昨年『Bloom』でデビューしたVivaOlaが、今年の6月にセルフプロデュース・アルバム『STRANDED』をリリース。翌7月には『The Artist feat. Tommi Crane』をドロップするなど、積極的なリリースを続けている。アルバムに顕著だったのが空間を意識した音の配置で、彼のまろやかな歌と音数を絞ったドラムからは、人をくつろがせるリラックスしたムードを感じるだろう。そうした軽やかさこそが彼の魅力で、根幹にあるの音楽性はR&Bだが、ジャズやネオソウル、ヒップホップなど、VivaOlaはすっとジャンルを横断していく。
さて、もうひとつ触れておきたいのが、昨年始動したVivaOlaが所属するアートコレクティブ・Solgasaについてである。VivaOlaと旧知の仲であるWez Atlasが声をかけ、michel ko、Tommi Craneら4人で結成。彼らは互いの作品に客演で参加しながら、気心の知れた仲と音楽への情熱で、次々と良質な音楽を生み出しているように思う。昨年リリースされたVivaOla、Jua、Wez Atlas 名義の「Vise le haut」で食らっていたリスナーは、既に次代への期待を抱いているのではないだろうか。今はまだ小さな予感にとどまっているが、もしかしたら東京に新しい磁場が生まれるかもしれない。
VivaOlaのルーツ
ー初めて衝撃を受けた音楽はなんですか?
中学生でONE OK ROCKの「Re:make」を聴いた時ですね。その時は洋楽の曲だと思って聴いていて、その2年後くらいに邦楽と知った時に2度目の衝撃を受けました。彼らのアルバムに『Nicheシンドローム』という作品があって、僕も「シンドローム」という単語を使いたいと思い、今回「Tokyo Syndrome」という曲を収録しています。
そう、筋肉ムキムキのグレートーンのジャケです(笑)。あの筋肉からあの声が出るのが凄い良いですよね。「Chicken Grease」をよく聴いていました。あと、「Spanish Joint」っていう曲があって、あれは今回の「On My Side」を作る時リファレンスにしています。レゲトン調でありながら、レゲトンによくあるパキッとしたものではなく、もうちょっとリアルなドラムで叩いたアコースティックな感じが好きで。そこは「On My Side」で意識したところです。
ーなるほど。
ただ、一番のインスピレーションは去年LAで見たHerbie Hancockのライブですね。そこでフィーチャーされていたRobert Glasper。ドラムがグルーヴをイントロで出す時、「ンンカッツカ」って叩くんですよ。その「ンン」が入ってからの「カッツカ」を聴いた瞬間ズバーンってきちゃって。これをポップにしたらカッコいいやんって思って書きました。僕の「On My Side」を聴いてもらうと、グルーヴはそのまんまやっているのがわかると思います。