした。その後ニューヨーク・テロが起き、大震災があり、今はまたコロナ・ウィルスの脅威に晒されて、20年前よりも切実にこの作品が身に迫ってくると思います。ネット動画全盛の今だからこそ、劇場のスクリーンにこだわった映画美を堪能してほしいと思います。
稲垣吾郎(俳優)
『白痴』で目にした色彩の世界はまるで原体験のように脳裏に焼き付き、いまではぼくの美意識の礎となっています。当時は背伸びをして観ていたけれど、今見ると、すとんと心に染みわたる。何年かおきに見返しては、自分自身を見つめることができる作品だと感じます。僕が出演する映画『ばるぼら』に続く道は『白痴』から始まっています。
岩井俊二(映画監督)
主人公の男と白痴の女。二人が接触するシーンはルネサンスの名画を直に触れるような美しさだった。
帝国の歌姫は真の主役かも知れない。彼女の狂気、秘めた葛藤、そして溢れる涙に心奪われた。
スプツニ子!(アーティスト/東京藝術大学デザイン科准教授)
虚構ではなく真実と共に生きることを選んだ時、人間は迷い、不安を抱え、行きつく場所が見えにくくなっていても、真実が安心のできる場所に導いてくれる。不和の広がっている現在、心に刺さります。
津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)
退廃の空気色濃い世界観に散りばめられた「謎は謎のまま」が極めて贅沢な映画。人の世は、諦念と執念、そして狂気と正気ただその繰り返しなのかもしれないと思わせる怪作。
『白痴』デジタルリマスター版は2020年10月31日(金)よりシアター・イメージフォーラム、シネ・ヌーヴォ他、全国順次公開。

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