すとぷり “どんなことがあっても前
進し続ける”覚悟と決意を見せた無観
客生配信ライブをレポート

すとろべりーめもりー in すとぷりちゃんねるっ!【Vol.2!!】

2020.8.27
動画配信エンタメユニット・すとぷりが、無観客生配信ライブ『すとろべりーめもりー in すとぷりちゃんねるっ!【Vol.2!!】』を8月27日に行った。コロナ禍において、3月のナゴヤドーム公演、この夏の東京ドーム公演と連続して見送らなければならなかった彼らの無念は察するに余りあるが、これまでどんな困難も乗り越え、いつだってリスナーのことを第一に考えてきた彼らである。無観客ライブ生配信という新しいエンターテインメントショウの在り方を、3月に行ったYouTube無観客ライブ生配信『すとろべりーめもりー in すとぷりちゃんねる』のときにも増して、力強く示してくれたように思う。要は、画面越しであってもすとぷりメンバーを近くに感じられて、とんでもなく楽しい時間を過ごせた、ということだ。
6人がせーので「頑張るぞ」の声を合わせたオープニングムービーに続き、1曲目は数日前に動画公開されたばかりの「Streamer」。ななもり。と谷口尚久が作詞をし、るぅとと松が作曲を手がけた、アッパーチューンだ。“Streamer=配信者”である彼らが<イケてるあの子も さえないあの子も 好きを届けて 好きを見つけて><クサクサで憂鬱だったオールデイ 今のうちにアップデート 僕らなら大丈夫>と歌うのだから、説得力がありすぎる。
すとろべりーめもりー in すとぷりちゃんねるっ!【Vol.2!!】
続く「苺色夏花火」は、ポップでちょっとセンチメンタル、夏にぴったりなナンバー。ななもり。はパープル、ジェルはオレンジ、ころんはブルー、さとみはピンク、るぅとはイエロー、莉犬はレッドと、甚平をモチーフにした衣装はそれぞれのメンバーカラーで彩られていて、夏祭り気分も高まっていく。タイトル通りよさこい節のパンチが効いた「よさこいディスコParty」では、6人がステージを前後左右に躍動。“ソイヤッサ”のかけ声に、きっとすとぷりすなーのテンションも爆上げのはず。
「2度目の無観客ライブ、今回もフロアに超巨大モニターを置いてあって、みんなのコメントがばっちり見えてます!……コメントが多すぎて読めないくらいだけど(笑)、ありがとうございます! 2020年の夏の最後に、みんなと一緒に最高の思い出を作りたい!」
すとろべりーめもりー in すとぷりちゃんねるっ!【Vol.2!!】
ななもり。の言葉に続き6人で声を合わせてタイトルコールしたのは、「Next Stage!!」。ななもり。、ジェル、さとみ、ころん、莉犬、るぅとと順繰り歌をつないでいく全員攻撃型な圧倒感、“新時代の挑戦者”としての気概はだいぶ胸アツだ。また、「Next Stage!!」と同じく2ndアルバム『すとろべりーねくすとっ!』に収録されている「アモーレ・ミオ」を、ライブで初披露。顔がはっきりと映らなくても、彼らが楽しんで歌い、踊っていることがよくわかる。
Twitterハッシュタグ“#すとぷりくえすと”の集計結果を受け、「いろんな曲をみんなに届けたい」と各曲をショートVer.で届けてくれたのは、「好きでいてくれていいよ」「ヒカリユメ」「LOOK UP」。これまた、『すとろべりーねくすとっ!』収録のライブで初披露の曲たちだ。メンバー同士で肩を組んで歌う「好きでいてくれていいよ」。スカなリズムに身体を揺らしながらちょっと大人っぽく歌う「ヒカリユメ」。切なさが極まる「LOOK UP」。すとぷりは、本当にさまざまな表情を持ち、色とりどりの表現ができるグループだとつくづく思う。
すとろべりーめもりー in すとぷりちゃんねるっ!【Vol.2!!】
6人でいるときとはまた違った雰囲気が生まれるグループ内ユニットもおもしろい。「道標」「咲かせて恋の1・2・3!」をジャレ合いながら、かけ合いながら歌う奔放さは、莉犬、るぅと、ころんからなる“信号機組”ならでは。“信号機組”のパフォーマンスを受け、「かわいかったね!」と登場したのは、ジェル、さとみ、ななもり。による“大人組”。<全てはキミのため>と言い切る「キングオブ受動態」も、愁い色をたたえた「脳内ピエロ」も、大人な3人だからこそ歌えるのだ。
賑やかなわちゃわちゃトークをはさみ、「ストロベリー☆プラネット!」から始まったのは“ナユタンメドレー”。ボカロP・ナユタン星人の生む中毒性の高いSFポップとすとぷりは、とんでもなく相性がいい。「ギンギラ銀河」「スキスキ星人」では、メンバー同士肩を組んでカメラに向かって手を振ったり、アニメ『妖怪ウォッチ』新シリーズ『妖怪学園Y -Nとの遭遇-』の第2弾オープニングテーマに起用された新曲「大宇宙ランデブー」を披露してくれたり、リスナーが喜ぶことばかり!
すとろべりーめもりー in すとぷりちゃんねるっ!【Vol.2!!】
ライブ終盤には、メンバーそれぞれが想いを言葉にしていく場面も。
ころん「今日は来てくれてありがとう。ライブをやるたびに、僕はすとぷりでよかったな、って思います。それは、メンバー、画面越しに応援してくれているみんなのおかげです。コロナの影響で、やりたかったことがなかなかうまくできなかったり、東京ドームができなくなったり、どうしようもないくらい哀しい想いをしました。だけど、今年の夏は配信にこの無観客ライブに、一番頑張ったって思える夏だったと思います。これからすとぷりはどんなやるせないことがあっても、叶えられないことがあったとしても、みんなに笑顔を届けるため、ただそのためだけに、全力で努力していきます」
るぅと「2回目の無観客ライブ、この夏の集大成です。ナゴヤドーム、東京ドーム公演が中止になってしまって、本当に悔しくて、やるせない気持ちで。みんなも暗くなってしまったり、落ち込んでしまったりしている中、どうにか状況を変えたくて、こんなときだからこそ、自分たちができることを届けていこう、頑張ろうって決めてこのライブの準備をしました。すごく素敵な無観客ライブができてよかったです。僕にとっての特別な一日、みんなにとっても特別な一日になっていたらうれしいです」
さとみ「みんなのコメントを見ながらこの舞台に立てて、頑張ってきてよかったなと思います。今年に入ってから、ライブやイベントができなくなってしまって……どんなに努力しても補えないのって本当にやるせない。でも、インターネットを通しての活動をメインにしてきた僕たちだからこそできることがあると思ってこの無観客ライブの準備もしました。俺たち6人のことを応援してくれて、ついてきてくれて、ありがとうございます。またいつか、みんなの顔を見ながら話せる日がくるまで、笑い合える日がくるまで頑張っていきます」
ジェル「この活動は、頑張ったら頑張っただけ、みんなが応えてくれる。だから、俺はこの活動が大好きだし、最高の活動やと思ってる。その中でも、大きなものがライブ。東京ドームが中止になったのは本当に辛かったし、この夏コロナの影響で辛い想いをしている人が多いと思う。でも、すとぷりのおかげで笑顔になれた、むしろ今までで一番楽しかったって思ってもらえていたらうれしいです。すとぷりは、リスナーさんのためなら、なにがあっても乗り越えていける。今、ここにみんなの姿は見えなくても、みんなの心、気持ちは見えます。この無観客ライブが、すとぷりの新しいスタート。ここからまた、走っていきます!」
莉犬「みんなの話を聞きながら思い出していたのは、全国ツアーをまわっていた去年のこと。去年は初めてのアルバム、西武ドーム、そこでのナゴヤドームの発表……挑戦の年でした。今年は、コロナの影響でナゴヤドームができなくなってしまって、次こそはと願った東京ドームでのライブもできなくなってしまって。でも、そのままでは終わりたくないと思って臨んだのが、今日の無観客ライブでした。いろいろな選択肢がある中で、この無観客ライブを観るという選択をしてくれて、本当にありがとう。こうして会えたんだから、こうして楽しいライブができたんだから、大丈夫。今日という日が、また明日を作っていきます。また、次の配信、いつかのライブで会いましょう」
ななもり。「俺たちが掲げてきた目標、夢があります。それは、みんなが胸を張って「好き」と言えるようなグループになること。コロナの影響で当たり前のことが当たり前じゃなくなってしまった中、楽しいだけで続けてきた配信、活動が、多くの人に楽しんでもらえるようになって。少しでも自分たちの目標に近づけていることが、すごくうれしいです。延期になったナゴヤドームが中止になってしまって、東京ドームも中止になってしまったけど、俺はそこで哀しんで足踏みするより、新しい楽しみを作っていきたい、と思いました。みんなに会えるのが、いつになるかわからない。でも、俺たちは挑戦し続けます。なくなったら、また作ればいい。キミが受け取ってくれ続ける限り、俺たちは届け続けるからね。そして、僕たちがいろんな活動ができるのは、俺たちの考えに賛同して、お手伝いしてくれる人がいるから。これからもみんなのことを想って、みんなの支えになれるような活動をしていくので、期待していてほしい。ということで、告知が2つあります」
告げられたのは、どこの事務所にも所属していなかったすとぷりが、株式会社STPRに所属して活動していくということ。2020年秋に、3枚目のフルアルバム『Strawberry Prince』をリリースすること。リスナーも含めチーム一丸となってこれからのすとぷりを作っていく、リスナーを楽しませるためにどんなことがあっても前進し続ける。6人のそんな覚悟と決意がにじんだ。
すとろべりーめもりー in すとぷりちゃんねるっ!【Vol.2!!】
その上で、「大好きになればいいんじゃない?」から始まったのは、クリエイターチーム・HoneyWorksの胸キュンなナンバーが並んだ“HoneyWorksメドレー”。莉犬とるぅとが手をつないだり、さとみところんが腕を組んだり、ななもり。とジェルが2人でハートマークを作ったり。「革命前夜」で“小さなレボリューション”と歌う彼らだが、6人が起こしているのは、誰も傷つけない、幸せの輪を広げる表現革命、と言ったら大げさだろうか。
アンコールで披露されたのは、ゴスペル的なイントロから6人それぞれの歌声が際立つ「マブシガリヤ」と、おなじみの「Strawberry Prince Forever」。先の見えない時代に、<一緒に行こう>(「マブシガリヤ」)、<一緒に作っていこう 新しいストーリー>(「Strawberry Prince Forever」)と真っ直ぐに歌う彼らが掲げるのは、希望の旗印だ。

文=杉江優花 撮影=林晋介 / 東美樹

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