L→R syunn(Ba)、yu-ya(Gu)、kiila(Vo)、rio(key)、tomoki(Dr)

L→R syunn(Ba)、yu-ya(Gu)、kiila(Vo)、rio(key)、tomoki(Dr)

【vivid undress インタビュー】
自分が主役だと思って、
もっと自分のことを
考えて生きてほしい

昨年末にデビューしたvivid undressからメジャー第二弾となるミニアルバム『変身コンプレックス』が届いた。タイトルが示すように変化&進化がはっきりと見て取れる、メンバー曰く“丸裸な作品”に仕上がった今作。事がここに至った経緯とそこでの心情をkiila(Vo)とrio(Key)が語ってくれた。

アーティストとしての自分と
本当の自分との差異を失くしたかった

本作は今まで以上に素直なvivid undressが投影された作品ではないかと思います。「主演舞台」のMVなどは観る人が観たら“だいぶ変わったなぁ”と思っても不思議ではないほど、ものすごくさわやかですし。

kiila
そうですよね(笑)。特に自分自身が変わっていきたかったというか…もともと強くて、クールに攻めているようなバンドで、そこにいる自分も好きだったんですけど、“vivid undress”として自分はどう生きていくべきか迷っている時期があったんですね。アーティストとしての自分と本当の自分との違いを感じてて、“私ってどういう人?”って周りのいろんな人に訊いたら(笑)、意外と自分が思っていたバンドでの私と周りからの見られ方が食い違ってたんです。よく言われたのが、“バンドの音源を聴いて実際に会ったら、思っていたのと違う”みたいなことで。それは結構言われたから、自分的にはそこの差異を失くしたかったんです。その葛藤から、より自分らしくしたいし、メンバーも斜に構えるような人たちじゃなくて、めちゃめちゃ明るくて、いつも笑っているような人たちなので、“もっと周りに愛されるようなバンドになっていくために変わっていきたい”と強く思っていて。メンバーもそれに賛同してくれて。

メジャーデビューするとメディアに出る機会も増えますし、そうしたところで自分たちがどう見られているかを確認することも多かったんでしょうね。

kiila
そうかもしれないです。迷っていたのもちょうどその時期だったので。

そう考えると、『変身コンプレックス』はメジャーで2枚目の音源ですから、ここで変化が訪れたというのは頷けます。

kiila
露骨に見られ方が違ったことで、自分の中で“ん!?”って思ったんでしょうね。“あれ、何か違うな”みたいな…違和感というか。近寄りがたい存在とか言われてたし。“怖い”とか“何を考えているのか分からない”とか…(笑)。でも、私は素直だし、すぐに何を考えているのか分かるタイプの人間なので、真実の私を伝えたいと思いました。

rioさんはどうですか? アルバムタイトル通り、まさに“変身”と言っていいような作品になったと思いますが。

rio
結果論ではそうです。「主演舞台」を持ってきたのがベースのsyunnだったんですよ。楽器隊としては“これはいい曲だからやろう”っていうことで始めたので、やっている当人としてはそこまで違和感なく取り組めたところはあったんですよね。ただ、歌詞が付いて全体像が見えてきた時に“今までとはだいぶ違う作品になる”とは思ったので、不安感がまったくなかったかと言ったら嘘になります。

そうですか。曲がsyunnさんから上がってきた時はいつも通りのとらえ方でしたか?

rio
そうですね。これはvivid undressでも全然できるし、“やってみよう!”という感じで。

そうなんですよね。観る人が観たら“だいぶ変わったなぁ”と思われると申し上げましたけれど、何が変わったのかを分析すると、実は変わってないところもあって。まず、メロディーは大きく変化してない。もともとこのバンドのメロディーは、歌はもちろん、楽器隊が奏でるリフレインなどもポップなものばかりです。ですから、『変身コンプレックス』にしてもパッと聴きにはそう違和感がない気はしますね。「主演舞台」の歌メロをはじめ、「感情戦争」のイントロのギターリフ、「ファンファーレ行進曲」のキーボード、どれもキャッチーです。

rio
それはどこかで零れ落ちてしまうんでしょうね。うちららしさが出るというか。

はい。では、どこが変わったかと言うと、バンドアンサンブルはかなり変わってますよね?

kiila
それは意識してましたね。今回の作品はもともと“もっと歌を大事にしよう”と思ってて。今までもサビメロはキャッチー、でもA、Bではこねくり回す…みたいな感じだったんですけど、それをもっともっと歌にフォーカスを当てるというか。担当ディレクターと話したのは、“kiilaちゃんという人物がどういう人なのかをもっとみんなに見せたいから、歌詞と歌を大事にしよう”ということで、今回はどちらかと言うと、削ぎ落とした部分…引き算が多かったかもしれないです。

各パートの出し引きのバランスが上手になっている印象がありますね。前作まではオルタナ系というか、ラウド系というか、各パートが出すところで全部出すというか。

kiila
そうなんですよ! 全部がグワーッみたいな(笑)。

それが悪かったとは言いません。それもとても良かったんですけど、今回はそれとは明らかに別のアプローチですよね?

kiila
それは本当に全員で意識しました。

ここにいない方の話をするのは失礼でしょうけど、yu-yaさんって歌メロに匹敵するほどキャッチーな旋律を作られるギタリストである印象があるんですが、今回の彼のギターはわりと抑制されてますよね?

kiila
そうなんですよ。yu-yaとも引き算の美学みたいなものをすっごく話し合ったし、彼なりに悩んでいたみたいです。彼も私と同じで“vivid undressとしてこうでなくちゃいけない”みたいなものが凝り固まっていて。でも、“それは一旦、やめない?”みたいな感じで話して(笑)。歌を大切にして、出るところは出ると。サポートミュージシャンという感じでやるんじゃなくて、“ひとりのギタリストとして自分の表現を入れることをもっと意識しよう”みたいな話はすごくしましたね。そしたら、むちゃくちゃ引き算してました(笑)。

「主演舞台」のAメロはほぼギター弾いてないですもんね。

kiila
弾いてないですねぇ。前半はまったく弾いてないです。

でも、そこが新鮮でとてもいいですよ。楽曲全体にメリハリが効いていると思います。歌が盛り上がるところで楽器隊もここぞとばかりに一気に出るので、迫力はむしろ増している印象がありますね。ギターが引いた分、今回は鍵盤が目立ってますよね?

rio
そうなんです! 今回、自分がものすごく楽しかったのが印象的だったんですよ。これは本当に恥ずかしいんですけど、あんまりシンセに詳しくなかったのもあって、今までピアノメインのプリセット音源しか使ってこなかったです。でも、初めてシンセの音源を買ったんですよ。最初は不安だらけだったんですけど、その買ったサウンドが面白くて面白くて。“これも入れちゃおう! これも入れちゃおう!”って。あと、今回はありがたいことにコミュニケーションをとる時間が多かったんですね。だから、“ここでこの音を使ったらどう? これを入れたら楽しくない?”みたいなことをメンバー同士で確認し合いながら(笑)…それでギターのyu-yaを抑制したわけじゃないですけど、自分が思い描く理想として、まさに“引きの美学”がありました。自分が作曲を担当させてもらった「ファンファーレ行進曲」では“Aメロのギターは♪チュルリン〜しか弾かないで”って言って(笑)。yu-yaは“えっ!?”って驚いてましたけど、そこで慣れてもらおうと思ったんです。間というか、空白というか、そういうものに沿った音作りにしてみようと。自分もちょうどいろいろとインプットしてて、vivid undressでは洋楽チックなもの、ダンサブルな楽曲も絶対にできると思ったし…そういう楽曲ってガチャガチャと音数を詰め込みすぎてないので、間を作るように自分から仕向けましたね。

なるほど。例えば、「ララ、バイバイ。」のBメロでははっきりと鍵盤が確認できますが、こういうフレーズは過去にもあったと思うんです。ただ、やはりギターと被ることが多かった。でも、今回はそうなっていません。「ララ、バイバイ。」はアップチューンですけど、サウンドは密集形ではないところがいいんですよ。

rio
「ララ、バイバイ。」も楽しかった(笑)。前まではちょっと遠慮していたとうか、“ギターがそこまで弾くんだったらキーボードはコードで埋めればいい”みたいな感じだったんですけれど、今回は自分から攻めてて。「ララ、バイバイ。」も最初は“どうしよう”とは思っていたんですよ。“音数がキツキツな、今までの楽曲と似た感じになるぞ”とも思ったんですけど、そこをちょっと…それこそ“早い者勝ち”じゃないですけど、キーボードの音色を固めて先に提出したんです。それが良かったと思いますね。キーボードを最後に入れるんじゃなくて、“最初から自分はこれでいく!”みたいなものを提示したのが。そうすることで“ここはこうしたい”というのもいっぱい出てきたんで。

rioさんが作られた楽曲で言いますと、先ほども挙げた「ファンファーレ行進曲」もなかなか興味深いナンバーでして。デジタルブルースと言ったらいいか、デジタルジャズと言ったらいいか、あんまり他で聴いたことがない感じですね。

rio
あははは。あれは…これはさっきちょっと話に出たんですけど、うちらってカチッとまとまった感じだったと思うんですよ。その雰囲気をちょっと壊したくて。デモの仮タイトルも“不安にさせてよ”だったし。

なるほど(笑)。

rio
ちょっと不安になるリフというか、“何だ、これ?”みたいなことをしたかったんです。長調の正しいフレーズ、短調の正しいフレーズじゃなくて、何かちょっと引っかかるリフを出したいというのはあって、そこから派生してできていった曲なんです。だから、さっきの引きの美学の話も含めて、今までにない曲なんじゃないかって自分でも思いますね。

で、サウンド的に最も変わったのは4曲目「Make Magic」ではないかと思ってまして。

kiila
私もそう思います。

ディスコっぽい匂いがすごくしますよね。

kiila
もともとベースのsyunnがそういうファンクだったり、ディスコがすごい好きで、それで曲を持ってきたんですよ。最初はサビのメロディーもなくて、ほぼオケの状態で送られてきたんですけど、“この曲はやりたい!”って私はずっと言ってて(笑)、それで入れさせてもらった感じですね。

マドンナというよりもオリビア・ニュートン=ジョンな感じと言ったらいいでしょうか。ただ、そうは言っても、私、オリビアをYouTubeで聴いてみたんですけど、「Make Magic」はモロにオリビアっぽい音やフレーズを入れてることもなくて、“この、初めて聴くのにどこか懐かしい感じは何だろう?”という感じでしたね。

rio
ブルーノ・マーズにハマってたからかな?(笑) そういうところも出ているのかもしれない。
kiila
syunnの作曲だけど、ファンクやディスコを通ってない人たちがアレンジしているから、より新しいものになっているのかもしれない。

vivid undressとして新しいことをやった意識が強いですか?

kiila
強いですね。自分たちでもそう思います。
rio
そうですね。syunnからは最初に“rioさん、この曲にはピアノを入れないで”って言われましたからね(笑)。“えっ?”って思ったんですけど(苦笑)、それは“シンセで完結させてくれ”という要望だったんです。でも、“確かにこの曲なら…”って思ったし、syunnが勧めてくる曲を聴き込んだりして、“この音なら合う”というものを選び抜いてキーボードのフレーズを作ったことを覚えてますね。
L→R syunn(Ba)、yu-ya(Gu)、kiila(Vo)、rio(key)、tomoki(Dr)
ミニアルバム『変身コンプレックス』

OKMusic編集部

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