長瀬夏帆(アンダービースティー)で、
生誕祭を通し笑顔の裏のゴツいロック
魂を提示!!

 8月18日(火)、TSUTAYA O-WESTを舞台にアンダービースティーの長瀬夏帆の生誕祭公演「アンダービースティー 長瀬夏帆 生誕祭」が行われた。昨年よりも会場の規模がアップ。本当ならこの場を埋めつくす形で行うはずだったが、今年は制限された人数と環境の中での開催になった。

 場内が暗くなると同時に流れだしたのが、音の歪んだ「HAPPY BIRTHDAY」の音色。その後、会場中にデスメタルの音楽が流れだす。メタル好きな長瀬夏帆らしい生誕祭の幕開けだ。
長瀬夏帆の生誕祭と言えば、終始激しい楽曲で攻める構成が多いことで有名。本人も、ふわふわとしたマシュマロのようなキャラクターからは想像もつかない、ゴリゴリな激しい姿を示すこともある。だが今年は、コロナ禍により観る側にも「声出しNG」などさまざまな制約があることから、限定された中でも楽しめるセットリストを長瀬夏帆は用意してくれた。冒頭から前半にかけてセレクトした曲たちは、激しい中にも可憐さを見せる、まさに「華やか」という言葉が似合う曲たちが並んでいた。
轟音の上で華麗に舞い躍る姿を観客たちの瞼に焼き付けた、「GET LOVE」。ラウド/スピーディな楽曲を背負い、目の前や画面越しの人たちへ挑みかかった「Real Blade」。激しさと華やかさを重ね合わせた「occult propose」では、胸の内側から沸き立つ情熱を溜め込むように。サビ以降は燃え盛る感情を吐きだしながら、5人は可憐に、果敢に攻めていった。「どんな状況下だろうとメンバーの姿勢は何も変わらない。みんな声を出せないなら、魂を燃やして騒げよ」と言いそうな姿で戦いに挑むところが、アンダービースティーらしさ。その想いを示すに相応しい選曲をしてゆくところが、愛らしい表情の裏側にゴツイ魂を秘めた長瀬夏帆らしさ。観客たちも声を出せない変わりに、拳を高く突き上げ、彼女たちの熱いプロポーズを全力で受け止めていた。
これまでの真っ赤な炎渦巻く世界を眩しい光で満たすように歌ったのが、「スポットライト」。大切な仲間たちと一緒に夢をつかむ意志を刻んだこの歌は、何時の時代にもメンバーとファンたちとを強い絆で結び続けてきた。「君がつらいときはわたしが側にいるから」とメンバーらに見つめられ歌われたとたん、照れる長瀬夏帆。夏帆ちー、今宵は何時も以上にチャーミングで乙女しているじゃないか。
舞台には、長瀬夏帆・神谷美緒・今井莉南によるリトルビースティーの姿があった。アンダービースティー流ラウドなダンスロック曲「overtake」を通し、3人は「超えろ超えろ」と滾る感情をぶつけだす。長瀬夏帆をセンターに、3人が気持ちを一つに「もっと上へ ゴールはない」と燃え立つ感情をぶつける様が、とても凛々しかった。
MCコーナーでは、着替えのために舞台を下りた長瀬夏帆以外の4人による「長瀬夏帆の暴露コーナー」へ。毎年彼女をディスってしまうことから、今年くらいは褒めようとしたリーダーの植竹優亜だったが、今年も、生誕祭の手伝いをしている傍から主役が作業中に寝落ちしてしまうなど、ぐだぐだな様だったことにやはりグチってしまう。その発言に、春乃友夢から「リーダーが甘いから」と突っ込まれる場面も。長瀬夏帆がほんわかしているのは甘い育て方をしてきたリーダーのせいであり、その影響を受け、今井莉南が自由奔放に育っていることを伝えるなど、何時しか暴露話の矛先が植竹優亜に変わっていたところも、じつはメンバー全員が自由奔放なアンダービースティーらしい会話のやり取りだ。他にも、twitterにアップした写真について、「自分が可愛く映っているのを選ぶのは良いけど、他のメンバーの表情も気にして欲しい」ことから、4人に「もっとまわりを見て」とも、長瀬夏帆は言われていた。
ソロコーナーで長瀬夏帆が披露したのが、触れた人たちの気持ちを晴れた青空へ連れだす、爽快な「over the sky」。優しい笑みを浮かべ、アイドルらしい様で彼女は歌っていた。これが長瀬夏帆の本質?!それとも、ぶりっこした彼女らしさを具現化した姿?!。彼女か心地良さそうに歌い躍る姿を観ていたら、そんな細かいことはどーでもよくなっていた。「何時だってここにいるよ」「いこうあの空へ」と晴れた表情で歌う長瀬夏帆の姿が、今宵はとても眩しく見えていた。
バースデーコーナーを挟んだ後半戦からは、ふたたび魂を熱く揺さぶる曲たちを長瀬夏帆は並べてきた。後半でも、激しいだけではなく、情緒や哀愁を覚える曲たちを組み込み、身体は騒ぐ衝動に駆られながらも、心は彼女たちの伝える想いへ終始寄り添いたい気持ちに染まっていた。
 自分たちが未来へ向け突き進むうえでの強い意志と決意を記した「raven」。「這い上がれ今この場所から」「羽ばたけ 願う未来があるなら」と、黒い翼をはためかせ力強く歌う姿に触れ、フロア中から無数の拳が突き上がる。轟音ロックの上で、哀愁抱いた歌声を可憐に響かせた「Do more」。激しく身体を曲げ、観客たちを挑発。破壊力満載なデジロック曲「Black Jet」では、観客たちも心で雄叫びを上げ、思いきり拳を振り上げ、彼女らと気持ちを一つに轟音の中で暴れ続けていた。
凛々しき闘いの女神のような姿を示しながら、妖しく歌い踊り続けた「taboo magic」。挑発する様を見せながらも、メンバー全員笑顔なのも印象的だ。途中、長瀬夏帆がペンライトを取りに行き、歌っているメンバーらへ無理やり手渡す風景も。長瀬夏帆の予想外の動きに戸惑うメンバーらの姿も、観ていて愛らしい。続く「ROCK ALIVE」では、メンバーたちがグリーンのペンライトを振りながら力強くパワフルに歌えば、フロアでもグリーンの光を大きく揺らし、5人の煽りを全力で受け止める姿があちこちに見受けられた。
「今年は自粛など世間の環境もある中で、この生誕祭が決まりました。今はいろいろ難しい環境でもあるんですけど、こうやって突き進んでいるので、みなさんも大変だとは思いますが、ぜひ一緒にライブをもっともっと楽しんでいけたらなと思っています」(長瀬夏帆)
激熱なライブを示したうえで、これからも一緒に未来の扉を開こうと誘いをかけるように、アンダービースティーはキラキラとした輝きを放つ「happiness to you!」を。そして、「ずっとあなたが好きです愛をくれますか」と歌いながら、最後に「crazy fancy」を届けてくれた。何時、どんな状況下にいようが、互いに想い想われあっているからこそ自分たちは前を向ける。アンダービースティーとしてつねに抱いてる想いを、この日、長瀬夏帆が改めて示してくれた。 
 ノンストップで熱狂に熱狂を重ね合わせてゆく。その姿にアンダービースティーらしいロックな魂を、心を熱くさせるUB ROCKの神髄を感じさせられた。そして、最後まで汗だくの笑顔を見せてくれた長瀬夏帆。それも、彼女らしい姿じゃない。

長瀬夏帆からのメッセージ
「わたしはロックが好きで、ロックなアンダービースティーの曲など、わたしの好きな曲を生誕祭では組んでしまうことが多いんですけど。今回は、声を出せない環境など規制がある中なので、「これをここに持ってきたらファンの方に楽しんでもらえるんじゃないか」とか。ちょっとノリの良い曲やバラードなど、普段「ロックだけでいい」というセットリストを組むことが多い中、何時もとはちょっと異なるセットリストを組みました。みなさんに楽しんでいただけていたのであれば嬉しいです」
PHOTO: Kuro
TEXT:長澤智典
★音源情報★
【CD 6thシングル】
「Real Blade」
発売日:2020年9月9日
エイベックス・エンタテインメントよりメジャーリリース予定
発売元:VORTex/販売元:エイベックス・エンタテインメント株式会社」
Real Blade(TYPE-A)
XNOK-1
\1,000(税込)
01.Real Blade
02.ANTHRO Miyagawa Maro version
03.Past Perfume
Real Blade(TYPE-B)
XNOK-2
\1,000(税込)
01.Real Blade
02.ANTHRO 鳴風version
03.YNDR
「Trust in…」
【配信限定リリース】
日本テレビ『バズリズム02』 「あの人ランキング」にてMV公開!               
︎オリコンミュージックストア                              
★LIVE情報★
「アンダービースティー -UB roll a DICE-」
2020年10月21日(水)
新木場スタジオコースト
[開場 18:00/開演 19:00]
アンダービースティー Web
アンダービースティー twitter
アンダービースティー BLOG
アンダービースティー YouTubeチャンネル
―セットリスト―
「GET LOVE」
「Real Blade」
「occult propose」
「スポットライト」
「overtake」(リトルビースティー)
「over the sky」(長瀬夏帆ソロ)
「raven」
「Do more」
「Black Jet」
「taboo magic」
「ROCK ALIVE」
「happiness to you!」
「crazy fancy」

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