松尾太陽

松尾太陽

【松尾太陽 インタビュー】
“今”だからこその本名で挑む
ソロデビュー

超特急のバックヴォーカルとして歌唱を一手に担うタカシが、本名の“松尾太陽”としてソロデビューを果たす。“City Pops”をテーマにしたミニアルバム『うたうたい』には、黎明期のJ-POPをルーツに持つ彼だからこその世界が凝縮されている。

自分と同年代はもちろん、
幅広い世代の人も聴けるものにしたい

待望のソロデビューですが、今のコロナ禍がなければ、もしかしてこのタイミングでのデビューもなかったんじゃありません?

昨年の9月に『Utautai』というソロライヴを開催して、超特急でお世話になっているチームとは別の音楽チームの方々とお仕事させていただいたんですね。そこで披露した僕が初めて作詞作曲を行なった2曲の制作を通して、ここで終わりにするのはもったいないっていう話になったんですよ。

その音楽チームを引き継いで、ソロデビューするのはどうだろうかという話になったんですね。

はい。マネージャーさんからも“やってみない?”って感じで言っていただけて。もちろんすごくありがたくて嬉しかったんですけど、やっぱり当初はとても不安がありました。今年になって新型コロナウイルスの影響で、エンタメにも大きな余波が来るような事態になってしまったじゃないですか。僕も超特急も2カ月くらい自宅で過ごすことになったんですけど、その時にひとりで考える時間が圧倒的に増えたんです。

どんなことを考えました?

これまで歌とかパフォーマンスっていう、いろいろなエンターテインメントを超特急で届けてきたけれど、自分がソロデビューすることになったら、超特急に加えて松尾太陽個人としても音楽を提供できるし、より多くの人にエンターテインメントを届けられるんじゃないかって考えたんです。今はライヴもできないし、直接ファンのみなさんに会うこともできない。だったら、せめて音楽を聴いてる間だけでも、今の現実を忘れさせるような、そんな手段をひとつでも増やしたいと思ったんです。それがきっかけで、ソロデビューというものに対しての想いが強まっていきました。

この状況下ではアーティスト活動がどうしても限定されてしまうから、少しでも触れてもらえる選択肢を増やしたかったと?

はい。自宅での待機が明けてから、昨年お世話になった音楽チームの方々と毎日のように話し合って、“こういう楽曲がやりたい”っていうアイディアを出させてもらったり、“今はどういう音楽が流行っているんだろう?”っていうのをディレクターの方たちとも研究させてもらったり。結果、自分の中に強く根づいている昔ながらのJ-POPを狙っていきたいということになったんです。

デビュー作『うたうたい』のテーマにもなっている、いわゆる“City Pops”というところですね。『Utautai』でも、はっぴいえんどやシュガー・ベイブをカバーしていたりと、太陽さんのルーツは平成生まれとは信じられませんが、周りの大人にも“太陽くんは本当に趣味が渋いね”とか言われません?

言われました(笑)。僕、洋楽に関してはあまり詳しくはないんですけど、J-POPに関してはディレクターさんと同じくらいの曲数を聴いていて、『Utautai』の時にも驚かれた記憶があります。なので、今度のミニアルバムも“City Pops”を軸に、自分と同年代の人はもちろん、さらに幅広い世代の人もに聴いていただけるような作品にしたいっていう話はしました。

結果『うたうたい』には大塚 愛さん、堂島孝平さん、She Her Her Hersさんと、豪華なアーティスト陣が楽曲を提供してくださっていますね。

どなたにお願いするかというのは、基本的にチームの方々にお任せするかたちだったんですけど、リスナーとして普通に聴いていた方ばかりだったんで、“えっ、やってくださるんだ!?”って驚きましたね。もちろん感謝の気持ちでいっぱいになったし、リード曲をVaundyさんがやってくださるって知った時も、“うわっ、そうなんや!”って普通にびっくりしちゃったんです。あんまり関わることはないんじゃないかと思っていたアーティストさんだったから。しかも、Vaundyさんが最初に発表した「東京フラッシュ」はシティポップなんだけど“NEO”って感覚なんで、冷静に考えてみたら“いいかもしれん!”って。

納得の人選ですよ。しかもVaundyさんは、なんと23歳の太陽さんよりも年下だという。

そうなんですよ! 今まで常に自分が最年少だったし、ましてや曲を提供してくださる方は僕よりも上の世代ばかりだったので、やっと“令和になったんだな”って感じましたね。時代が変わってきてるなって、いい意味で不思議な感覚になりました。
松尾太陽
ミニアルバム『うたうたい』

OKMusic編集部

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