大竹しのぶ、林遣都と激情あふれる悲
劇の名作に再び挑む 栗山民也演出で
舞台『フェードル』の上演が決定 

2021年1月8日(金)よりBunkamuraシアターコクーンにて、舞台『フェードル』が上演されることが決定した。
『フェードル』は、フランスの劇作家ジャン・ラシーヌがギリシャ悲劇『ヒッポリュトス』から題材を得て創りあげ、1677年1月1日、ブルゴーニュ座で初演。1680年コメディ・フランセーズ(国立劇場) のこけら落としでも上演され、17世紀フランス古典文学の最後を飾った。過去にはサラ・ベルナール、ヘレン・ミレンと各国を代表する名女優たちが演じてきた、金字塔的な作品だ。
悲劇へと向かう女性の姿を描く美しく輝く台詞、神話的世界をもとに表現した抵抗しがたい破滅的激情は、演劇の醍醐味を堪能できる要素が凝縮されており、フランスを代表する哲学者ヴォルテールが「人間精神を扱った最高傑作」と賞賛した歴史的名作でもる。
日本では2017年、主演に大竹しのぶを迎え、現代演劇界の重鎮、栗山民也が演出。2013年『ピアフ』でその年の演劇賞を総なめにする快挙を遂げたタッグが「大竹しのぶの新たな代表作を作る」と意欲を持って臨み、実現。演劇批評でも大竹の圧巻の演技などが評価され、第52回紀伊國屋演劇賞で個人賞を受賞するなど、喝采と大絶賛をもって熱く支持を得た。
そんな傑作が2021年、キャストもあらたに再演される。
主人公・フェードルは女優として圧倒的な存在感で注目を集め、舞台やテレビ、映画、音楽と幅広い才能を発揮、2019年に『ピアフ』で菊田一夫演劇大賞に輝いた大竹が再び挑む。フェードルの義息子・イッポリット役には、NHK連続テレビ小説「スカーレット」や「世界は3で出来ている」、舞台『風博士』など多くの話題作に出演し、高い演技力を発揮する林遣都が新キャストとして抜擢。栗山、大竹と初タッグとなる。
その他、瀬戸さおり、谷田歩、酒向芳、西岡未央、岡崎さつき、キムラ緑子と、個性豊かなキャストが集結した。愛に翻弄され、感情と感情がぶつかり合う美しいまでの悲劇を劇場で堪能しよう。
【ストーリー】
舞台は、ギリシャ・ペロポンネソス半島の町トレゼーヌ。行方不明となったアテネ王テゼ(谷田歩)を探すため息子イッポリット(林遣都)は国を出ようとしていた。
一方、テゼの妻フェードル(大竹しのぶ)は病に陥っていた。心配した乳母のエノーヌ(キムラ緑子)が原因をききだすと、夫の面影を残しつつ、夫には失われた若さと高潔さに輝く継子イッポリットへの想いに身を焦がしていると白状する。
苦しみの末、フェードルは義理の息子に自分の恋心を打ち明ける。しかし、イッポリットの心にあるのはテゼに反逆したアテネ王族の娘アリシー(瀬戸さおり)。イッポリットはフェードルの気持ちを拒絶する。
そんな中、テゼが突然帰還して……

演出・栗山民也 コメント
『フェードル』の再演が決まった。とても、うれしい。
この日本では、ライブである演劇作品がなんとも消費物のように扱われ、制限されたとても短い時間にさっと創られ、さっと劇は燃え、気付くとさっと姿を消している。だからこそ、たとえ何年後であっても、もう一度その世界と向き合うことのできることは、とても貴重でとても幸せなことなのだ。
あのラシーヌの「言葉」と「物語」が、今の時代にどんな姿で現れ、どんなカタチでまた熱くぶつかり合うことができるのか。この空白にも似た混沌とした時代に、どんな演劇的な光景が映し出されてくるのか、大事に見つめていきたい。
主演・大竹しのぶ コメント
300年以上も前に書かれたこの戯曲の世界にまたゆけることが、本当に嬉しいです。
愛と哀しみの中で、激しく生きるフェードルを演じることは、役者としての原点に戻るような気がします。
一回一回、全身全霊で演じ切りたい。そう、お客様の前で。
客席と舞台に立つ人間のエネルギーが交じり合う劇場に早く戻って欲しいと、切に願っています。
林遣都 コメント
古代ギリシャの物語を栗山民也さんの演出、大竹しのぶさんと共演という、今の自分にとってはスケールの大きすぎるお話だと感じています。
お二人とも初めてご一緒させていただきますが、きっと思ってもみなかった経験が出来る、間違いなく自分にとってステップアップになる舞台だと確信しています。
今とは見違えるほどの姿をお見せできるよう、毎日必死に大切に取り組みたいと思います。

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